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夜中に何度も起きて眠れない… 不眠になりがちな人の脳を休める足刺激テクニック
足から全身に働きかけることで健康的な毎日を生み出す「足ウェルネスⓇ」というライフスタイルを提唱している足のひと 鈴木きよみさん。足裏に表れる表情を読み解き不調の原因を見出す、先生の足相診断をレポートします。今回のモニターさんは、夜中に目が覚めるとなかなか寝つけないことでお悩みです。夜の睡眠の質を高めることは認知症予防にも役立つので、脳を休めるための足刺激テクニックを実践してみましょう!
Contents 目次
70代に見えない?! 年齢不詳の足は内臓トラブルがない証拠
今回のモニターは、ボランティア活動をしている70代前半のYYさんです。
YYさん:「夜中に何度も目が覚めてしまい、そのあとなかなか眠れなくなってしまうことに悩んでいます。しっかり眠れていないので、朝起きてもすっきりしないことが多いです」
きよみ先生のサロンに来るお客様にも、最近不眠でお悩みだという人がとても多いそうです。読者のみなさんの中にもYYさんと同じように睡眠のお悩みによって体調がすっきりしないと感じている人が多いかもしれませんね。
さっそくきよみ先生に、YYさんの足を見てもらいましょう!
きよみ先生:「70代になられた方の足にしては、肌の血色がよくしわが少なくてきれいな足ですね! 足相からは、内臓の働きがよくトラブルがないことがわかります。ご両親もお体が元気な体質なのではないですか?」
YYさん:「そうですね。亡くなった母は骨折で寝たきりにはなったものの、病気はせず76歳で老衰でした」
きよみ先生:「長くご病気などを患うことなく、天寿を全うされたのですね。YYさんの足からも、長生きできそうな健康的な足相だと伝わってきますよ」
●血色がよくしわの少ない健康的な足
きよみ先生:「誰しも年相応のしわはあるのが当然なのですが、YYさんの足は、それ以外に内臓の不調や感情のわだかまりを示すようなマイナスのしわが見当たりません。とても70代の足には見えませんよ! 自分の足の特徴はなかなかわかりにくいと思うのですが、ぜひ今度ほかの人の足と見比べてみてください」
YYさん:「これまでもきよみ先生の本を参考にして、自己流で足のマッサージをしていたのですが、そのおかげかもしれませんね!」
きよみ先生:「ボランティアのお仕事などで普段からアクティブに体を動かしているようにも見えるので、体の巡りがいいのでしょうね」
YYさん:「運動は週に1度、体操教室に行っていて、そこで足首を回す運動や、足のマッサージもします。体を動かすことが好きなので、旅行にもよくでかけます」
こまめな運動を心がけたり、旅に出て好奇心を満たすことは、心身の健康にも役立っているようですね!
そして、足の甲側から見た足相もとてもいいそうですよ。
きよみ先生:「YYさんの指はまっすぐに伸びていて、何より爪の血色がいいですね!」
●指がまっすぐで、血色のいい爪
YYさん:「自分ではいい足だとは思いもしなかったのですが、これはいい状態なのですね! 少し前に不整脈が出ていたので、心配していました」
きよみ先生:「まっすぐに伸びた指は、心の素直さを示し、感情のわだかまりがないことの表れです。爪は体調変化が表れやすい部分で、大きく体調をくずすと、爪に横じわが刻まれます。爪は根もとから爪先までを横に12等分にして、どの部分に横じわが入っているかで体調をくずした時期が分かるのですよ。YYさんは下の画像の四角囲みの部分に横じわが多く、約3か月前まで体調をくずしていたようですね。最近生えてきた根もとの爪はきれいな状態なので、今は体調がよくなっているのがわかります」
●爪に入った横じわは、過去の不調の時期を示すサイン
睡眠の不調が続くと認知症リスクが高まるので注意!
ここからは、YYさんのお悩みである睡眠中に何度も起きてしまう、というお悩みについて、きよみ先生にお聞きします。
きよみ先生:「足相では不調のサインは目立ちませんが、不眠でお悩みなのですね」
YYさん:「以前は寝つきが悪いことが多かったのですが、3年ほど前からは、寝つきはいいのに夜中に目が覚めて、そのあと眠れなくなることが増えました」
きよみ先生:「睡眠のサイクルは浅い眠りと深い眠りを繰り返していて、約3時間で1セットです。寝てから3時間後はちょうど眠りが浅いタイミングなので、そのころに目が覚めてしまうことが多いのではないでしょうか。年を重ねると膀胱の筋肉が弱まるので、夜中にどうしてもトイレに行きたくなってしまいます。その刺激で目が覚めてしまうのですよ」
YYさん:「目が覚めてしまったあと、いったんは横になるのですが、それでも寝られないときはラジオを聞くようにしています」
きよみ先生:「眠れないとつい、次の日どうしようと考えてしまうと思いますが、眠れないときは思い切って起きてしまうことをおすすめします。1日や2日眠れなくても、そのうち必ず眠くなるので体力的には問題ないのです」
ただし、あまりにも不眠の状態が続くのは問題があるのだとか。
きよみ先生:「睡眠の質の低下が続くと、認知症になりやすくなるので注意が必要です。質のいい睡眠がとれないと脳を休めることができず、記憶に関する働きが低下して認知症のリスクが上がるのです。認知症予防のためにも、今日お伝えする脳を休める足刺激をやってみてくださいね!」
眠れないときにベッドでスマホを見てしまう人も多いと思いますが、スマホを使うと脳が刺激されてしまい、ますます眠れなくなってしまうそうです。眠れない夜には、いったん起きて足刺激をすれば、脳を休めてあげることができますよ!
眠れないときに脳を休めるための足刺激テクニック
基本のテクニックと、不調に合わせた足刺激テクニックをご紹介します。
【腎臓~輸尿管~膀胱のゾーンをプッシュ】
足刺激の基本テクニックは、足裏の反射区の基本的な部位である腎臓・輸尿管・膀胱のゾーンを流れで刺激することです。体の不要な毒素を排出する働きを高めることで、全身の巡りをよくします。オイルやクリームをつけ、指圧棒や指の関節の角を使ってしっかりと刺激しましょう。
●腎臓・輸尿管・膀胱のゾーン
【親指全体を刺激】
親指の腹には、脳に関係するゾーンがたくさん集まっています。手の親指の先や、指圧棒の先を当てて、よくもんだりこすったりして刺激することで、脳の疲れをとりリラックスさせることができます。眠れないときは、いったん起きて、親指の腹をしっかりと刺激してみましょう!
●親指の先を立ててしっかり刺激
【中指の腹を刺激】
中指の腹は睡眠の質を高めるゾーンです。指の関節の角や、指圧棒の先を当てて、よくもんだりこすったりして刺激しましょう。
●手の指で中指を支え、指圧棒の先でこするように刺激
【失眠のツボを刺激】
かかとの中央にある少しくぼんだ部分が、失眠(しつみん)という不眠症改善に役立つと言われるツボです。ここを指の関節の角や指圧棒の先で押しましょう。イタ気持ちいいくらいの強さが目安です。手でこぶしをつくり、トントンとたたくように刺激してもいいでしょう。
●かかとの真ん中にある失眠のツボを刺激
体を温めて眠りにいざなう養生法
体が冷えていると、眠りの妨げになってしまいます。反対に体が温まると自然と眠くなります。足刺激の効果を高めるためにも、刺激の前に親指を含むすべての指先と足首を温めるのがおすすめです。指の上と足首に、レンジで温めて使うチェリーピローを置いたり、ドライヤーの温風を当てたりして温めましょう。
また、失眠のツボは、ここにお灸をするとよく眠れるといわれています。指先や足首と一緒に、ここもよく温めることで、質のいい眠りを手に入れることができますよ。
血色のいい足色がさらに鮮やかなピンク色に!
親指の腹を刺激すると痛みを感じる人は、脳が疲れているサインですが、YYさんは特に痛みを感じない様子でした。
きよみ先生:「認知症の心配はまったくなさそうですね!」
親指をしっかりと刺激し続けると、眠りに役立つだけでなく頭がすっきりとした状態を維持できるそうですよ。
それでは足刺激前後の足裏の変化を確認してみましょう。足刺激前よりも、足刺激後の足は巡りがよくなり温かくなったので、全体的にきれいなピンク色に変化しました。
●足刺激前
●足刺激後
もともと血色のいい足色でしたが、足刺激後はさらに鮮やかなピンク色になりましたね!
YYさん:「足だけでなく全身が温かくなりました!」
最後にYYさんに、足相診断を受けた感想を聞きました。
YYさん:「足の裏や爪がきれいだと褒めていただきましたが、自分では自覚していなかったことなので、驚きました。睡眠の悩みはあるものの、それ以外は体調もよく深刻な不調はないので、これからもきよみ先生の本を見ながら足刺激を続けて、元気な80歳・90歳を目指したいと改めて思いました!」
元気なうちから足刺激を続けることで、不調を予防し遠ざけることができますよ。まずは3週間の足刺激を続けて、少しでも睡眠の質がよくなるといいですね! 次回記事では、体調の変化や足相の様子をくわしくお伝えします。
取材・文/牧内夕子 イラスト/湯沢知子
鈴木きよみ先生の足相学メソッドをまとめた書籍の第2弾、『歩ける寿命を100歳までのばすなら足裏が9割』が刊行されました!
足裏から体も心も健康になることを目指す“足ウェルネス”という考え方を発信し続けている鈴木きよみ先生。先生の考える「健康」の究極たるところが、100歳まで、いや100歳を超えても、とにかく人生最期まで元気に自分らしく生きること。それはつまり”歩ける寿命“をのばすことなのです。
この本には、いくつになっても足裏をケアして、しっかり歩ける足をつくるためのメソッドがつめこまれています。シニア向けの本ではありますが、シニア世代ではなくても、足裏の大切さが改めて感じられ、同時に、足裏のケアを実践できる内容となっています。
3年前に鈴木きよみ先生の足相学のメソッドをまとめ、現在も大好評発売中の『すべての不調は足裏をみればわかる!』と同様、初めてご自分の足裏を見るという方にも、足裏のケアを続けてきた方にも、すぐに役立つ1冊です。ご自身や大切な人の体調管理を足裏から始めてみてはいかがでしょうか。全国の書店、ネット書店で販売しています。