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息切れしやすい人は甲状腺のゾーンをチェック! 将来の病気予防のために足刺激習慣を始めよう
足から全身に働きかけることで健康的な毎日を生み出す「足ウェルネスⓇ」というライフスタイルを提唱している足のひと 鈴木きよみさん。足裏に表れる表情を読み解き不調の原因を見出す、先生の足相診断をレポートします。今回のモニターさんは、病気予防のためにいまからケアをしたほうがいい体のポイントが、足相から判明しました!体の調子を整える足刺激の方法をご紹介します。
Contents 目次
ゾーンに刻まれたシワが、体調トラブルを知るヒントに!
今回のモニターは、看護師をしている40代半ばのKさんです。
Kさん:「今の体調は100点満点中70点くらいの状態ですが、毎日足がむくみやすいのと、肩こりや首のハリが悩みです。去年1年間で太ってしまったことも気になっています」
きよみ先生はKさんの足裏を見るなり「働き者の足をしていますね!」と話し始めました。
きよみ先生:「足の骨格がしっかりとしています。こういう足の人は、デスクワークではなく、体を使う仕事をしている人が多いのですよ。Kさんは働き者なのですね!」
Kさん:「看護師の仕事をしているのと、子どもが3人とも男の子ということもあって、たしかにいつも体を動かしていると思います。家でゆっくりすることよりも、仕事をしているほうが好きですね」
●Kさんの足相
きよみ先生が、Kさんの足相で1番気になるポイントは、甲状腺のゾーンだといいます。
きよみ先生:「階段をかけ上がると息が切れることはありませんか?」
Kさん:「たまにドキドキはします。甲状腺といえば、この春の血液検査では初めて数値がひっかかってしまった、ということがありました! 治療などはしていないのですが…」
Kさんの甲状腺のゾーンには、ゾーンに沿ってくっきりとしたシワが刻まれています。両足ともに出ているので、明らかに甲状腺のトラブルを示すしわだそうです。
●甲状腺のゾーン
●甲状腺のゾーンにあるしわ(丸囲みの中)
きよみ先生:「甲状腺の働きに不具合があることが、足相に出ています。息が上がりやすい人は、甲状腺のホルモンが出過ぎる傾向にあると思います。その場合は食欲が増すことがありますが、Kさんは食欲に変化はないですか?」
Kさん:「食欲が増えた自覚はないのですが、去年1年で10kg太った、ということはありました。それでダイエットを兼ねて、ウォーキングやジム通いを始めたところです」
きよみ先生:「甲状腺のトラブルはストレスがきっかけになることが多いのですが、何か考えられる原因はありますか?」
Kさん:「ストレスの9割は子育てに関することですが、なくすことはなかなか難しいですね。甲状腺のトラブルでいえば、以前、膠原病やリウマチの疑いで入院したこともあります」
きよみ先生:「ストレスはゼロにはできないですからね! 足刺激をして体の巡りがよくなると発想が柔軟になり、ストレスの解消方法がうまく見つけられるようになりますよ。Kさんの足相を見てみると、Kさんはどうやら甲状腺のトラブルを起こしやすい体質だと考えられます。こうした体質を改善するのに足刺激はとても有効です。症状があるときだけでなく、毎日の習慣にすれば、トラブルや病気を未然に防ぐことができますよ」
Kさんがお悩みとして訴えていた肩こりや首のハリも、甲状腺の不具合によるむくみと全身の血流の悪さから起きていると考えられるそうです。甲状腺のゾーンを刺激してむくみが解消されれば、自然と肩こりや首のハリも軽くなっていくそうですよ。
きよみ先生:「今日からは何よりも優先して、甲状腺のゾーンを刺激してみてくださいね。甲状腺の病気は、ある日突然やってきます。本格的な病気になってからではもとに戻すのが大変です。今から足刺激を始めれば、将来の病気予防につなげることができますよ!」
むくみ解消には股関節のやわらかさが大切なポイント
きよみ先生:「Kさんは股関節がかたいようですね。股関節がかたいと骨盤の中でトラブルが起きやすく、体がむくみやすくなるのです」
Kさん:「体のむくみは気になっています」
むくみは、くるぶしがくっきりと出ているかどうかで判断できるそうですよ。くるぶしが肌に埋まっている人は、股関節のかたさによってむくみやすくなっているかもしれません。
Kさん:「脂肪がついて、くるぶしが見えないのではなく、これはむくみなのですね!」
きよみ先生:「足首を回すことで、股関節がやわらかくなります。股関節がやわらかくなると、体内の水分が流れやすくなるので、むくみがとれてきますよ」
股関節のかたさを自覚している人は、仕事や家事の合間や、テレビを見ながらなど、気づいたときに足首を回すことを習慣にしてみてくださいね!
甲状腺の調子を整え、むくみを解消する足刺激テクニック
Kさんには、甲状腺の調子を整える足刺激テクニックがおすすめです。体質的にむくみが出やすいので、合わせてむくみをケアする足刺激も行っていきましょう!
【腎臓~輸尿管~膀胱のゾーンをプッシュ】
はじめに、足裏の反射区の基本的な部位である腎臓・輸尿管・膀胱のゾーンを流れで刺激します。体の不要な毒素を排出する働きを高めることで、全身の巡りをよくし、むくみを解消します。オイルやクリームをつけ、指圧棒を使ってしっかりと刺激しましょう。
●腎臓・輸尿管・膀胱のゾーン
【甲状腺のゾーンを刺激する】
甲状腺のゾーンは、足裏の親指の付け根にある母指球というふくらみを囲むような形です。指のつけ根から母指球の周りに沿って、矢印の方向でゾーンを刺激します。指の関節の角や、指圧棒の先を当ててさすりましょう。
●甲状腺のゾーン
●母指球の周りに沿ってさする
【腹腔神経叢のゾーンを刺激する】
足裏の真ん中にある腹腔神経叢のゾーンに、指の関節の角や指圧棒の先を当てて、ゴシゴシとこすります。ここを刺激すると免疫力が向上しやすくなり、膠原病などの病気予防につながります。
●腹腔神経叢のゾーン
●足裏の真ん中をゴシゴシとこする
【足の甲を刺激する】
足の甲にある、指と指の間の溝を心臓に向かって流すようにして刺激します。ここを刺激すると余分な水分が排出されやすくなり、むくみが解消します。
●指と指の間を心臓に向かって流して刺激
【僧帽筋と頸(けい)部のゾーンを刺激する】
むくみやすい人は、血流が悪くなりやすいため、肩こりや首のハリなどの症状が起きやすくなります。僧帽筋や頸部のゾーンを刺激すると、症状が和らぎます。ツボ押し棒を鉛筆のようにもち、棒の先でこするように刺激するのがおすすめです。
●僧帽筋と頸部のゾーン
足刺激後は、いきいきとしたピンクの足色に変化
Kさんは痛みにとても強いそうで、まったく表情を変えずに足刺激を受けていたのが印象的でした。
Kさん:「痛みをガマンするのが得意なほうで、出産のときも声をあげなかったくらいです。でも結構痛みはありましたよ!」
足刺激をしたあとの足裏の状態を見てみましょう。足刺激をしたあとの足裏は、きれいなピンク色になりました。足刺激前は全体的に肌がむくんでパンと張っていましたが、足刺激後は土踏まずの凹みなどがはっきりとして、足の形にメリハリがついているのがわかります。
●足刺激前
●足刺激後
きよみ先生:「痛みやかたさを感じるゾーンは、足刺激を続けるとだんだんとやわらかくなり、痛みが和らいでいきますよ。歯を磨くのと同じ感覚で、毎日のルーティーンにとり入れてくださいね」
Kさん:「股関節も動きやすくなったのがわかります! これから、暇さえあれば足をさわるように心がけてみますね」
これから3週間の足刺激を行うことで、さらにむくみがとれて、肩こりや首のハリもラクになるといいですね! 次回の記事で体調や足相の変化をくわしくお伝えします。
取材・文/牧内夕子 イラスト/湯沢知子
鈴木きよみ先生の足相学が1冊にまとまりました! 足をチェックするときに欠かせない、ゾーンMAPをはじめ、足の形、色、しわ、温度などのチェックポイント、各症状別の足相、そしてそれを解決すべきゾーンセラピーの方法などがわかりやすくまとまっています。初めてご自分の足裏を見るという方にも、足裏のケアを続けてきた方にも、すぐに役立つ1冊です。ご自身の体調管理を、足裏から始めてみてはいかがでしょうか。全国の書店、ネット書店で販売しています。