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意外な事実をドクターが解説! 日本人はいびきをかきやすい!? 本当は…?
新型コロナウイルスの流行が長期化する中、リモートワークなどで睡眠リズムを崩したり、睡眠不足になったりしがち。巷には睡眠に「いい」「悪い」という情報がたくさんあるので参考にしたいけれど、その情報って本当なの? そこで、現役医師たちが健康な体づくりのポイントを解説した書籍『臨床経験豊富な100人の専門医が教える! 健康 医学 ~本当はカラダに良いこと 本当はカラダに悪いこと』の編者で現役医師の梅岡比俊先生にインタビュー。今回の書籍の内容をもとに、“いびき”について教えてもらいました。
Contents 目次
下あごの小さい人は、いびきをかきやすい!?
いびきが睡眠不足を招いている場合もあります。「太っている人ほどいびきをかきやすい」というイメージがありますが、太っていないからといって安心はできないのだとか…。
書籍『健康 医学 ~本当はカラダに良いこと 本当はカラダに悪いこと』にも書かれているのですが、梅岡先生によると「やせていても、あごが小さい人はいびきをかきやすい」のだそう。
「寝ている間、呼吸でとり入れた空気が、何らかの理由でせまくなったのどの気道を通るときに起こる音です。太っている人は、脂肪によって気道が押しつぶされるため、いびきをかきやすくなります。一方、日本人の場合は、あごが小さいせいで、いびきが起きてしまうという人が少なくありません。あごが小さいと口の中がせまくなるので、舌のつけ根(舌根)が圧迫して気道がせまくなってしまうんです」
いびきは音も気になりますが、もっと問題なのは、呼吸でとり込む酸素量が減ってしまうということ。もっとも重度なのは、睡眠中にのどがふさがって何回も呼吸が止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群」です。
「いびきだけなら、治療が必要ではないレベルの人が多いんです。でも、睡眠中に呼吸が止まるようなら受診すべきですね。無呼吸症候群の場合は、寝ても脳や体の疲れがとれないため、日中にガマンできないほどの睡魔に襲われるなど日常生活に支障をきたすこともありますから」
睡眠時無呼吸症候群は、血液中の酸素不足や新陳代謝の異常などを引き起こし、生活習慣病のリスクを高めるともいわれるコワい病気なのです。
いびきを防ぐには横向きで寝るのが効果的!
睡眠中に無呼吸になるようなら受診すべきですが、梅岡先生によると「いびきだけなら治療が必要ではないレベルの人も多い」のだとか。
いびきが気になったら、対処法として、まずは以下の2つをやってみるといいそうです。
・太っている場合はやせる
・鼻が詰まっている場合は、スムーズに鼻呼吸できるように治療する
それでも、あごの小さい人はいびきをかいてしまうことも。そういう場合は、あお向けではなく、横向きで寝るのが効果的だそうです。
「あお向けに寝ると、舌根が沈んで気道がせまくなってしまうんです。体を横向きにして寝ると、気道をふさぐことなく、空気の通り道を作ることができます。ずっと横向きで寝るというのは難しいと思いますが、抱き枕を使うなどして工夫してみるといいですね」
梅岡先生は「いびきには自覚症状がなく、自分でなかなか気づけないところが難しい」といいます。周りの人からいびきを指摘されたら、ショックを受けたり、はずかしく思ったりしがちですが、自分の睡眠や健康を見直す機会にできそうです。
参考資料
『臨床経験豊富な100人の専門医が教える! 健康 医学 ~本当はカラダに良いこと 本当はカラダに悪いこと』(フローラル出版)
取材・文/小高 希久恵