“スポーツテーピング”とは、指や手首、足などの関節に巻いてその動きを制限することで、ケガやスポーツ障害を予防し、再発を防ぐ方法です。今回は、アスレティックトレーナーとして活躍中、東京リゾート&スポーツ専門学校非常勤講師の並木麿去光(まさみつ)さんに、足首のねんざの約90%といわれる、内反(ないはん)ねんざを予防するセルフテーピングを教えていただきました。
Contents 目次
内反(ないはん)ねんざ予防セルフテーピング ステップ<1>
スポーツをしている人であれば、ねんざの経験がある人は少なくないのでは。そんななかで、足首のねんざの約90%を占めるといわれる内反(ないはん)ねんざは、足首を外側にひねることで起こります。
内反(ないはん)ねんざ予防のために使用するテーピングは、非伸縮テープとアンダーラップテープの2種類です。
アンダーラップとは、皮ふを保護するために、肌に直接巻くテープです。テーピングを巻くときに、アンダーラップを巻くことで、テープによるかぶれを防止することができます。
巻くときは必ず足首をフレックス状態(足首の前側を直角に曲げる)にして、最初から最後まで巻きましょう。
アンダーラップの巻き始めは“足の甲”です。足の甲から時計まわりに1周巻いたら、そのまま足首にまわし、かかとに引っ掛けて、再び足首にまわします。
そのままかかとに引っ掛けて足底へ巻いたら、くるぶしの上端から、こぶしひと握り分まで巻きます。
テープ幅を半分ずつ重ねてずらして巻き終えます。ポイントは、終始ゆるめずしっかり巻くことです。
内反ねんざ予防セルフテーピング ステップ<2>
次は、非伸縮テープを使って「アンカー」を行います。アンダーラップのズレを防止する目的で行います。
これはテーピングの基礎で、内くるぶしよりこぶしひと握りのところに、体のカーブに沿って1本目(ふくらはぎに近い側)を強く巻きます。2本目(足首に近い側)は、1本目の強さに合わせます。2本目は、1本目のテープの3分の1の上に重ねて巻きます。
次は、「スターアップ」といって、内反(ないはん)の防止を行います。
1本目は、アンカーの内側からかかとの下を通って外側に巻きます。1本目は、強めに巻くのがポイントです。
2本目、3本目はかかとの下で1本目とクロスするように巻きます。3本のテープが扇形になっている状態です。
次は、「ホースシュー」といって、スターアップの補強とアキレス腱の保護を行います。
かかとの骨端にテープの真ん中をあて、足首のカーブに沿って足底に近いほうから3本巻いていきます。スターアップより、2~3cm上に出すことがポイント。足底に近い1本目は強く巻くことがポイントです。
内反ねんざ予防セルフテーピング ステップ<3>
次は、「サーキュラー」といって、スターアップがずれないように固定します。
巻き始めは天井側から。足の甲に近いとから足首を1周巻き、足首に密着するように3本巻きます。
3本目を巻く場所の目安は「アンカー」の1本目の位置です。
続いて、「フィギュアエイト」を行います。これは、足首の安定感を保ち、前後のブレ防止を行います。巻くイメージは、8の字です。
外側のくるぶしから巻き始めます。足の甲の上部を通して巻き、そのまま足の裏を通り、足の甲の上部でクロスさせます。
最後は、アキレス腱を通って巻き始めの位置に戻り、テープを切ってとめます。これで完成。
スポーツ終了後には、テーピングを取りはずすようにおすすめしています。ただし、それ以外でも血行の障害や過度の圧迫が感じられるときには、すぐに取りはずしましょう。
テーピングは、自分で行うと姿勢が不自然になるため効果的に巻くのがむずかしいです。できれば家族などほかの人にやってもらうことをおすすめします。
取材協力/並木麿去光さん・ニチバン株式会社