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あなたはちゃんと洗えている? 健康な体と心を保つには足のケアが大切! 足磨きのプロが語る正しいフットケア

2024年8月に『歩ける寿命を100歳までのばすなら足裏が9割』を出版した鈴木きよみ先生。この本のなかで「足は毎日ていねいに洗い、ケアすることが大切」と語られています。同様に足ケアグッズを出している株式会社グラフィコさんも、足のお悩みを解決するブランド「フットメジ」を販売し、幅広い世代に向けて足を洗う習慣を広めています。今回の対談では、足をしっかり洗ってケアすることの重要性について、それぞれのお考えを語り合っていただきます!
Contents 目次
足を洗う習慣があるヨーロッパと日本の違いって?

グラフィコ(合原さん):きよみ先生のFYTTEの足相診断の記事を読んで以来、すっかりファンですので、今日はお話ができてうれしいです! 私たちグラフィコは健康食品や化粧品、日用雑貨を製造販売している会社で、2010年から「フットメジ」というフットケアブランドを展開しています。
髪にはシャンプー、体にはボディシャンプーと、それぞれ部位に合った洗浄アイテムを使い分けるのに、どうして足用はないのだろう?という疑問から誕生したブランドです。主力商品である「足用石けん」は、ボディソープでは落としにくい古い角質や汚れ・ニオイまでしっかりと洗えて、洗い上がりがつるつるで、やわらかな足の裏を目指します。ちなみに、ブランド名に含まれる「メジ」には、メディカルの意味と、タイルの目地(メジ)のように細かい部分までしっかり洗う、という意味が込められているのですよ。
きよみ先生:足用の石けんというのはいい発想ですね! 足は人間のすべてを支えている大切な場所なので、私は足を洗ってケアする「足磨き」の文化を定着させたいと思って活動をしています。
以前イギリスにフットセラピーを学びにいきましたが、ヨーロッパには昔から足を洗う習慣があり、足用の石けんやアロマオイルがよく売られているのですよ。ヨーロッパは屋外でも室内でもずっと靴を履く文化なので足が蒸れやすく、靴を脱いだら足をきれいに洗うことが習慣になったのです。ところが日本では、昔から屋外では通気性のいい草履を履き、室内では必ず履物を脱いで過ごす文化なので、足を洗うという習慣が育ちませんでした。
グラフィコ(合原さん):ずっと靴を履いているヨーロッパと草履を脱ぎ履きする日本では、大きく習慣が異なるのですね!
きよみ先生:日本語には「足」がつく慣用句が多くありますが、予算がオーバーすることを「足が出る」というように、足をいけないものとしてとらえる文化があることも影響していると思います。昔は「足を向けてすみません」と謝ることもあるほど、足は人に見せてはいけないものという考えでしたが、今は、本当のおしゃれは足元から、と言われたりもしますよね。フットネイルをする人が増えたことも、足を見せることに抵抗がなくなってきたからだと思います。これから日本でもますます足元に注目が集まっていくでしょう。

足は体の健康を左右する! 足洗いで心も磨いてみよう
きよみ先生:日本での靴の文化はまだ浅く、私が子育てをしていた40年前頃は、子ども靴のサイズは、1cm刻みしかありませんでした。今は0.5cm刻みのサイズが一般的になりましたよね。
近年日本はサッカーが強くなりましたが、その要因はサッカーシューズの機能が上がったことにあるとも言われています。サッカー選手になる人は、子どものときからサッカーの練習をしていますが、昔は子どもの足に合わないサイズのサッカーシューズしかなく、ケガをしやすかったのです。その後サッカーシューズのサイズや機能が豊富になって、子ども時代にケガをしにくくなり、練習を継続できるようになったことが、今のサッカーの強さにつながったとも言えるのです。
グラフィコ(合原さん):これからますます足に注目が集まるといいですね。私たちも足用商品を発売した当初は、足用の消臭スプレーや角質をこする軽石などのアイテムが主流でした。それらを開発していたときに、足をしっかり洗えていない人や、手間がかかるため足のケアをしていない人がとても多いことに気がつきました。そこでまずは、足を洗うという基本的な習慣をとり入れてほしいと思い、足用石けんを発売することにしたのです。
足用石けんの使い方は、普通の石けんと少し違います。付属されているネットに石けんを入れ濡らしてから、直接肌にこするようにつけます。すると、自然と泡立って気持ちよく洗うことができます。この直洗いネットはソフトピーリングができる感触になっているので、角質をやさしく取り除くことができるのですよ。
きよみ先生:石けんも足専用の処方で作られているのですか?
グラフィコ(合原さん):はい、足を洗うのに最適なオリジナル処方にこだわって開発しています。石けん素地には角質をやわらかくする成分が配合されているので、洗うだけで足の肌をつるつるに洗い上げることができます。また、足のキメの間をタイルの目地を洗うようにしっかりと洗い上げるために、硬さや形が異なる3種類のスクラブを配合しています。角質で硬くなったかかとの肌でも、1か月くらい使うとやわらかくなってきます。

きよみ先生:いたれりつくせりの商品設計ですね。足用石けんで足を洗う、という今までしていないことを毎日の習慣にするには、使いやすさも重要ですね。
グラフィコ(合原さん):実は石けん置きがいらないように、吊り下げ用のフックまでついているのです。足を洗ったあとフックにひっかけておけば、自然に乾きます。石けんを使うときの手間を極力減らす工夫をしました。
きよみ先生:足を洗うというと、ニオイが気になる人だけに必要なことと考えがちですが、本当はすべての人に足をきちんと洗ってほしいのです。ただ足を洗うだけでも、手で足に触れるので、自然とゾーン(反射区)を刺激することになります。足を洗うだけで内臓の調子を整えることにもつながるのですよ。
グラフィコ(合原さん):そもそも足の洗い方を意識している人自体が少なく、ちゃんと洗えていない人がとても多いですね。体を洗ったときについた泡を流して終わり、という人もいるのではないでしょうか。また、高齢のお客様の中には、体が硬くて手が足に届かないという人もいます。足が汚いと思って、自分の足であっても触りたくないという男性もいました。それで、足に触らなくてもスプレーで泡を足に吹きかけて洗えるアイテムが生まれました。
きよみ先生:足を洗う意味でもうひとつ重要なのは、足が汚れていると立ち方や歩き方のバランスに影響が出るということです。靴に小石が入ったり、足に小さなマメができたりするだけでも歩きづらさを感じますよね。それと同じように、足に小さな汚れや角質があるだけで、じつは立ったり歩いたりするときの着地バランスが崩れやすくなるのですよ。毎日元気に歩くためにも、体の土台となる足をきちんとケアする必要があるのです。
グラフィコ(合原さん):子どものうちから足を洗うことを習慣化できたらいいですよね。足に直接泡をスプレーできる足洗いソープや、足で踏みながら洗えるブラシなどは、遊びながら使える楽しさがあり、お子さんにも人気の商品です。家に帰ったらすぐに足を洗わせたいお母さんにも『これなら子どもがやりたがるしラクチン!』と好評です。
足を触らずともスプレー泡タイプの洗浄剤と、足をのせて気持ちよくケアする足用ブラシ。
きよみ先生:病気の原因となる邪気も足から入って足から出ていくと言われます。神社にある玉砂利は、足で踏むことで邪気を払い清めるためのものなのですよ。足を洗うことは、足が清潔になるだけでなく、邪気を払って心を磨くことにも通じるのです。お風呂で足をていねいに洗ってから出ると、気持ちまでスッキリと整うのがわかります。自分の足に時間をかけて向き合うことで、自分をもっと大切にしたいという気持ちも芽生えてきます。
グラフィコ(合原さん):きよみ先生は、足相は毎日変わると伝えていらっしゃいますが、足洗いを毎日足の様子を見るきっかけにしてほしいですね。
きよみ先生:足相診断の体験記事でご紹介しているように、足を見ることは自分の健康を見つめることでもあります。不調にいち早く気づけるので、毎日の健康づくりにも役立ちます。ぜひ毎日足を洗いながら、足相をチェックしてほしいですね!
グラフィコ(合原さん):フットメジの発売当初は、競合他社品がほとんどない状態で、ドラッグストアでどのカテゴリーの棚に商品を置いたらいいのか悩みました。今はだんだんと足用商品が増えてきていますので、足洗いが定着するといいなと思います。
きよみ先生:私の著書でくわしく紹介していますが、足洗いは指の間や爪の間に溜まったごみをとってきれいにし、洗い上がりの足の指は1本ずつしっかりと水分をふきとることが大切です。気持ちがスッキリと軽くなるのはもちろん、水分をふき取ることで冷えを予防してくれます。グラフィコさんの石けんを多くの人に広めながら、こうした足の洗い方も伝えていけたらいいですね!
「フットメジ」ブランドが2025年3月にリブランディング!
「自由は足から始まる。」というスローガンのもと、足の悩みから解放される消費者の心などを表現したブランドロゴにリニューアル。さらにパッケージについても、多くの人が手に取りやすいように工夫したそう。新しい「フットメジ」にも注目です!
取材・文/牧内夕子