暑くなったと思ったら急に冷え込んだり、と寒暖の差が激しいこの時季。体調が悪いと感じる人も多いはず。最近はお天気によって不調がでることを「気象病」ともいうようです。日々の天気に左右されずに、調子を整えるための方法を産婦人科医の丸田佳奈先生に教えていただきます。
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気温差の激しさについ体調を崩してしまう人は「気象病」かもしれません
連日気温の差が激しい日が続くと思ったら、次にやってくるのはジメジメした梅雨。体がついていかず体調不良になる人も多いのではないでしょうか。
最近注目されている『気象病』というのを知っていますか。
気温や気圧、湿度の急激な変化に体が対応できず、自律神経のバランスが悪くなり、さまざまな症状が現れると考えられています。
症状でいちばん多いのは、頭痛。ほかには、めまい、吐き気、肩こり、腰痛、うつ症状などが多いのですが、人によってさまざまです。ぜん息になったり、古傷や体のふしぶしが痛んだり、じんましんが出る人もいます。
自然現象によって起こるものなので、根本的に治すことはできませんが、生活を工夫することで症状が軽くなる可能性があります。
まずは、どんなときにどのように体調が悪くなるのか「不調日記」をつけます。症状の内容とタイミングは人によって全く違いますが、同じ人では毎回タイミングが同じということがよくあります。自分がいつどのような不調が出るのかを知っておくと、仕事やプライベートのスケジュールがたてやすくなります。専用のアプリもあるので活用してみるのもよいです。
生活習慣を変えてみて。体調不良時の過ごし方
自律神経のバランスの乱れが原因なので、自身でおくる生活はできるだけ自律神経を乱さないようにします。生活リズムを整え、よく寝てバランスよく3食食べましょう。運動は無理しないように。家でできる簡単なストレッチがおすすめです。室内外の温度変化は症状をさらに悪化させる原因になります。普段からあまり空調に頼らない生活を心がけましょう。
めまい症状が出やすい人は、高低差によってさらにめまいがひどくなりやすいです。飛行機や、電車のトンネルの通過、高層ビルのエレベーターは避けたほうが良いでしょう。
めまいや吐き気などの症状には車の酔い止めが効く場合があります。普段使ったことがある人は、この時期の不調時にも試してみるとよいかもしれません。また、漢方が有効な場合もあり、五苓散などがよく使われます。医師に相談してみるとよいでしょう。
私はこの時期、朝に冷えを感じることが多いので、朝食におみそ汁をいただきます。女性は冷えから自律神経の不調が起こることが多いので、朝の温かいおみそ汁で体を温めます。大豆食品はビタミンB1を含み、疲労回復や自律神経の調子を整える作用があるとも言われています。おみそ汁の具も豆腐や油揚げなど大豆製品にしてみるのもよいかもしれません。
気象病は完全に症状を無くすことはむずかしいので、気象病かなと思ったら上手につき合っていくことが大切です。