全国の病院や医療センターに出店する薬膳レストラン「然の膳」(ぜんのぜん)。日本薬膳の第一人者、追立久夫氏が総料理長を務めます。本格薬膳を定番メニューにアレンジして大人にも子どもにも大人気! 今回は、「然の膳」のレシピをまとめた『大人気レストラン「然の膳」の世界一美味しいカンタン薬膳ごはん』から、春のストレスや疲れから不調になりやすい胃腸をいたわるレシピをご紹介していきましょう。
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季節の野菜で献立も多様に
日本人のための日本薬膳。前回、ドレッシングを薬膳に早変わりさせる方法をお伝えしましたが、それは献立の具材についても同じです。
「たとえば、一般的なマーボー豆腐はにんにくとねぎとしょうがと豆板醤、それから山椒が材料になりますが、そこに季節の野菜を投入するのです。夏はトマト、赤ピーマン、ゴーヤ、なすなどを入れて作る。冬は大根やほうれん草、ごぼうなどの冬の野菜を入れる。これで薬膳料理になるのです」(本書より)
薬膳は、「難しく考えないこと」だといいます。食材を加えたり、入れ替えたりするだけで、体によく、さらにバリエーションが増えて、献立にも悩まなくなります。
【胃腸の不調レシピ1】 黒酢オニオンドレッシング
サラダにも肉料理にもよく合う、さっぱり味のドレッシング。食欲不振や消化不良を改善する黒酢と新陳代謝を活発にする玉ねぎを組み合わせることで、胃腸の働きがよくなり疲労回復につながります。
【材料】(作りやすい分量)
玉ねぎ 1/2玉(100g)
◎黒酢 90ml
◎黒糖 大さじ1/2
◎しょうゆ 大さじ2
えごま油 大さじ1
【作り方】
(1)玉ねぎをみじん切りにする。
(2)保存容器に◎の調味料を入れ、よく混ぜ合わせる
(3)(1)とえごま油を加えて全体を混ぜる。
※冷蔵庫で2~3日保存可
【胃腸の不調レシピ2】 雑穀米の参鶏湯風粥
素材のうま味を活かした、胃腸にやさしいお粥です。きび、あわ、玄米、押し麦などがとれる雑穀米を、米と一緒にお粥に。塩麹と組み合わせることで胃腸の機能を高め、消化をうながします。
【材料】(2人分)
長ねぎ 1/2本
しょうが 1/2かけ
水 5カップ
塩麹 大さじ3
鶏手羽元 6本
米 1/2合(75g)
雑穀米 30g
ぎんなん(水煮) 8個
【作り方】
(1)長ねぎは斜め切りにする。しょうがは薄切りにする。
(2)鍋に水、塩麹、鶏手羽元、(1)を入れて強火にかける。沸騰したら弱火にしてふたをし、 10分ほど煮る。
(3)米と雑穀米を洗い、(2)に加え、ふたをして中火で20分ほど煮る。途中で水分が足りなくなったら水を加える。
(4)ぎんなんを加え、ひと煮立ちさせる。
胃腸にやさしいレシピをご紹介しました。このように、いつもの食材を少し入れ替えてみる、いつもの食材に何か加えてみる、それだけで体の不調を改善してくれる薬膳料理になります。
参考書籍
『大人気レストラン「然の膳」の 世界一美味しいカンタン薬膳ごはん』(アスコム)
文/庄司真紀
然の膳
体によくておいしい食事をコンセプトに全国展開するレストラン。「おいしくなさそう」という薬膳のイメージを覆すメニューが評判を呼び、病院、医療センター、自治体施設、経済産業省などへ次々と出店。2015年末から2019年にかけて店舗数が4から31店舗と、約8倍に急拡大している(一般食堂、職員食堂、FCを含む)。レストランで提供しているメニューは、日本における薬膳料理の大家、追立久夫氏のアイデアをもとに日常的な料理に落とし込んでおり、食べやすさと中医学の効能を両立。株式会社フードテックジャパンが運営。同社ではレストランのほか、「然の膳米」や薬膳ふりかけ、薬膳カレーなどを販売するオンラインショップ、薬膳料理が学べる「然の膳 薬膳学院」などを展開している。