食品グループと寿命の関係を分析

栄養に関する研究は、2017年以降で見てもおよそ25万件とおびただしい数になります。でも、それらをまとめて分析し、食品グループに分けて死亡リスクとの関連性を調べた研究も多いのだそうです。

今回、ノルウェーの研究グループは、そのような研究の結果から、食事（とる食品グループやその量）を変えると寿命にどれくらい影響があるのかを推定して計算しました。そのうえで、年齢ごとの死亡率も組み合わせて、食事を変えた年齢による影響も加味した予想モデルをつくりました。

研究に含まれた食品グループは、全粒穀物、果物、野菜、ナッツ、豆類、魚、卵、乳製品、精製穀物、赤身の肉、加工肉、加糖飲料。これらについて、欧米のデータから現在の標準的な摂取量を組み合わせた「典型的な西洋型の食事」、計算により最も寿命が延びた摂取量を組み合わせた「最適な食事」、その中間の摂取量の「実行可能な食事」を定めて、何歳の時点で食事を変えた場合に、どれくらい寿命が延びるかを算出しました。

最適な食事は標準的な西洋食に比べて、全粒穀物、豆類、魚、果物、野菜が多く、赤身肉と加工肉、加糖飲料が少なくなりました。たとえば、魚なら標準的な西洋食では50gですが、最適な食事なら200g（ニシンひと切れ）、実行可能な食事なら125g、加工肉はそれぞれ西洋食50g、最適な食事０g、実行可能な食事25gという具合いです。

若いうちに変えるほど効果大

このような研究から確認されたのが、食事を変えると寿命も左右されることです。具体的には米国の人々が20歳で標準的な西洋食から最適な食事に変えて継続すると、男女とも10年以上寿命が延びると予想できました。

最も寿命を延ばしたのは豆類、全粒穀物、ナッツを増やすことと、逆に赤身肉と加工肉を減らすことでした。さらに、60歳で変えた場合も寿命が8年以上延び、80歳で変えても3.4年延びました。実行可能な食事でさえ、すべての年齢で男女ともに７％以上延びるとわかりました。

現在の典型的な西洋型の食事から最適な食事に変えて継続すれば、寿命が延びる可能性があり、早く変えるほど効果が高いと研究グループは結論。これらの結果は米国の場合ですが、欧州と中国の場合もおおよそ同様の結果だったそうです。残念ながら米国、中国、ノルウェーと欧州のデータに限られていますが、研究グループは誰でも気軽に利用して参考にしてほしいと、寿命の変化を簡単に計算できるサイトをインターネット上で提供しています（下記参考文献）。ふだんの食事を見直すきっかけにしても良いかもしれません。

＜参考文献＞

Fadnes LT, Økland JM, Haaland ØA, Johansson KA. Estimating impact of food choices on life expectancy: A modeling study. PLoS Med. 2022 Feb 8;19(2):e1003889. doi: 10.1371/journal.pmed.1003889. PMID: 35134067; PMCID: PMC8824353.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35134067/

Food for healthy life
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