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薬剤師と女性泌尿科医師が、更年期のあれこれにお応え! 更年期を乗り越える「リセット」の極意。フェムケアと心身の整え方
一般社団法人日本フェムテック協会(以下、日本フェムテック協会)が、フェムテックやフェムテラシーをテーマにした「ランチタイムウェビナー」を毎週火曜12:00~12:30に定例開催中。今回は、そのアーカイブの中から、「教えて!由紀先生!真弓先生!〜医療専門家たちが更年期のあれこれにお応え!」をピックアップ。日本フェムテック協会理事で女性泌尿器科医師の関口由紀先生を進行役に、薬剤師・フェムテックコーディネーターの岡下真弓さんにお話していただきます。
Contents 目次
薬剤師・岡下真弓さんの更年期。いちばんツラかったのは40代前半

関口先生:本日のゲストは、薬剤師でフェムテックコーディネーターの岡下真弓さんです。どうぞよろしくお願いいたします。以前から更年期やフェムテックについて活動してらっしゃいますね。
岡下さん:よろしくお願いします。私のことをご存じない方も多いかと思いますので、簡単に自己紹介をさせていただきます。薬学部卒業後、当初は化粧品会社の研究開発員をしていました。その後、マーケティングに移り、結婚を機に会社を辞めたあとは、調剤薬局の薬剤師として20年以上勤務してきました。
薬剤師としてすばらしいお薬をお渡ししても症状が改善しない方がいる一方で、化粧品を使うことでキレイになっていく方や気分が変わる方がいることに気づき、女性ホルモンに注目し、ホルモンの啓発運動を続けてきました。そんな活動を薬剤師をしながら続ける中で、フェムテックがブームになり、企業からお仕事をいただくようになり、メーカー同士をつないだり、イベントで登壇したりするようになりました。
現在は薬剤師の現場を離れ、オンラインクリニックの美容アドバイザーなど、ホルモンに悩んでいらっしゃる人のサポーターとして活動しています。
ちなみに、屋号は「美養憧(びようどう)」としています。これは、漢方の「養生」にかけており、「美しさを養う」という意味が込められています。誰にも憧れる年の重ね方をしましょう、という思いを込めて、ちょうど自身の更年期のときにつけました。現在は、美養憧のインスタグラムがメインで情報を更新しています。ラインでは直接相談を承ったりもしています。
関口先生:なるほど。ご自身の更年期はどう過ごされたのですか?
岡下さん:私は、今になって「あのときがそうだったんだな」と感じるタイプです。具体的には、40歳を過ぎたころ、薬局の店長を急に任され、さらに子どもや義理の両親の体調も悪くなり、一気にすべての負担が私にかかってきた時期がありました。薬局から帰ったら何もしたくなく、家の床にベタッと寝そべっているような状態が続いていました。
当時は「疲れていた」と思っていたのですが、あとで考えると、それはストレスに伴ってホルモンバランスが乱れていた(プレ更年期のような状態)のではないかと思います。私にとっては、この40歳ぐらいの時期がいちばんツラかったですね。
本格的な更年期(45歳から55歳)のころは、体に大きな変化はなかったのですが、メンタル面で「やる気が出ない」、「持続力がない」、「記憶力がない」と感じることはありました。
更年期を乗り越える「リセット」のコツ。プレ更年期の過ごし方

関口先生:岡下さんはホルモン的な異常があるころよりも、40歳ぐらいの大変な時期のほうがいちばんツラかったのですね。
岡下さん:そうですね。40歳でガクッと落ちたときに、「ムリはダメだよね」と一旦すべてリセットしたんです。
関口先生:リセットとは、どのようなきっかけで実現できたのですか?
岡下さん:責任のある薬局長の立場を降りることにしました。薬剤師は辞めたくなかったので、その大変な時期にパート勤務に変えてもらいました。
その後、45~46歳を過ぎて落ち着いてからまた違う店舗で常勤に戻ったのですが、今度は薬局長という立場ではなく、若い世代・新人の育成やサポートをする立場に変えてみたんです。そうすると、バリバリ働く大変さは減り、自分の今までの経験も活かせて、新人の子たちの相談相手にもなれるという、自分の存在価値を見出せる働き方になりました。
今、56歳(動画配信当時)ですが、生理に関しては、出産前のほうが生理不順でした。出産後から整っていき、とくにピルなど服用せず、52歳ころまでは普通に来ていました。更年期特有のホットフラッシュは今のほうが感じています。
関口先生:なるほど。仕事量などをうまくコントロールできるとよいですよね。更年期の始まりは人それぞれで複雑ですが、岡下さんのように、52歳ころまではホルモンは維持されていて、閉経後3年の今のほうが変動しているのかもしれないですね。
岡下さん:そうなんです。「何歳から更年期ですか?どんな症状が出たら更年期ですか?」と聞かれても、「人それぞれ、いろいろありますよ」としか言えないのが、更年期の難しさであり、みんなが悩む原因なのかなと思います。
更年期中の弱音や自身の病気
岡下さん:私は47~48歳ころ、記憶力や集中力が本当になくなってしまったのですが、若い人たちと一緒に仕事をしていたので、「私忘れちゃうから、これ置いといてね」とできないことをできないと伝えました。
関口先生:そうやって早くに伝えてしまうとラクですよね。
岡下さん:はい。みんなが「お母さん」みたいと言って世話をしてくれたので、すごくラクでした。ひとりでがんばってもできないことはできないし、かえって迷惑になってしまうので、できないことはできないと言うのがポイントだと思います。
関口先生:そうね。私自身も切羽詰まっていたとき、下の先生たちに「私は研究はできません、2人でやってください」と弱音を吐いたのを覚えています(笑)。
私は42歳に乳がんになって、医学的に閉経になりました。49歳くらいにホルモン治療をやめて1年くらい生理がきて、50歳くらいで終わりました。そのあとに劇症肝炎になり、大病を患ってから今は仕事半分でやっています。
岡下さん:急にできなくなってしまうんですよね。最初は体調が悪いのかなと思っていたら、調子悪い日がどんどん長くなってきて。
専門家がおすすめ! フェムゾーンのフェムテック・フェムケアの活用法
関口先生:私は、こだわりのホルモンケアオイルを自社で作っているのでそれを塗っていることと、最近は、腟ケアとしてレザーも1年に1回は美容ケアと同じようにとり入れたほうがいいのかなと思っているところです。岡下さんはどうですか? ご自身がされているフェムケアについて教えてください。
岡下さん:私は性交痛の経験はないのですが、乾燥はすごく感じています。例えば、トイレットペーパーでふきとったときに乾燥が気になるので、トイレにオイルを置いています。
フェムテックのコーディネーターとしていろいろなメーカーさんとつながりがあるので、いただいたサンプルを試しています。1日3回ぐらいを目安に使用し、お風呂上がりは必ず塗るようにしています。
薬剤師として乾燥肌やアトピーの人に、お風呂上がりに湯船から上がったら、すぐに保湿してくださいと指導していたので、私自身も行っている習慣です。歯磨きのように毎日の習慣にしておかないとダメですね。
専門家がおすすめする更年期対策

岡下さん:更年期対策でまず大事なのは、正しい情報を知ることです。なぜホルモンが減るか、なぜ体が乾燥したりメンタルがゆらいだりするのか、という原因を知り、それに対応する対処法をとります。すべてを一度にやろうとせず、今回は保湿ケア、次はメンタルケアなどひとつずつターンを決めてやっていくようにすると続きますし、負担になりません。
そして、食べものと体を鍛えるという基礎的なことを、面倒くさがらずにやるのが重要です。
例えば運動について、私は買いものに行くときにわざわざ遠いところに行き、歩数を大きくして歩くことを意識しています。重たいものを両腕に抱えて帰ると、負荷をかけることができるので筋トレ効果が期待できるかなと思っています。ジムでは自分では鍛えにくい背中の大きな筋肉をマシンで鍛えることもしています。
食事では、ホルモンを作るのに大切なのは油なので、良質な油をとるようにしています。
関口先生:良質な油とは、例えばどのようなものですか?
岡下さん:オメガ3です。サラダにはドレッシング代わりにオメガ3をかけるようにしています。また、こしょう(血管をやわらかくする成分であるヒハツを含む)を調味料代わりにかけたりもします。
関口先生:栄養素では、ビタミンEも重要だと聞いたことがあります。
岡下さん:ビタミンEは、若いときに更年期だった先輩薬剤師さんから指導を受けてから、ずっと摂取しています。抗酸化物質なので、美容にもつながると思っています。
関口先生:私の食生活では、食べる順番には気をつけていています。野菜、たんぱく質を摂取して、最後に炭水化物(小麦は控えて、お米中心)を減らすようにしています。白砂糖とお酒は中毒性があるので、減らそうと思っています。運動も週2~3はやっていますね。
岡下さん:関口先生のYouTube動画が、すごいモチベーションにつながっていますよ。誰かががんばっている姿を見ると、自分がサボりたいときに喝が入るので、お気に入り動画をフォローするのも更年期対策としてよいかもしれません。
関口先生:リセットするのはいいですよね。あとは、出産・子育てと社会を支える役割が落ち着いたあとは、自分中心になる(自分時間を作り優先する)ほうがよいと思っていて、やはり好きなことをやるのが大事ですよね。
では、最後にひと言お願いします。
岡下さん:更年期に対してネガティブなイメージを持つ人が非常に多く、まだ更年期じゃない人は「嫌だな」と思うかもしれないんですけれども、いろんな考え方や、いろんな人とコミュニケーションをとることによって、自分なりの乗り越え方が見つけられると思います。
どうぞ思い悩まず、いろんな専門家の人にアクセスしたり、相談していただけたらうれしいです。ありがとうございました。
関口先生:ありがとうございました!
※本記事の内容は、2024年6月に配信された内容です。最新情報は公式サイトよりご確認お願いします。
【登壇者】※2024年6月時点
岡下真弓さん 薬剤師・フェムテックコーディネーター
関口由紀先生 女性泌尿器科医師・日本フェムテック協会理事
【クレジット/協力】
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文/FYTTE編集部



