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背中や肩のこり、くり返すアトピー肌はストレスが原因かも? こわばった体をゆるめる足刺激テクニック
足から全身に働きかけることで健康的な毎日を生み出す「足ウェルネスⓇ」というライフスタイルを提唱している足のひと 鈴木きよみさん。足裏に表れる表情を読み解き不調の原因を見出す、先生の足相診断をレポートします。今回のモニターさんは、背中や肩のこりや、毎年くり返すアトピー肌がお悩みです。足相からわかる、これらの不調の原因と、本来の元気な体質をとり戻すための、体をゆるめて巡りをよくする足刺激テクニックをご紹介します!
Contents 目次
赤紫の足色は病気になりやすい状態を知らせるサイン!
今回のモニターは、会社役員をしている60代前半のYSさんです。
YSさん:「毎日のように、背中や肩のこりに悩まされています。また、アトピー肌も長年の悩みです」
きよみ先生が最初に注目したのは、YSさんの足色です。
きよみ先生:「YSさんの足はピンク色で温かいので、体は元気な状態だと思います。ただ、少し赤紫色になりかかっている部分があるため、体調変化に要注意です。赤紫色の足は、体の血液の流れが滞る『お血(けつ)』の状態を表していて、病気になりかけていることを示すサインなのです」
●YSさんの足相
YSさん:「漢方を飲んでいたこともあるのですが、飲まないよりはいいかな?というくらいの感じだったので、今は飲むのをやめています。体調不良といえば、春の花粉の時期にアトピーがひどくなります。毎年のことなので、あきらめているのですが…」
きよみ先生:「自分で体調不良を治す力がない人は、足色が白くなります。YSさんの足色は、白ではなく赤なので、本来は元気な体質で、自分で体を治す力を持っているはずですよ」
YSさん:「たしかに、風邪はひきにくいと思います」
ところが、アトピー性皮膚炎の症状だけはこれまでさまざまな治療法を試したものの、なおりきらずにくり返してしまうのだそうです。
“人に気を遣う性格”がストレスとなり、さまざまな不調の原因に
きよみ先生とYSさんが話を進めていくなかでわかってきたのは、アトピーをくり返してしまう原因のひとつにYSさんの性格も関係しているのではないかということでした。
YSさん:「シングルマザーで、33歳と28歳の息子がいます。今は、資格試験のために仕事を辞めて勉強中の下の息子と同居しています。もういい大人なので放っておけばいいのに、心配になって世話を焼いてしまいます。気晴らしに旅行に出かけようと思っても、留守中の息子の食事のことや家事ができるかが心配で楽しめないので、行けないのです…」
きよみ先生:「家族のことをとても気遣っているのですね。私も息子と娘がいますが、息子のことはいくつになっても心配だという気持ちはわかります。ただ、周りにそのような話をすると、甘やかし過ぎだとか、放っておきなさい、と言われることがありませんか?」
YSさん:「そうなんです。とくに親戚に言われることが多く、私や息子のためを思っての言葉だとわかっていても、その通りにはできない自分がいて、板挟みなのがストレスになっていますね」
きよみ先生:「人から言われることをきちんと受け止めているのですね。それだけ周囲の人にとても気を遣っているのだと思います。そのストレスによって無意識に体がこわばり、背中や首のこり、アトピー肌を引き起こす一因になっていると考えられます。もっと自分の意見を尊重して、自分を甘やかしてあげたらいいのかもしれませんね。周囲への気遣いからではなく、ご自分の思うように息子さんと関わることで、息子さんとも親戚ともいい距離が保てるようになるかもしれませんよ」
YS さん:「たしかに、ひとり親だからしっかりしなくちゃ、という思いが強いせいで、息子のことが気になりすぎてしまうのかもしれません。毎日のように夜は眠れず、中途覚醒してしまうのも、ストレスが多いからでしょうか」
きよみ先生:「無意識に力が入ってしまいますよね。足にふれると力が入っているのがわかります。まずは足を刺激することで、足をゆるめてあげましょう。足の力がゆるむと全身がゆるみます。自律神経のバランスが整うので、ぐっすり眠れるようになってくるはずですよ」
人に気を遣いやすい人や心配性の人の中には、YSさんと同じように背中や肩がこりやすく、肌荒れなどの症状をくり返してしまう人が多いかもしれませんね。思い当たる人は、足刺激で足をゆるめるとよさそうです。
ストレスでこわばりやすい体をリラックスさせる足刺激テクニック
今回は、体をゆるめてリラックスさせる足刺激テクニックをご紹介します。日頃ストレスが多いという人は、今回のテクニックをぜひ試してみてください!
【腎臓~輸尿管~膀胱のゾーンをプッシュ】
はじめに、足裏の反射区の基本的な部位である腎臓・輸尿管・膀胱のゾーンを流れで刺激します。体の不要な毒素を排出する働きを高めることで、全身の巡りをよくします。オイルやクリームをつけ、指圧棒や指の関節の角を使ってしっかりと刺激しましょう。
●腎臓・輸尿管・膀胱のゾーン
【足の親指を刺激】
足の親指のつけ根には、頸部や首のゾーンがあります。体に力が入っている人は、この部分を刺激すると、ゴリゴリとした手ごたえを感じるかもしれません。指の関節の角を当てたり、指圧棒の先を当てたりして、もむように刺激しましょう。
●頸部・首のゾーン
また、親指の腹には脳に関係するゾーンが多く集まっています。ここを刺激すると全身の巡りがよくなり体の緊張がゆるみます。指の関節の角を当てたり、指圧棒の先を当てたりして、もむように刺激しましょう。
●手の指の関節の角を親指のつけ根に当ててしっかりもむ
●脳(前頭洞・視床下部(下垂体)・大脳・小脳・脳幹)のゾーン
【足裏全体を刺激】
足裏を上から下までまんべんなく刺激します。手をグーにして、指の関節の角を足裏に当ててゴシゴシとこするようにしましょう。指圧棒を使うときは、先が太いほうを当てて刺激します。
足裏全体がきれいなピンク色に変化!
足刺激前後の足裏の変化を確認してみましょう。足刺激前は、ところどころに巡りの悪さを示す赤紫色の部分がありました。足刺激後の足色は、とてもきれいなピンク色に変化し、足全体もリラックスしたように見えます!
●足刺激前
●足刺激後
きよみ先生:「だれでもストレスやつらい経験があると思いますが、意外とその記憶は忘れてしまうものです。ところが、体の細胞は違います。受けたストレスやつらい経験の記憶を忘れることはないのです。だから『ちゃんとそれを癒してあげて』と痛みや症状で教えてくれるのですよ。ぜひ毎日足にふれて、自分を癒してあげましょう。自分の顔を見るように、足を見て、今日の自分の体調はどうだろう?とチェックしてみてください」
最後にYSさんに、足相診断を受けた感想を聞きました。
YSさん:「きよみ先生がかけてくださった『もっと自分を甘やかしていい』という言葉が、胸にとても温かくしみました。そしてこれからは家族や周りの人たちだけでなく、自分のためにももっと時間やエネルギーを使って、人生を楽しみたいと心から思いました。以前はコーラスが趣味だったのにやめてしまったので、これからは足刺激をして、足にふれることを趣味にしよう、と思いました!」
足にふれることは人生を変える一歩にもなるかもしれません。3週間の足刺激体験で、気になる症状がラクになり、心にもプラスの変化が感じられるといいですね! 次回記事では、その後の体調や足相の変化をくわしくお伝えします。
取材・文/牧内夕子 イラスト/湯沢知子
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