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冷たい飲みものが好きな人は要注意! 巡りの悪さで起きる全身のコリを解消する足刺激テクニック
足から全身に働きかけることで健康的な毎日を生み出す「足ウェルネスⓇ」というライフスタイルを提唱している足のひと 鈴木きよみさん。足裏に表れる表情を読み解き不調の原因を見出す、先生の足相診断をレポートします。今回のモニターさんは、首や肩、腰のコリや痛みでお悩みです。冷たい飲みものが大好きというモニターさんの足相には、巡りの悪さを示すサインが多く表れていました。巡りをよくして全身のコリを解消する足刺激テクニックをご紹介します!
Contents 目次
かかとが赤紫色なのは、骨盤内の巡りが悪くなっている状態
今回のモニターは、会社員をしている40代後半のYKさんです。
YKさん:「首や肩、腰のコリが強く、張っているというよりも上から重いものでプレスされてしまったかのようにガチガチの状態です。あまりにかたすぎて、ほぐす前は痛みすら感じられないくらいです」
それはツラい状態ですね。デスクワークなどが続くと、YKさんと同じように痛みを感じないほど首や肩が凝ってしまう人は、意外と多いかもしれません。そもそもここまでのツラいコリは、なぜ発生してしまうのでしょうか? きよみ先生に足相診断をしてもらいましょう!
きよみ先生:「YKさんの足色は、土踏まずより下の部分が赤紫色をしています。土踏まずの白さも目立ちますね。これらは下半身の巡りの悪さを示す典型的な足色なのですよ。下半身の冷えがツラそうですね」
●土踏まずから下(画像の横線より下)が赤紫色で土踏まずは白い
とくにかかとの赤紫色が目立ちますね。かかとは骨盤内を示す部分なので、YKさんは大腸や子宮、卵巣など腹部の冷えが強いようです。
YKさん:「お腹の冷えは感じますね。冷たい飲みものが好きで昼間はアイスコーヒーをガブガブ飲んでしまいます」
きよみ先生:「足色が赤紫色になる原因は、瘀血(おけつ)という血液の滞りにあります。やはりお腹がとても冷えてしまっているようです。生理の乱れは起きていませんか?」
YKさん:「最近生理が来たり来なかったりと、不順になってきています。子宮のトラブルはこれまでに何度かあって、子宮筋腫やポリープを手術でとったこともあります」
きよみ先生:「YKさんは親指と人さし指の間のすき間が大きく、もともと胃腸が弱い体質でもあるのですが、冷たいものをたくさん飲むことで、お腹がさらに冷やされ、胃腸の働きがよりいっそう悪くなってしまっているようですよ。便通も悪いはずです」
YKさんのお悩みである首や肩、腰のコリなどは、全身の巡りの悪さからきているようですね。
きよみ先生:「とくに冷えが強い骨盤内の巡りをよくすることが、YKさんの不調を解消するためのテーマです!」
骨盤内の巡りをよくする足刺激テクニック
基本のテクニックと、骨盤内の巡りの悪さを解消するための足刺激テクニックをご紹介します。
【腎臓~輸尿管~膀胱のゾーンをプッシュ】
足刺激の基本テクニックは、足裏の反射区の基本的な部位である腎臓・輸尿管・膀胱のゾーンを流れで刺激することです。体の不要な毒素を排出する働きを高めることで、全身の巡りをよくします。オイルやクリームをつけ、指圧棒や指の関節の角を使ってしっかりと刺激しましょう。
●腎臓・輸尿管・膀胱のゾーン
【胃・十二指腸・膵臓のゾーンを刺激】
消化器の働きを高めるには、足裏の胃・十二指腸・膵(すい)臓のゾーンを刺激します。手をグーにして指の角を使い、ゾーン全体を縦にゴシゴシとまんべんなくこすって刺激します。
●胃・十二指腸・膵臓のゾーン
●ゾーンに指の関節の角を当てて刺激
【骨盤内・子宮・卵巣のゾーンを刺激】
足裏のかかとには骨盤内のゾーンがあり、かかとの内側(足の内側面)に子宮のゾーン、かかとの外側(足の外側面)には卵巣のゾーンがあります。ここを刺激すると骨盤内の巡りがよくなり、子宮や卵巣の働きも整います。ゾーンは指圧棒や指の関節の角を使ってしっかりと刺激しましょう。足裏のかかとがかたくなっている人は指圧棒を使ったほうが押しやすいでしょう。
●骨盤内 のゾーン
●子宮・卵巣のゾーン
●子宮のゾーンを指の関節の角を当てて刺激
お腹の冷えを防ぐ養生法
体は本来、冷たい飲みものは欲しないものです。にもかかわらず、季節を問わずに冷たいものが飲みたくなるのは、ストレスが原因かもしれません。冷たい飲みもので内臓が冷やされると、体の巡りが悪くなり働きが低下します。そこにまた冷たい飲みものが加わることで内臓の働きはますます悪くなり、悪循環に陥っていきます。まずは冷やした飲みものや氷を入れた飲みものを飲む回数を減らしてみましょう。常温の水やお茶に変えるだけでも、体の冷えを防ぐことができます。
常温の飲みものに慣れてきたら、温かい飲みものを飲む回数を増やしていきましょう。簡単に作れる温かい飲みものなら、白湯がおすすめです。水を沸騰させてから50~60℃に冷ました白湯は、体の細胞にうるおいを与え、体を温める効果が高い飲みものです。冷えがツラいと感じる人は、お茶の代わりに白湯を試してみてくださいね! ほっこりとした白湯の温かさに、ストレスも癒されるはずです。
赤紫色の足色が血色のいいピンク色に変化
YKさんは、きよみ先生が最初に腎臓のゾーンを押した瞬間に強い痛みを感じたようで、思わず「おー!」という声がもれていました。冷えている人は、腎臓のゾーンを押すと痛みを強く感じることが多いのです。また、胃・十二指腸・膵臓のゾーンも痛みを感じていたことからも、これらの内臓が冷えて働きが弱っていたことがわかります。
こちらが両足に足刺激を行った前後の様子です。
足刺激前は下半身を表すゾーン(下の画像の横線より下の部分)の足色が赤紫色で、土踏まずの白さも目立っていました。足刺激後は全体的に血色感のあるピンク色になり、むくみもとれてスッキリとした足に変化しました!
●足刺激前
●足刺激後
最後にYKさんに、足相診断を受けた感想を聞きました。
YKさん:「悩んでいた首や肩、腰のコリを表面的に解消する方法ではなく、その奥に潜む不調の真犯人である冷えを足相から探り出す、という施術はとても興味深かったです。今の不調だけでなく本来の体質までもわかってしまうので、まるで体の奥まで見通せる健康診断を受けているような気分でした!」
足刺激によって巡りの悪さが全身にコリを生じさせていたことに気づいたというYKさん。巡りをよくする足刺激を行うことで、不調が解消していくといいですね! 次回記事では、YKさんの体調の変化や足相の様子をくわしくお伝えします。
取材・文/牧内夕子 イラスト/湯沢知子
鈴木きよみ先生の足相学メソッドをまとめた書籍の第2弾、『歩ける寿命を100歳までのばすなら足裏が9割』が刊行されました!
足裏から体も心も健康になることを目指す“足ウェルネス”という考え方を発信し続けている鈴木きよみ先生。先生の考える「健康」の究極たるところが、100歳まで、いや100歳を超えても、とにかく人生最期まで元気に自分らしく生きること。それはつまり”歩ける寿命“をのばすことなのです。
この本には、いくつになっても足裏をケアして、しっかり歩ける足をつくるためのメソッドがつめこまれています。シニア向けの本ではありますが、シニア世代ではなくても、足裏の大切さが改めて感じられ、同時に、足裏のケアを実践できる内容となっています。
3年前に鈴木きよみ先生の足相学のメソッドをまとめ、現在も大好評発売中の『すべての不調は足裏をみればわかる!』と同様、初めてご自分の足裏を見るという方にも、足裏のケアを続けてきた方にも、すぐに役立つ1冊です。ご自身や大切な人の体調管理を足裏から始めてみてはいかがでしょうか。全国の書店、ネット書店で販売しています。