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毎日の歯磨きが感染症の予防につながる? 歯周病と新型コロナウイルスには関係も! #Omezaトーク
みなさんは、毎日どんなことを意識して歯磨きをしていますか?
「虫歯にならないように」「口臭がキツくならないように」「なんとなく習慣だから…」など、さまざまだと思います。なかには「歯の健康は体の健康につながると聞いたから」という人もいるかもしれません。
自称、オーラルケアオタクの私、先日FYTTEでもご紹介した日本歯科医師会主催のセミナー「歯と口の健康シンポジウム2020-感染症とオーラルケア-」がとても気になって、参加してきたのですが、じつは、最近の研究結果から、インフルエンザや新型コロナウイルスと、口腔内の環境には関係があることがわかってきたのです。
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2020年10月14日、日本歯科医師会主催のセミナー「歯と口の健康シンポジウム2020-感染症とオーラルケア-」がオンライン(日本歯科医師会公式YouTubeチャンネル)で開催されました。
セミナーでは、神奈川歯科大学・副学長の槻木恵一先生から「感染症とトータルオーラルケア」についての講演や、槻木先生と東京歯科大学市川総合病院・呼吸器内科の寺嶋毅教授による「新型コロナウイルスと歯周病との関係性」についての対談などが行われました。
槻木先生によると、口腔内には細菌やウイルスが存在し、感染の入り口となっているものの、唾液(だえき)や日々のうがいや歯磨きなどの口腔ケアが、細菌やウイルスの感染を防ぐ役割を果たしているそうです。
なかでも、唾液中に含まれるIgA(免疫グロブリンA)という抗体が、細菌やウイルスなどの異物に付いて、粘膜への付着を防いでくれるのだとか。
「このIgAは、口腔内を24時間監視し、警察官のような存在です」と槻木先生。
さらに、IgAは、悪玉菌が多いと、効果的に働くことができないそうです。
実際に、ヨーグルトを高齢者に継続的に食べてもらう実験を行ったところ、総IgAが増加し、また、インフルエンザウイルスに反応して中和してくれるIgAも増加したという結果が。
つまり、できるだけ悪玉菌が口腔内にない状態にしておかないといけないってことですよね。
ちなみに、口腔に存在する細菌の数は、なんと便よりも多いと言われているのだとか! そう考えると、口の中って恐ろしい…(汗)。
また、口腔内でもとくに気をつけたいのが歯周病。歯周病になると、歯と歯肉の間に歯周ポケットができ、細菌やウイルスなどが侵入しやすくなるのだそうです。ほかにも、歯周病は、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)や大腸がん、関節リウマチ、認知症などのリスクを高めるということがわかっています。
「歯周病なんて、まだまだ先の話!」という人も多いと思いますが、なんと成人の約7割がすでに歯周病に! 私も以前歯科医院に行ったときに、「30歳以上の人は、程度はさておき、約8割は歯周病だからね」と言われ、衝撃を受けたのです…。幸いなことに、歯周病になる少し手前だったのですが、それ以来、恐ろしくて定期的に検診に行くようになりました。
歯周病に罹患してしまった場合は、歯科医院で治療をしなければなりませんが、そうならないためにも、日々の歯磨きや歯石・歯垢の除去などが重要とのことです。
ほかにも、舌には表面に舌乳頭(ぜつにゅうとう)と呼ばれる凹凸があり、ここに舌苔(ぜったい:舌の汚れ)がたまりやすくなり、その中に細菌やウイルスも混ざっている可能性が高く、定期的にケアしたほうがよいとのこと。
セミナーの最後に、歯の磨き方についてのレクチャーもありました。
下記の写真のように、自分では磨いたつもりでいても、じつは意外と磨けてない可能性も。
主にセルフケアには、歯ブラシや電動歯ブラシを使う「ブラッシング」、歯間ブラシやフロスを使った「フロッシング」、口腔洗浄器を使う「イリゲーション」の3つがあり、ブラッシングにおいては、歯に対して斜め45度からブラシを当てる「バス法」と、真横からブラシを当てる「スクラビング法」の2種類を意識して磨くといいそうです。ブラシを当てるときは、大きく動かすのではなく、小さく細かく動かすようにすると、歯間や歯の根もとあたりまでよく磨けるとのこと。
もし、うまくブラシを細かく動かせないようであれば、電動歯ブラシがオススメとのことでした。
これから冬に近づくにつれ、空気が乾燥してくると、感染症のリスクも高まるので、今からでも口腔内のケアはできる限りしておきたいところですよね。日々の歯磨き、歯間のケア、舌苔のケア…そして歯周病の疑いがあるかも要チェック!
(編集 けーこ)
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FYTTE 編集部員が、みなさんの朝のお目覚ましになるようなダイエット・美容・健康小ネタをお届けするコラムです。