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[体験&メソッド]“傷めた首”から悩まされた肩の張り。首こりをほぐす方法と、セルフケアの効果は?
足から全身に働きかけることで健康的な毎日を生み出す「足ウェルネスⓇ」というライフスタイルを提唱している足裏研究家の鈴木きよみさん。足裏の表情を読み解き不調の原因を見出す、先生の足相診断をレポートします。今回のモニターさんのお悩みは「なかなか治らない肩の張り」です。ツラい症状がラクになる方法と、3週間のセルフケア後の変化をお伝えします!
Contents 目次
肩の張りは肩こりにあらず… 傷めた首が原因だと判明
今回のモニターは40代半ばの会社員Tさんです。1年前、停車中に追突事故にあい、むち打ち症状になって以来、肩の張りや、首周辺の違和感に悩まされているそうです。
さっそくきよみ先生に足相診断をしていただきましょう!
きよみ先生:「むち打ちを経験すると、秋冬の時期は特に症状がおつらいですね」
Tさん:「事故のあとからも首肩の痛みや違和感が出てきて、なかなか直りません。マッサージやストレッチなどに通っていますが、肩のハリがひどくて困っています」
きよみ先生:「Tさんはもともと内臓の働きがよく、基礎体力がしっかりある体質ですね。運動もしっかりなさっていたのではないですか? とても元気な足をしているので、お仕事も頑張れるタイプのようですね!」
Tさん:「足からそんなこともわかるのですね! その通りで、首肩以外には不調はないですし、ふだんは立ち仕事をしています」
きよみ先生:「足相をみたところ、肩の反射区は何も問題ありません。左の親指のつけ根部分には、右の首の反射区があるのですが、ここに角質がついていますね。本来、歩くときに靴に当たらない部分なのに、魚の目までできています。
Tさんは肩の張りがつらいと感じていますが、こっているのは肩ではなく、首ですね。事故で傷めた首がうまく動かないので、首の反射区にも負荷がかかって角質や魚の目ができています。
Tさん自身は首全体に違和感があるようですが、足相からは、特に右の首を痛めていることがわかります」
Tさんの親指をみると、右よりも左の親指が、特に足の内側に傾いています。これも右の首に問題があることを示しているそうです。
今回は、首の反射区がある親指のつけ根を中心に、足刺激を行っていくことになりました。
親指のつけ根にゴリゴリがある人は首こりに注意!
きよみ先生が左の親指のつけ根を刺激すると、Tさんはとても痛そうな表情になりました。
きよみ先生:「全然力を入れていないのですが、左の親指のつけ根はさわっただけでも痛みを感じますよね? 右の親指のつけ根は、同じ力でさわっても痛くないはずです」
Tさん:「左はすごく痛いのに右の親指は痛くないです…、本当に同じ力ですか?! 左の親指も、最初よりは痛みがなくなってきました。だんだん体が熱くなってきました!」
きよみ先生:「足裏の色や、内臓の反射区の状態はいいですね。風邪もひきにくいようです」
肩の張りや痛みに悩んでいる人は、首のこりが原因の場合があります。親指のつけ根にある首の反射区をさわって、ゴリゴリとした手応えを感じたり、角質がついたりしている人は、肩だけでなく、首をケアすることで症状が解消するかもしれません。自分の足裏をチェックしてみましょう!
首のこりを解消する足刺激テクニック
首のこりが問題のTさんに、おすすめの足刺激テクニックをお聞きしましょう!
【親指のつけ根を刺激する】
首の反射区がある親指のつけ根をしっかりともみほぐします。痛みが強いときは、さするような刺激でもOKです。ゴリゴリとした手応えがある場合は、つぶすようにして刺激します。
●頸部・首・頸椎の反射区
靴下の上からさするだけでもいいので、なるべく頻繁にこの部分を刺激してあげるのがおすすめです。
【腎臓~輸尿管~膀胱の反射区をプッシュ】
今の体調を維持するために、足裏の反射区の基本的な部位である腎臓・輸尿管・膀胱の反射区を流れで刺激します。
オイルやクリームをつけ、ツボ押し棒を使うとしっかりと刺激することができます。
●腎臓・輸尿管・膀胱の反射区
足裏の横線は気力や体力が充実している証し
Tさんの足裏は、とても理想的なピンク色をしていることも印象的です。そして、元気な体を示す足相の特長があるそうです。
きよみ先生:「Tさんの足裏には、横線がありますね。この線がある人は、気力や体力が十分にあり、とても元気な人が多いのですよ。
仕事でも、人に指導したり、リーダーシップを発揮したりするのが向いています」
足刺激が終わったあとは、肩や首の張りと痛みがとれてラクになったそうで、Tさんの表情も晴れやかに変化していました。
このあとTさんには、自宅で3週間、足刺激を続けていただきました。セルフケアによって肩や首の症状がどのように変化したのでしょうか。さっそく見ていきましょう!
3週間セルフで首こりをケア! 右の首の反射区にできた魚の目はどうなった?
3週間、セルフで足刺激をしてみて、毎日悩まされていた肩の張りはどうなりましたか?
Tさん:「じつは、3週間前にサロンで先生に足刺激をやっていただいたとき以来、首肩の痛みや張りの症状がまったくなくなったのです。これは今でも不思議です」
きよみ先生による施術のときは、痛めた首の反射区がある親指のつけ根を刺激すると、とても痛そうでした。
Tさん:「セルフで行ったときには、特に痛みを感じませんでした。その部分に魚の目や角質があったのですが、その日からかなり小さくなりました」
ご自身での足刺激はどのように行っていたのでしょうか?
Tさん:「基本、ほぼ毎日足刺激を行いました。まず、入浴時に手で足裏、ふくらはぎを重点的にマッサージをします。入浴後は指圧棒を使って押しています。テレビを見ながら行ったりもして、指圧棒を使用できないときは、指で足裏を刺激しています。今では足裏だけでなく、足首までやわらかくなり、指圧棒で刺激しても痛みを感じないほどになりました」
Tさんは首の反射区がある親指のつけ根を中心に、足刺激を行ったそうですが、続けてみて体にどんな変化を感じたのか、教えてください。
Tさん:「右の首の反射区がある左の親指を、指圧棒で刺激した直後に、肩の違和感、こりみたいなものがスーっととれていきました。
これまでも、マッサージ、ストレッチ、整骨院に通っていましたが、肩の張りや首のこりはよくなりませんでした。今回、足刺激をするだけでつらかった症状がとれたので、いまだに不思議でならない感じです」
足刺激の効果を実感したTさんは、今では足だけでなく、顔もリンパを意識したマッサージを行っているそうです。
3週間後も理想の足相をキープ!
肩の張りがなくなってから、体に不調な部分がなくなったというTさんの今の足相がこちらです。
きよみ先生に現在の足相を診断してもらいましょう!
きよみ先生:「まさにこれが理想の足裏です。このように足相に問題のない足裏には、なかなかお目にかかれないですね。血色もピンク色でとてもいいですね」
Tさんのように、わずか3週間で理想の足裏になれる人は、かなりレアなのだそうです。
きよみ先生:「Tさんの場合、首の反射区の部分に問題がある以外、もともとの足裏の色や、内臓の反射区の状態がよく、体もお元気そうでしたね。唯一の弱点である、首のこりを解消することによって、体全体の巡りがよくなったのではないかと思います。それで、今まで以上に理想的な足裏になったのでしょう」
足相診断で自分の弱点を見つけ出し、それを足刺激で解消したことによって、全身にもいい効果が出ている、ということでした。
長年悩まされている不調がある人は、足裏をチェックすると、本当の原因がわかるかもしれません。反射区表を参考に、痛みを感じる部分を探してみてくださいね!
弱点を重点ケアすることが理想の足裏を保つコツ
Tさんに、3週間の足刺激生活の感想をお聞きしました。
Tさん:「今回、足刺激を始めて、今までの疲れがたまりにたまっていたのを足裏から感じることができました。そして、その日の疲れはその日のうちに疲れをリセットする必要性があるということがわかりました。
1日何回とか、何分とか、ルールを決めてしまうとめんどうくさくてやらなくなるので、すき間時間で体をマッサージしたり刺激したりしてあげるのが大事なんだと思います。今は体への意識も変わり、ジムにも入会しました。
食べるのが好きなので、食べる量は変えず生活の中で運動をとり入れて、将来の自分のための体作りに、今は励もうと思っています」
まさに、きよみ先生が提唱している、足から健康になるライフスタイル『足ウェルネス』をとり入れている様子のTさんです。
きよみ先生:「自分の体の弱点を重点的にケアすることによって、体全体の巡りをよくすることができます。理想の状態になったから、足刺激をやめてしまうのではなく、それをキープするために、毎日足に触れてほしいですね」
これから年末にかけて、体に疲れがたまりやすい時期です。自分自身で体の健康を生み出す足刺激を、今日からとり入れてみませんか?
取材・文/牧内夕子 イラスト/湯沢知子
鈴木きよみ先生の足相学が1冊にまとまりました! 足をチェックするときに欠かせない、ゾーンMAPをはじめ、足の形、色、しわ、温度などのチェックポイント、各症状別の足相、そしてそれを解決すべきゾーンセラピーの方法などがわかりやすくまとまっています。初めてご自分の足裏を見るという方にも、足裏のケアを続けてきた方にも、すぐに役立つ1冊です。ご自身の体調管理を、足裏から始めてみてはいかがでしょうか。全国の書店、ネット書店で販売しています。