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ドクターが解説! 目を閉じるだけで睡眠不足を補える!? 睡眠の質を上げるヒント
新型コロナウイルスの流行が長期化する中、リモートワークなどで睡眠リズムを崩したり、睡眠不足になったりしがち。巷には睡眠に「いい」「悪い」という情報がたくさんあるので参考にしたいけれど、その情報って本当なの? そこで、現役医師たちが健康な体づくりのポイントを解説した書籍『臨床経験豊富な100人の専門医が教える! 健康 医学 ~本当はカラダに良いこと 本当はカラダに悪いこと』の編者で現役医師の梅岡比俊先生にインタビュー。今回の書籍の内容をもとに、目を閉じる効果について教えてもらいました。
Contents 目次
目を閉じるだけで、睡眠不足を補う効果がある?
書籍『健康 医学 ~本当はカラダに良いこと 本当はカラダに悪いこと』にも書かれているのですが、目を閉じるだけで約70%の睡眠効果があるのだそう。
「シータ波と呼ばれるリラックスした状態のときに出る脳波があるのですが、このシータ波は目をつぶっているときのほうが出てくるといわれているんです。目を閉じることは脳を休めることになるので、リラックス効果があるといえますね」(梅岡先生)
そもそも脳は、外界からのものすごい量の情報をつねにあびているのですが、その情報のおよそ8割は視覚から。そのぶん、目を閉じて、その膨大な視覚からの情報を遮断するだけで脳が休まるということなのだとか。
「ただ、目を閉じていても、人間って、ついいろいろ考えてしまいますよね。考えることで脳が活動してしまい、ほかの脳波が出てしまうので、脳を休ませたいのなら、何も考えず、ぼーっとしているほうがいいですね。瞑想に近いイメージで、呼吸に集中するといいですね」
「睡眠不足だな」と思ったとき、電車の中で目をつぶって、何も考えないようにするだけでも、脳を休めて、寝不足を補う効果はあるのだそう。
視覚からの刺激だけでなく、音の刺激も遮断すると効果的
梅岡先生によると「人間の脳にはレティキュラー・アクティベーティング・システム(脳幹網様体賦活系)というフィルターシステムがあって、自分に必要な情報だけを振り分けてとり入れているけれど、それでも、ものすごい量の情報が入ってきてしまう」のだそう。
また、目を閉じると、いつもは気にならないような音や声も、耳からの刺激として、いつもよりも気になってきます。周りの音が気になるときは、耳栓などをして音を遮断するようにすると脳を休ませる効果がアップします。逆に、外からの刺激でリラックス効果を高める方法も。アロマなども心身をリラックスさせる効果が期待できるといいます。
「ただ、耳栓やアロマなど、合う・合わないは人によって異なるので、試してみることが大切です。『光を完全に遮断できるからアイマスクを使ったほうがいい』という人もいれば、『アイマスクは邪魔で、かえって寝苦しい』という人もいると思うんです。
僕自身、アロマのリラックス効果は実感していますが、自分の睡眠に効果的なアロマにはまだ出あえていないので使っていません。でも、同じアロマでも、70歳になったら『合う』と思えるときが来るかもしれません。つまり、そのときの状況によっても違うということなんです。ですから、『これは!』と思えることは、いろいろやってみるといいと思います。やってみる価値はあると思いますよ」
参考資料
『臨床経験豊富な100人の専門医が教える! 健康 医学 ~本当はカラダに良いこと 本当はカラダに悪いこと』(フローラル出版)
取材・文/小高 希久恵