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月に100km以上走るマラソン好き! でも外反母趾が悩み…。足から調子のいい体に整える足刺激テクニック
足から全身に働きかけることで健康的な毎日を生み出す「足ウェルネスⓇ」というライフスタイルを提唱している足のひと 鈴木きよみさん。足裏に表れる表情を読み解き不調の原因を見出す、先生の足相診断をレポートします。今回のモニターさんは、外反母趾やむくみがお悩みです。運動が大好きというモニターさんの体の調子を整える足刺激の方法をご紹介します!
Contents 目次
腰の悪さからくる外反母趾。さまざまな不調を引き起こす原因に…
今回のモニターは、会社員をしている50代前半のKさんです。
Kさん:「マラソンや登山など運動をよくするのですが、外反母趾やむくみといった脚の不調が多く気になっています。また、毎日のように、首、肩、腰、足首、背中など全身のこりを感じます」
さっそく、きよみ先生に足相を見てもらいましょう!
きよみ先生:「足幅が広く、じょうぶな足なので、運動をするのが向いていますね。外反母趾がひどいのは腰の悪さが原因のようです」
●Kさんの足相
●外反母趾で親指がかなり傾いている状態
Kさん:「フルマラソンを走ることもあるのですが、外反母趾のせいで足に力が入りにくいときがあります。ひざを手術したこともあり、自分でも腰やひざは弱いなと感じています」
きよみ先生:「足の状態を見ると、30代のころにはすでに外反母趾になっていたようですね。Kさんの体は、外反母趾の状態で生活するのに合わせて変化しているので、急に外反母趾が治った場合、かえって歩きづらくなってしまうと思います。ただし、マラソンで10km以上走るときは、必ずテーピングをしないと、股関節とひざを痛めてしまうので注意してくださいね」
外反母趾の悩みは、それ自体を治すことは難しいので、靴の専門店などでインソールを作ったり、足に合った運動靴を見つけたりして、足に負担なく動けるようにサポートをしてあげるといいそうですよ。
きよみ先生:「これだけの外反母趾の状態であれば、フルマラソンどころかハーフマラソンを走り切るのも難しいはずですが、それができているということは、ほかの筋肉がとてもしっかりとしているのですね!」
東京マラソンにも出るほど、マラソンに打ち込んでいるというKさんですが、大好きな運動を続けるためには、練習時のテーピングや運動靴のフィッティングなどは、きめ細かく行う必要があるそうです。
きよみ先生:「足には外反母趾の負荷がずっとかかり続けるため、本来しわになりにくい部分にしわができ、影響を受ける部分の足色は赤紫色になっています。外反母趾があると体の重心が変わるため、土踏まずの部分が偏平足にもなっていますね。ほかにも首やひざ、股関節にも負担がかかります。このままの状態が続くと、いずれ内臓の働きにも悪影響がでてくるでしょう」
●外反母趾の影響でできたしわや赤紫色の足色(丸で囲んだ部分)
Kさん:「月に100kmほど走るのが習慣です。外反母趾への負担は気になるものの、全身運動をしないと体のむくみがひどくなります」
きよみ先生:「それだけの負担に体が耐えられるということは、内臓の働きが強いからですね。練習のときでも、10km以上走るときは、運動後に必ず足刺激をしてケアするようにしてくださいね」
外反母趾の負担をケアするための足刺激テクニック
Kさんには、外反母趾をケアし、偏平足を解消するための足刺激テクニックがおすすめです。特に運動後はしっかりと足刺激をすると足の疲れがとれるそうですよ!
【腎臓~輸尿管~膀胱のゾーンをプッシュ】
はじめに、足裏の反射区の基本的な部位である腎臓・輸尿管・膀胱のゾーンを流れで刺激します。体の不要な毒素を排出する働きを高めることで、全身の巡りをよくし、むくみを解消します。オイルやクリームをつけ、指圧棒を使ってしっかりと刺激しましょう。
●腎臓・輸尿管・膀胱のゾーン
【足首から上に向かってさすり上げる】
脚全体を足首から上に向かってまんべんなくさすり上げ、水分の流れを促します。むくみが解消し足刺激の効果が高まります。
●足首から上に向かって足全体をさする
【土踏まずを刺激する】
土踏まず全体を、指の関節の角か指圧棒の先を当てて、ゴシゴシとこすります。運動直後は足裏に炎症が起きていることがあるので、やさしい力でさするように刺激しましょう。根気よく刺激を続けていくと、土踏まずのアーチがだんだんとくっきりと目立つようになり、偏平足が解消されていきます。
●土踏まず全体をゴシゴシとこする
【足の内側面を刺激する】
腰や胸椎(きょうつい)など、脊柱(せきちゅう)にあたるゾーンが集まっている足の内側面をさすって刺激します。外反母趾の予防や腰痛がある人にもおすすめのゾーンです。
●腰椎・胸椎のゾーン
●指の関節の角を当てて、足の内側面をさする
【親指の腹全体や指先を刺激する】
指先が冷たく足がむくみやすい人や足がつりやすい人は、体が冷えています。足の指先をよく刺激すると体が温まり、冷え解消につながります。指圧棒の先などでゴシゴシとこすって刺激しましょう。
足刺激をした左足は、土踏まずのアーチがくっきりと変化
左足だけ足刺激をしたあとに、Kさんに立って足踏みをしてもらいました。
Kさん:「左足は軽い感じがしますが、まだ足刺激をしていない右足はもたついた感じがします」
きよみ先生:「足刺激をすると足の感覚がだいぶ変わりますよね! 運動後に足刺激をすると、足が軽くなり、体もラクになるはずですよ」
左足のみに足刺激をしたあとに、左右の足の状態を比べました。足刺激をした左足の足色は明らかにピンク色が強くなったのがわかります。
●足刺激前(右足)と足刺激後(左足)の足相
さらに、足裏同士を合わせて、土踏まずのアーチを比べてみると、足刺激をした左足のほうが、アーチのくびれがくっきりとしていることがわかります。
●足刺激後の左足と、足刺激前の右足の土踏まずのアーチを比較
きよみ先生:「土踏まずのアーチができてくると、今以上に内臓が元気になって、持久力がアップしますよ! 偏平足がよくなると、外反母趾の状態もよくなってきます」
これから3週間の足刺激を行って、外反母趾や土踏まずのアーチの状態がよくなるといいですね! 次回の記事で体調や足相の変化をくわしくレポートします。
取材・文/牧内夕子 イラスト/湯沢知子
鈴木きよみ先生の足相学が1冊にまとまりました! 足をチェックするときに欠かせない、ゾーンMAPをはじめ、足の形、色、しわ、温度などのチェックポイント、各症状別の足相、そしてそれを解決すべきゾーンセラピーの方法などがわかりやすくまとまっています。初めてご自分の足裏を見るという方にも、足裏のケアを続けてきた方にも、すぐに役立つ1冊です。ご自身の体調管理を、足裏から始めてみてはいかがでしょうか。全国の書店、ネット書店で販売しています。