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腸を整えると病気や老化予防につながる! 人生100年時代に知っておきたい「老腸相関」4つのポイント

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人生100年時代と言われる今、「いつまでも健康でいたい」と願うのはごく自然なこと。ですが、ほとんどの人が老化や病気への漠然とした恐れも持っているのではないでしょうか。そこで今注目されているのが「老腸相関」の関係性。腸内環境を整えることで、老化の進行を予防する可能性がわかってきたのです。腸内細菌研究の第一人者である医学博士の内藤裕二先生にお伺いしました。

Contents 目次

病気になりにくい“健康長寿の腸内環境”を左右するのは「食生活」

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健康を意識する多くの人に、すでに定着化したのが「腸活」。腸を整えることにフォーカスしていくなかで、「腸内細菌」というワードを見聞きすることもあったはずです。
腸内にはさまざまな細菌が生息しています。この腸内細菌がさまざまな物質を生み出し、自律神経や免疫力、筋肉などへ影響を与えていると言われます。また、糖尿病や肥満、認知症などのほか、多数の全身疾患との関連性についての研究も進められているほど、健康とは密接していると考えられているのです。
京都府立医科大学の内藤裕二先生らは、1,800人の腸内環境のデータをAIで解析し、病気と腸内細菌との関係をわかりやすく、5つのタイプに分けました。そして、そのタイプにはそれぞれ摂取している食事の内容が紐づけられています。

A:高たんぱく・高脂質な食事
B:栄養バランスのよい食事
C:炭水化物が多い偏った食事
D:高たんぱく・高脂質な食事(漬けものなどの摂取少ない、マヨネーズの摂取が多い)
E:野菜・魚が多くバランスのよい食事

この5つのタイプのなかで病気の人がいちばん少なかったのは、Eの魚中心であまり肉を食べず、食物繊維の摂取量が多い、昔ながらの食生活をしている人たち。プレボテラ属という全粒穀物や玄米、麦と相性のいい腸内細菌が多いのが特徴です。
反対に、最も病気との関連性が高かったのが、高たんぱく・高脂肪の食事を好む人たち。メタボリック症候群や糖尿病、高血圧などへの罹患リスクが高いとみられています。

そして、病気だけでなく人生を歩むうえで避けては通れない「老化」についても、ここ10年くらいの間に老化の分子生物学的な解明が進み、さまざまな病気と同じように止めることができたり、スピードをゆるめることができるだろうと考えられています。

「老化は、体が慢性的な炎症状態になり、細胞や組織が傷つくことで起こります。じつはこうした炎症は、腸内細菌と関係しており、腸内環境を整えることで炎症、老化が抑えられると考えられます」(内藤先生)

同じ年齢でも体の老化度を示す生物学的年齢には個人差があり、それには慢性炎症のgAge(※)が関係します。
(※gut clock of agingの略。生物学的年齢を測る指標のひとつとして内藤裕二先生が提案。腸内微生物や腸内代謝物の情報解析などから生物学的年齢を判断する老化時計のこと)
腸に慢性炎症を起こすのは、高脂肪食や糖分・塩分のとり過ぎが原因。とくに、肉は腸内細菌の多様性の低下に大きく関連しています。そのため、gAgeを維持したり、巻き戻したりするためには、肉よりも魚をとり、ナッツや豆類をとる古くからの日本食や地中海食などの健康的な食生活が好ましいのです。

腸内環境と病気、老腸相関が見えてきたと同時に、そこに大きくかかわるのが食事であるということにお気づきでしょうか。

100歳以上の健康長寿の秘訣って? 毎日食べているのは「野菜・果実」「ヨーグルト」

ご飯の写真

100歳以上の健康長寿者が多い京都府京丹後市では、2017年から65歳以上の男女840人を対象とした「京丹後長寿コホート研究」が行われています。
サルコペニア(筋力・身体機能の低下)やフレイル(虚弱)、認知機能の低下などを起こしている人が少ないと言われるその秘訣はどこにあるのでしょう? 研究のデータより見えてきたのは、「食生活」と「生活リズム」。

京丹後市の健康長寿のみなさんは、京都市内の人と比較して食生活にちがいがあり、自給自足に近い生活で日常生活における身体活動度も高いとのこと。陽が落ちたら床に就くという、昔ながらの規則正しい生活リズムも影響しています。
とくに注目される「食生活」では、たんぱく質は魚や大豆などからとるのが基本で、牛肉や豚肉はほとんど食べていないこと。野菜や海藻、豆類などから食物繊維をとり、主食も食物繊維を多く含む全粒穀物や玄米、麦などを食べていることがわかりました。
さらに、毎日とっているものとして「野菜」や「果実」のほかに名前が上がったのが「ヨーグルト」。
なんと全体の45%超と半数に近い健康長寿のみなさんが、毎日ヨーグルトを摂取しているんです!

ヨーグルト

腸活食材として定着したヨーグルトですが、善玉菌である乳酸菌が含まれ、便秘や炎症性腸疾患のような胃腸の病気になりにくいこともわかっています。ただし、食事などからとり入れる善玉菌は摂取したものがそのまま腸に定着するわけではないため、継続的に毎日とることが大切です。さらに、京丹後市の健康長寿のみなさんの食生活にあったように、善玉菌を増やして活性化させるために菌のエサとなる食物繊維を豆類や野菜からいっしょにとり入れましょう。

腸内環境を整えて老化を予防する4つのポイント

これまでの内容を整理すると、老化や病気を予防し、イキイキと健康的な状態を目指すには、
<1>健康で若々しくいるためには、腸内環境を整えて老化を進める腸の慢性炎症を抑える
<2>慢性炎症の抑制には、抗脂肪食や糖分・塩分のとり過ぎなど、不健康な食事を改める
<3>腸内環境をよくするために、魚や大豆などのたんぱく質、野菜や穀物由来の食物繊維を多くとる
<4>ヨーグルトなどの発酵食品+食物繊維を毎日とることで腸内の善玉菌を維持する
の4つのポイントが挙げられます。
自分やパートナー、家族がこの先何年も何十年も、健やかに生活をしていけたなら、とても幸せなことですよね。毎日の食事に、日本食や地中海食の要素をとり入れてみたり、ヨーグルトをとり入れたり、まずはムリなくできることから始めてみませんか。
また、健康長寿のためには、食事だけではなく適度に体を動かすことも大切です。運動習慣がない人も、ぜひウォーキングや体操など簡単なことから少しずつチャレンジしていきましょう!

<監修者>
内藤裕二 先生
京都府立医科大学大学院 医学研究科 生体免疫栄養学講座 教授 医学博士

文/FYTTE編集部

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