栄養たっぷりで腸活効果も高いばかりか、がんを防ぐ効果も期待できるというプルーン。このたび、さらに骨の健康にもいいという報告がありました。それは年齢を重ねるにつれて骨が減ったり弱くなったりするのを抑えるという研究結果です。炎症や酸化ストレスを緩和する作用がカギを握るようです。そこには腸内細菌が関与している可能性も。
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ビタミンKなど栄養豊富なプルーンに注目
骨の細胞は、大人になってからもずっと新陳代謝をくり返しています。年齢を重ねるにつれて新しい骨が作られるよりも速いスピードで古い骨が分解されるようになります。それは骨粗しょう症と呼ばれる好ましくない状態にもつながります。
その原因として考えられているのは、体内の炎症や酸化ストレスです。でも、フラボノイドなどのポリフェノールやカロテノイドが豊富な果物と野菜は、その悪影響を緩和する可能性があると考えられています。なかでもプルーンにはビタミンKやさまざまなミネラル、フェノール化合物、食物繊維がたっぷり含まれるために注目が集まっています。
今回、米国ペンシルベニア州立大学の研究グループは、骨の健康と炎症および酸化ストレスに関してプルーンの効果を調べた研究を集めて、データを分析してみました。
抗炎症・抗酸化作用を確認
こうして、プルーンを食べていると、炎症と酸化ストレスが減って、骨が健康になるという証拠を発見できました。該当したのは、人を対象とした研究2件や複数の動物を使った研究です。
たとえば、閉経後の女性を対象にプルーンを食べる場合と食べない場合を比べた研究では、プルーンを1年間毎日100g(およそ10個)または6か月間毎日50〜100g食べたグループで骨密度が改善していました。骨が減る速度も遅くなっていたのです。プルーンやそのポリフェノールエキスの効果を詳しく分析した動物実験によると、骨の減少を妨げるだけでなく増やす効果さえ見られました。酸化ストレスを抑える抗酸化酵素の増加や炎症を促進する化学物質の減少など、抗炎症および抗酸化作用も確認されました。
このような結果から、プルーンは骨の新陳代謝に作用し、炎症と酸化ストレスを軽減して骨の減少を防ぐのを助ける可能性があると研究グループは説明しています。このような効果は、プルーンを食べることで腸内細菌叢が変化し、腸内の炎症が減って体内の炎症や酸化ストレスの減少につながっているのではないかと指摘しています。
<参考文献>
Eating prunes may help protect against bone loss in older women
https://www.psu.edu/news/research/story/eating-prunes-may-help-protect-against-bone-loss-older-women/
Damani JJ, De Souza MJ, VanEvery HL, Strock NCA, Rogers CJ. The Role of Prunes in Modulating Inflammatory Pathways to Improve Bone Health in Postmenopausal Women. Adv Nutr. 2022 Jan 3:nmab162. doi: 10.1093/advances/nmab162. Epub ahead of print. PMID: 34978320.
https://academic.oup.com/advances/advance-article-abstract/doi/10.1093/advances/nmab162/6492076?redirectedFrom=fulltext