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冷えがある人は便秘になりやすい! 足刺激で腸にたまった便をスッキリ流すテクニック
足から全身に働きかけることで健康的な毎日を生み出す「足ウェルネスⓇ」というライフスタイルを提唱している足のひと 鈴木きよみさん。足裏に表れる表情を読み解き不調の原因を見出す、先生の足相診断をレポートします。今回のモニターさんは、下半身の冷えがひどく、便秘でもお悩みです。慢性的な便秘の人に表れる足相や、腸にたまった便をスッキリ流すための足刺激テクニックをご紹介します!
Contents 目次
土踏まずのしわは、腸に便がたまっている慢性的な便秘のサイン!
今回のモニターは、アルバイトをしている50代前半のT.Tさんです。
きよみ先生:「お腹の調子がよくないようですね。足相から、腸が弱っているのが明らかです」
きよみ先生が足裏をひと目見ただけで、こう指摘したことに、T.Tさんは少し驚いた様子です。
T.Tさん:「はい、かなりの便秘があって悩んでいます」
きよみ先生:「土踏まずにある大腸のゾーンに、左右とも同じようにくっきりとした縦じわがあります。これは大腸の機能低下を示す足相なのですよ」
さっそく、T.Tさんの足相を見てみましょう。大腸のゾーンに注目しながら、大腸の調子を整えるテクニックをご紹介しますので、ご自分の足裏も確認しながら、一緒に行ってみてくださいね!
『大腸のゾーンのしわ』をチェックしよう!
まずは大腸のゾーンを確認していきます。
●大腸のゾーン
右足の土踏まずの部分に、逆L字を描くように、上行結腸と横行結腸のゾーンがあります。左足の土踏まず部分には、コの字を描くように、横行結腸・下行結腸・直腸・S状結腸のゾーンがあります。これは、実際のお腹の中にある大腸と同じ配置になっています。
土踏まずにしわが多い人は大腸の働きが低下しているので、便秘になっている可能性が高いそうですよ。
T.Tさんの足相はどうなっているでしょうか? チェックしてみましょう。
●大腸のゾーンにくっきりとした縦じわがある
左右ともに、土踏まずにくっきりとした縦じわが多い印象ですね。特に、右足の上行結腸のゾーンや、左足の下行結腸のゾーンに沿った縦じわが目立ちます。
自分の足裏はどうでしたか? 足裏に同じようなしわがある人は、慢性的な便秘になっている可能性があるので、今回ご紹介する足刺激でケアを始めてみましょう!
冷えは便秘や不眠の原因に。足刺激で巡りをよくしよう
ほかにもT.Tさんの足相には気になることがあるそうです。
きよみ先生:「足がすごく冷たいですね。冷えも便秘を悪化させる原因ですので、足刺激で巡りをよくしていきましょう! T.Tさんは左右の足に温度の差があり、右足のほうが特に冷たく、巡りが悪いようです。体の右側に不調が出やすいと感じませんか?」
T.Tさん:「自分では両方とも冷たさを感じていますが、たしかに右足がつることが多いです。また、上半身は暑いのに、ふくらはぎから下は氷水につかったように冷たいのです。マッサージや運動をしているのですが改善できなくて…」
きよみ先生:「左右の温度の違いは、足色の違いを見てもわかりますよ。左足は血色がよいのに対して、右足は血色が悪く黄色っぽいと思いませんか」
●左右の足色が違う
T.Tさん:「本当ですね。足裏の色は自分では見られないので、知りませんでした! ただ、自分で足のマッサージをしながら、指先が黄色いなとは感じていました。これは何か意味があるのでしょうか?」
きよみ先生:「黄色の足色は、慢性的なストレスがあることを示します。何か自覚はありますか?」
T.Tさん:「ここ1年くらい、夜、眠れないことが続いていて、それがストレスかもしれません。朝が起きられなくなってしまうのがツラいです」
きよみ先生:「それはツラいですよね。睡眠の質はとても重要ですので、よく眠れるような体にしてあげたいですね! T.Tさんは、特に右足をしっかり刺激して、右足の巡りをよくすることを心がけてみてください。血行がよくなり冷えが改善されれば、便秘や不眠の改善にもつながっていきますよ」
腸にたまった便をスッキリ流す足刺激テクニック
慢性的な便秘を解消するのにおすすめの足刺激テクニックをご紹介します。
【腎臓~輸尿管~膀胱のゾーンをプッシュ】
はじめに、足裏の反射区の基本的な部位である腎臓・輸尿管・膀胱のゾーンを流れで刺激します。体の不要な毒素を排出する働きを高めることで、全身の巡りをよくします。オイルやクリームをつけ、指圧棒や指の関節の角を使ってしっかりと刺激しましょう。
●腎臓・輸尿管・膀胱のゾーン
【足の指先を刺激】
足の指先には前頭洞(ぜんとうどう)のゾーンがあります。また中指の腹は睡眠の質を高める眠りのツボです。不眠でお悩みの人は、前頭洞のゾーンや中指の腹を指圧棒の先や指の関節の角でこするようにして刺激し、巡りをよくしましょう。これらの箇所への刺激は全身の巡りを促し、体を温めて眠りにいざないます。
●前頭洞のゾーン
眠りやすくするための足刺激は、夜寝る前に行うのが効果的です。指先が温まると、全身もぽかぽかと温まってくるのが実感できます。
【大腸のゾーンを刺激する】
土踏まずにある大腸のゾーンを指の関節の角や指圧棒の先で流すように刺激しましょう。
●左足にある大腸のゾーン(横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸)
矢印に沿って、コの字を描くように刺激します。慢性的な便秘の人は、老廃物のゴリゴリとした手ごたえを感じるかもしれません。これは腸にたまっている便なので、押し流すようにしながら刺激しましょう。
●S状結腸・直腸は、かかとの上を横切るようにしっかり刺激
●右足にある大腸のゾーン(上行結腸・横行結腸・回盲弁)
右足も矢印に沿って、逆のL字を描くように刺激します。
回盲弁のゾーンは、指圧棒の先や指の関節の角を押し当てて、ピンポイントで刺激します。回盲弁は、小腸と大腸のつなぎ目にあり、便が逆流しないように働いている弁です。慢性的な便秘の人は、回盲弁を押すととても痛いはずです。痛みが和らぐまでしっかりと刺激しましょう。
●回盲弁のゾーン
痛みがだんだん和らいで、指先までピンクの足色に変化
T.Tさんは、ふだんからマッサージ器を使って足のマッサージをしているそうなので、足刺激の痛みはそれほど感じていない様子です。
T.Tさん:「今までは痛くなかったのですが、中指の先だけは痛いですね!」
きよみ先生:「夜しっかり眠れていない人は、中指の先に老廃物がたまっていて、ジャリジャリとした手ごたえがあるはずですよ」
T.Tさん:「だんだんと足の指先に温かさを感じるようになってきました」
ところが、大腸のゾーンの刺激に入ると、とても痛そうな表情に変わりました。
きよみ先生:「大腸がつまって、お腹のハリが強いようですね。大腸のゾーンのイラストに矢印で示してあるように、便が送られていく道のりに沿って刺激すると、便が出やすくなるのでやってみてくださいね!」
足刺激前後の足裏の変化を確認してみましょう。血流がよくなって全体的にピンク色が強くなっています。また、左右の指先までピンク色になっていて、末端まで巡りがよくなったことがわかります。
●足刺激前
●足刺激後
最後にT.Tさんに、足相診断を受けた感想を聞きました。
T.Tさん:「最初の頃は大腸のゾーンがかなり痛くて、思わずきよみ先生を蹴ってしまわないようにと必死に耐えていました。だんだんと痛みが和らいできて、指先もまったく色が変わりましたね! 指先から温かくなってきたのがわかります」
3週間の足刺激体験で、巡りがよくなることによって便秘が解消され、眠りの質も上がるといいですね! 次回記事では、モニター生活の様子をくわしくお伝えします。
取材・文/牧内夕子 イラスト/湯沢知子
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