じんましんのなかでも原因が特定できないとされる「慢性特発性じんましん(CSU)」について、サノフィが開催した「慢性特発性じんましん(CSU)セミナー」で最新情報や診療の課題、そして新しい治療の可能性が紹介されました。登壇したのは大阪医科薬科大学医学部皮膚科学教室准教授の福永淳先生とフリーアナウンサーの高橋真麻さん。アレルギー性とは異なるCSUの特徴や、患者と医師の間に生じやすい認識のギャップ、そして分子標的薬といった新たな治療法への期待について、多角的な視点から語られました。そんなセミナーの模様をお届けします!
Contents 目次
慢性特発性じんましん(CSU)ってどんな病気?

セミナー前半では、福永先生から慢性特発性じんましん(CSU)の疾患について紹介されました。
じんましんのなかでも原因が特定できず(=特発性)、かゆみや膨疹が6週間以上続く(=慢性)ものを「慢性特発性じんましん(CSU)」と呼びます。一般的なじんましんのイメージとは異なり、症状が出たり引いたりをくり返すため、生活の質が下がり、患者さんにとって大きな負担になるのが特徴です。
そして、この慢性特発性じんましんの国内推定有病率は1.6%で、約200万人がこの疾患に悩んでいると言われているのだそう。毎年新たに発症する人も100万人にのぼるとのことで、決してめずらしい病気ではなく、身近な人が抱えている可能性もある疾患です。
診察で起こりがち!? 患者と医師の“すれ違い”とは
福永先生は、診療現場での課題として「患者と医師の認識のギャップ」を挙げました。
患者は「原因を突き止めてほしい」と願う一方で、医師は問診の結果から特発性じんましんと判断し、追加の検査の必要がないと判断することもあります。
また、症状が現れたときに医師に状態を見せることがむずかしいという慢性特発性じんましん(CSU)の特性から、診察時に実際の症状を見せられず、診断や治療につながりにくいケースもあるそうです。
さらに「あなたは何に困っているのですか」という対応をしてしまうと、患者は「この先生は何も聞いてくれない」と感じてしまい、不信感につながることもあるなど、診察での言葉のやりとりが、患者の治療意欲に大きく影響することが示されました。
最新治療と体験談から見える、CSUと向き合うヒント

後半では、治療の最新情報についての解説がありました。
「じんましんの患者さんの調査をしていると、じんましんという病名がついて、ステロイドという塗り薬を塗っている患者さんが非常に多いです。これはガイドラインではまったく推奨しておらず、エビデンスもほとんどありません。じんましんに塗り薬を塗るというのはまったく理にかなっておりませんので、治療の第1ステップとしては、内服の抗ヒスタミン剤というものを使いましょう」
近年は「分子標的薬」という新しい治療選択肢が登場し、従来の抗ヒスタミン薬で十分な効果が得られなかった患者さんにとって、新しい希望となっているなど、慢性特発性じんましんの治療はまさに次のステージに進もうとしています。
また、高橋真麻さんとのトークセッションでは、自身のじんましん体験をもとに、患者が抱える不安や日常生活での悩みが語られました。

「人間関係でストレスがたまると、じんましんが出てしまう」というエピソードも紹介され、ストレスと症状の関係についても意見が交わされました。
また、治療の選択肢が広がっていることは、患者さんにとって大きな希望ですが、一方で、分子標的薬で治療されている患者さんはまだ少ないという現状も知っておきたいポイント。高橋さんの「ストレスでじんましんが出る」という体験談は、多くの読者の方が共感できる内容ではないでしょうか?
慢性特発性じんましん(CSU)は決してめずらしい病気ではありません。病状への理解が広がり、治療へとつながる人が増えていくことに期待です!
取材・文/FYTTE編集部



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