すさまじい猛暑のなかで、新型コロナ対策をしながらの熱中症対策をしなければならなかった今夏。ようやく季節上は秋を迎えたものの、まだまだ続くこの残暑のなかで見えない敵に負けないためにはどうしたらよいのでしょう? 今回は、女子栄養大学栄養学部教授・上西一弘先生、金町駅前脳神経内科院長・内野勝行先生に、猛暑時の健康管理をするうえでやっておきたいこと、知っておくとよいことをお聞かせいただきました。
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ビタミンDをとり入れよう!
ビタミンDとは、もともとカルシウムやリンなどミネラルの代謝や、恒常性の維持、骨の代謝に関わっているビタミン。今、このビタミンDが世界的に注目を集めているといいます。
上西先生によると、ビタミンDと新型コロナに関する論文が、2019年以降77件もあるそうで、いずれもビタミンDの働きが免疫の働きをサポートしてくれていることが挙げられているそう。
ビタミンDはどうやって摂取できる?
では、ビタミンDはどうやったらとれるのでしょう。
大きく分けて、「紫外線に当たることにより皮膚で合成される方法」と「食事からとる方法」の2つがあるそう。
しかし、実際は紫外線対策が習慣になったことで、紫外線に思いきり当たることは現実的ではありません、また、ビタミンDが多く含まれる食材には魚があげられますが、近年日本人の魚離れが進んでいることで、ビタミンD不足の一因になっているとのことです。
そこで、ビタミンDがとりやすい食材とされるのが、キノコ類。
なかでも上西先生は、まいたけ推し。たった100gとるだけで、1日に必要とされるビタミンDのほぼ半量とれることから、誰しもが習慣としてビタミンDをとりやすい食材としておすすめなのだとおっしゃっています。
新しい生活様式で増加中の血液ドロドロを防ごう
内野先生によると、新しい生活様式になったことで脳梗塞になりやすい環境になっているとのこと。
気温や湿気が高い中でのマスク着用。マスク内の湿度が上がり、のどの乾きが感じにくくなることで、水分補給がしづらくなり、血液もドロドロになってしまうそうなのです。
また、在宅ワークが主流になり、長時間同じ姿勢でいることは、脚の血流が悪くなるため血栓リスクも高まるのだそう。
このような危険な状態を予防する策として、内野先生は、第一にこまめな水分補給をしましょうとアドバイス。
飲むタイミングとして、起床後、朝食後、昼食後、夕食後、入浴後、就寝前の6回しっかり水分をとることで、1日に必要な水分量のおよそ1.5Lをとることができます。
そして第二に、座ったままの体操をとり入れて。
座ったままでいいので、ふくらはぎを意識しながらひざを上下に動かすことで、ふくらはぎの血流を促すことができるとのこと。タイミングとしては、2時間おきに20回を1セットが目安だそうです。
夏の疲れ、新しい生活様式の疲れが出てくるのがちょうど今頃。これらの情報を参考にしながら、秋に向けての体調管理に努めてくださいね。
取材・文/高田空人衣