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ドクターがアドバイス! 睡眠の質を上げるヒント。睡眠不足と感じたら、まずココをチェック!
新型コロナウイルスの流行が長期化する中、リモートワークなどで睡眠リズムを崩したり、睡眠不足になったりしがち。巷には睡眠に「いい」「悪い」という情報がたくさんあるので参考にしたいけれど、その情報って本当なの? そこで、現役医師たちが健康な体づくりのポイントを解説した書籍『臨床経験豊富な100人の専門医が教える! 健康 医学 ~本当はカラダに良いこと 本当はカラダに悪いこと』の編者で現役医師の梅岡比俊先生にインタビュー。梅岡先生が考える“快眠法”について教えてもらいました。
Contents 目次
まずは枕の高さをチェック! 枕は首を支えるだけでOK
「もともと日本はほかの先進諸国と比べて睡眠時間が短く、そのくせ生産性が低い。仕事の効率をよくするためには、睡眠の質を上げることも重要ということなんです」と梅岡先生。
睡眠の質を上げる方法はいろいろあるけれど、梅岡先生は「まず、枕が高すぎる人が多い」と指摘します。枕で頭を上げすぎると首に負担がかかり、それが首こりや肩こりを引き起こし、さらには体全体の不調につながってしまうこともあるのです。
「自分に合う枕の高さというのは、体格や骨格、寝る姿勢などによって違ってくるのですが、一般的には、寝たときに、立ったままの自然な姿勢を保てる高さが理想的とされています。人間工学的に合った高さということですね」
市販のものだと、真ん中がくぼんでいて首の部分が支えられるような、人間の自然な形にそった枕がいいとのこと。でも、もっと手軽に自分に合った枕を作る方法があるのだそう。
「タオルで枕を作るんです。クルクルとタオルを巻いた“タオル枕”を首の下に敷きます。ポイントは、頭はふとんにつけたままで、首だけをタオルで支えること。実際に寝てタオルをあてて調節すれば、簡単に自分に合う高さにできます。僕自身、なかなか合う枕がないので、旅先などでもいつもこのタオル枕を使っているんですよ」
タオルさえあればすぐに試せるので、首こりや肩こりが気になる人は試してみる価値がありそうです。
わかっていても見てしまう!? 寝る前のスマートフォンはNG
ほかに気をつけたいのは、スマートフォンのブルーライト。スマートフォンにはブルーライトという青色光が入っていて、それを寝る前に見ていると睡眠に悪影響を及ぼすということは広く知られるようになってきています。
「もう当たり前になりつつあることなのですが、ついスマートフォンを手にしてしまいますよね。僕も、寝る直前までスマートフォンを見ていたんです。でも今は、寝る前、1時間くらい前にはスマートフォンを見るのをやめて、その時間に本を読むことをルーティーンにしています。本を読んでいるうちに、だいたい1時間以内には眠くなりますから」
梅岡先生は、それまでの経験から「ビジネス書だと熱中してしまって眠くならないけれど、歴史小説を読むと、おもしろいと思いながら、ほどよく眠くなる」ことに気づいたそう。「ペットをなでる」「クラシック音楽を聴く」など、自分に眠気を呼んでくれる、アナログな楽しみを探してみるとよさそうです。
合う・合わないは人それぞれ。自分に合う快眠法を探そう
ここまでお話を聞いてきましたが、梅岡先生は「これらは、あくまでも僕の考えです。今回、出版した本にも示されていますが、医師によっていろいろな考え方があります。それを前提に、参考にしてほしい」といいます。
「みんなが納得する内容というのは、すでに定着していることといえます。逆に、相反する意見があるなら、まだ議論の余地があるということ。それをふまえたうえで、臨床のドクターたちが、今どんなことを考えているかというのを知ることに価値があると僕は思っています。ですから、ひとつの見解を妄信しないで、ほかのドクターの意見を聞いたり、文献やネットなどの情報で調べたりしてみることも大事なんです」
次回以降も、梅岡先生の考える快眠のポイントについてたくさん聞いていくのでお楽しみに。
参考資料
『臨床経験豊富な100人の専門医が教える! 健康 医学 ~本当はカラダに良いこと 本当はカラダに悪いこと』(フローラル出版)
取材・文/小高 希久恵 topイラスト/猫嶋 いおり