今月、3月8日は国際女性デーでした。この日に合わせて、ウィメンズヘルスにおける課題の優先順位を明らかにするために、女性の観点から設計された世界初となるグローバル規模の大型調査「ホロジック世界ウィメンズヘルス指数」の日本レポートが発表されました。本調査で明らかになった調査結果から、日本人女性の健康に対する意識の現状をお届けするとともに、健康意識が高い各方面の第一人者である女性たちがお話くださった、女性が自分らしく生きるために意識したいことをレポートします。
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日本人のウィメンズヘルス指数のランキングは24位、でも予防医療は…
日本人女性の健康に関する調査結果において、みなさんに知っておいていただきたいこと、それは、日本は世界的に見ても質のよい医療を受けられるにもかかわらず、「予防医療」の項目では、ほかの項目と比べてずば抜けて低い91位(116か国中)である、ということなんです。
これはどういうことなのかというと、日本人女性はよほどのことがないと病院に行かない。つまり、病院に行くというハードルを、とても高いと感じているということ。とくに、40歳未満の若年層が過去1年間に自分の健康について医療専門家に相談したという割合が最も低かったことも調査によりわかっています。
体のこと、心のこと、日本は海外と比べて気軽に相談しにくい環境であることが問題として挙げられますが、このことが日頃から病気にならないようにするための健康意識が低いということにつながっているわけです。なにもなくても病院に専門的な話を聞きに行ったり、検診を定期的に受けたりすることを若いうちから行っておくことが大切であることが伺えます。
「知識は武器!」そうおっしゃるのは、医療社団法人ウィメンズ・ウェルネス理事長 産婦人科医師の対馬ルリ子さん。
「日本の女性はフェイクニュースや偏見を信じがちです。本当にそれは正しいのか、自分にとっての本当の正しさを、病院を通して情報をとりにくるだけでいいので、(病院に)行ってみてほしいです。とくに婦人科に行くことは偏見を持たれがちです。特別な理由がなくても、ふだんから通うほうが、ハードルが低く相談しやすいんです」(対馬さん)
また、カレイディスト 代表取締役の塚原月子さんは、「意思決定の参加を通じ、健康課題認識の男女格差を埋めよう」と声を上げます。
「日本にはいろいろな男女格差があります。とくに意思決定の格差があります。いろいろな縛り、悩みが出ても自分で抱え込まず、多くの人を巻き込んで助け合っていくことが大事です。女性の悩みが認識されて改善されていく社会になるように、女性が率先して助け合いを行動に移していくことが大事です」
健康を意識するということは、自分でどうにかしなくてはいけないもの、自分ことは自分で解決しなければと思っている女性も多いかもしれません。ですが、医師や身近な人に相談する、いっしょに悩みを解決していくこともひとつ大切なことであると言えるでしょう。
関根麻里さんからのメッセージ「自分の人生を、楽しく切り開いていきましょう」
現在2歳と6歳の娘さんがいる、タレントの関根麻里さん。
関根さんは、第1子を出産する際の助産師さんとの出会いが、子育て中のメンタルヘルスにもよい傾向をもたらしてくれたのだそうです。
「『お母さんだからすべてできるわけじゃない。ママも同じ赤ちゃん(0才)でわからなくて当たり前だから、一緒に成長していくものですよ』と言っていただけて。できなくても一緒にがんばっていけばいいんだと思えて、すごく肩の荷がおりました」(関根さん)
その後も、育児の悩みを気軽にメッセージで相談できたのがよかったとお話しされていました。
しかし、20代の頃から定期的な検診に通っていて健康を気遣っていた関根さんも、ママとなってからはその頻度は低くなるなど、自分のことよりも子どもの健康を優先してしまうママたちのリアルな様子も語られました。
「思えばお母さんって大丈夫じゃないのに大丈夫と言ってしまいがち。ムリをしてしまいがちだと思いますし、できないことがあると落ち込んでしまうものですが、女性は体の変化あり、ライフスタイルの変化ありとさまざまな変化がつきもの。
そのときどきでムリせず、落ち込む必要もなく、ゆっくりでいいことを日々実感しながら、自分の人生を楽しく切り開いていこうと思います」と明るく前向きな女性像を表してくれました。
今の自分、未来の自分の心と体の健康のために、ときには人に相談しながらムリなく健やかに過ごしていきたいですね。
【取材協力】ホロジックジャパン株式会社
取材・文/高田空人衣