新型コロナの流行によって私たちの暮らしは確実に変わってきています。それに伴い、ストレス発散がうまくできない、モチベーションが上がらないなどの心理的負担を抱えている人も少なくないはず。そこで今回は、メンタルトレーナーやマナー講師として活躍する井垣利英(いがきとしえ)先生に、日常ですぐにできる「心のデトックス法」について教えていただきました!
Contents 目次
心が石になっていませんか?
新型コロナによって自粛が続く中、運動不足はコロナ太りだけでなく、じつは心理状態にも大きな影響を与えています。
「心と体は連動しているので、体が動かないと心も動かないし、心がかたまると、体もかたまってしまいます。私はよく『心が石になる』と表現しているのですが、心が石になるとどんどん不安になって、気持ちが暗くなります。無意識のうちにストレスがたまっているのに、コンサートに出かけたり、友人とおいしいものを食べに行ったりなどといったリフレッシュもなかなかできない状況なので、ストレスはたまる一方です。心身ともに明るく元気になれるように行動を変えて、自分の心の品質管理をしましょう」(井垣先生)
まずは日常生活の中ですぐにできる方法で、凝りかたまった心をゆるめていきましょう!
「ふんわり、軽く」 心をデトックス!
1.まずはできることから「行動」を!
心がかたまってしまわないように、まずはとにかく「動く」ことを意識してみましょう。どんなに小さな行動でもOK!
「マイナスな情報をテレビやネットで見て気持ちが暗くなってしまうなら、見るのをやめるというのもひとつの行動です。とにかく心を暗くするものを断ち切りましょう。マイナスな情報ばかり言ってくる友だちと距離を置くのも大切な行動ですよ」(井垣先生)
2.子どものころ好きだったことに再チャレンジ!
どんな環境でも、自分が楽しいと思えることを見つけると心は弾むもの。家でじっとしていてもよいことが次々起きることはないので、自分が意識して見つけることが大切です。とはいえ、最初はどうしていいかわからないかもしれませんね。そんなときは「幼少期に好きだったこと」を思い出して、トライしてみましょう。
「私は自粛生活になってから、子どものころに絵を描くことが好きだったことを思い出して、塗り絵を始めてみたんです。夢中で色を塗っていると、あっという間に時間が過ぎ、心身がリラックスします。子どものころに好きだったことはもちろん、趣味でもよいので、読書、料理、手芸など、とにかく自分が楽しいと思えることを見つけてやってみてください。夢中になることで気持ちが和らいできます」
3.身近な自然に目を向けてみよう!
自然とふれ合うということも、心によい影響があります。
山や海などに出かけなくても、身の回りにある“小さな自然”を感じるだけで十分と井垣先生。
「家の窓から外を見るだけでもいいですし、散歩もオススメですね。道端の草花を見るだけでも発見があります。また、空を見上げると雲の形や動き、太陽や月の出方など、今まで気づきもしなかった自然の演出の美しさに気づくことでしょう。それらを見ていると心が動きます。感動とは心が動くこと。心が動くと、外に出ようという気持ちになります。そして外に出ることで感動できることが増えるので、また心も動きます。ぜひ外に出て、心も体も動かしてください」
4.季節の行事を生活にとり入れてみよう!
七夕やお月見などの年中行事を日常生活にとり入れてみるのもgood。
「部屋に毎月ある年中行事の飾りつけをするのも、心が動くきっかけになります。自分で自分の気持ちを上げるということが、このコロナ禍では特に大切です。日本古来、無病息災や幸せを願って行われてきた、毎月ある日本の風習が年中行事です。今月の年中行事は何かを調べ、関連するお花や和菓子を探しにでかけることで、行動力も高まりますよ」
そして、これらの「心のデトックス法」は、頑張ってやらないことが大切。
「今回お伝えした方法以外にも、ぜひ自分なりのデトックス法を探してみてください。義務感でやるとつらくなるので、常にワクワク感を楽しむこと。私は、最近『ふんわり、軽く』とお伝えしているのですが、今の世の中は空気が重いので、何事も“ふんわり”をテーマにトライしてみてください」
次回は、在宅ワーク中の課題「オン・オフの切り替え法」と「コミュニケーション不足への対処法」をお伝えします!
取材・文/奥沢ナツ