美ボディを目指して筋トレに励む女性の中には、「なかなか筋肉がつかない…」と悩んでいる人も多いはず。「ジムで体を鍛えるだけでは、残念ながら筋肉はつきにくい。トレーニング以外にも、実は大切な要素があるんです」と語るコンディショニング・トレーナーの桑原弘樹先生。筋肉を増やすための極意を教えていただきました。
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栄養はきちんと足りていますか?
いくらがんばっても筋肉がつかない。こういう人は、栄養面の要素が欠けている可能性が! 改めて見直すことで、トレーニングの内容を変えなくても、良質な筋肉を増やすことができるかもしれません。
では、どんなことを心がければよいのでしょうか? 大切なポイントは2つ。
まず1つ目は、充足度合。つまり、きちんと栄養が足りているかということ。
「いちど自分のライフスタイルを見直してみましょう。栄養が足りないシーンは、意外とあります。例えば朝ごはんを抜いたら、少なくとも午前中は栄養が足りない状態に。また、お腹が空いたという状態は、何かしらの栄養が足りないという合図なのです。もっと筋肉を増やしたいということであれば、この状況を極力つくらないように心がけましょう」(桑原先生)
そして2つ目は、3大栄養素のバランス。
体の材料となるたんぱく質、即効型のエネルギー源である炭水化物、貯蓄型のエネルギー源である脂質という3つのバランスが整ったときに、これらの栄養素は体の中でよりスムーズにそれぞれの役割を発揮します。
では、糖質(炭水化物)をカットしたらどうなると思いますか? 体内では即効型のエネルギー源が不足するため、仕方なく、ほんとうは体の材料となるはずのたんぱく質や、貯蓄型のエネルギー源である脂質をむりやり即効型のエネルギー源として充当します。つまり本来の役割とは別の所で栄養が使われていることに。
「筋トレをしている人の中には、筋肉を増やすため、積極的にたんぱく質をとっている人もいるでしょう。しかし、摂取したたんぱく質がきちんと筋肉の材料になるためには、その前提として3つの栄養素のバランスを考えてとることが重要です」(桑原先生)
血中のアミノ酸濃度を意識しましょう!
アミノ酸の元となっているのは、たんぱく質。
「先ほどお腹がすいたという状態は、何かしらの栄養が足りない合図だという話をしましたが、それは主に糖質(炭水化物)が足りないという合図。実は、たんぱく質が不足しても、ほとんど合図はありません。だからこそアミノ酸(たんぱく質)は、意識して補充してあげないと、足りない状況をつくりやすいのです」(桑原先生)
糖質(炭水化物)はグリコーゲンという形で筋肉や肝臓に蓄えられ、脂質は皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。ところがたんぱく質は、体内で蓄えることができません。体内でアミノ酸(たんぱく質)が足りない状況をつくらないためのポイントは、3度の食事に必ずたんぱく質をとり入れること。
「大豆や肉、魚はたんぱく質量が多く、おすすめです。もし、そういう食材が足りないと思ったら、プロテインを飲むといいですよ。1日の血液中のアミノ酸濃度をなるべく高い状態で維持できていると、筋肥大も起きやすくなります」(桑原先生)
ゴールデンタイムの活用が効果的
ゴールデンタイムとは、トレーニング直後のこと。
「速筋という筋肉に刺激を与えるウエイトトレーニングが終わってから2時間後、筋肉の中でたんぱく質の合成がどんどん増えてピークになります。これがゴールデンタイム。このとき血中のアミノ酸濃度が高ければ、より筋肥大が起きやすくなるのです。プロテインが体内で吸収されてアミノ酸になり、血液中に運ばれるまでにかかる時間は2時間。トレーニング後すぐにプロテインを飲むことで、見事にゴールデンタイムと被るわけです」(桑原先生)
大豆プロテインは消化に時間がかかるため、筋肥大に関してはホエイタイプのプロテインがおすすめとのこと。
実は糖質も重要!
糖質は過剰に摂取すると、体内のたんぱく質と結合して、体を糖化させてしまう原因に。ただし、不足すると被害が大きいのも事実。まずいちばんにダメージを受けるのは脳。
「脳のエネルギー源は糖質です。糖質制限ダイエットをすると、不足した糖質の代わりにケトン体というエネルギー源が脂肪から出てきます。このケトン体が脳のエネルギー源になってくれるのですが、糖質よりもその力は弱く、完全な代役というわけにはいきません。これが糖質制限のデメリットの1つです」(桑原先生)
もう1つのデメリットは筋肉の分解。糖質が足りなくなると、筋肉がどんどん分解されてしまいます。しかも糖質はトレーニング中のエネルギー源として使われるので、実はとっても大切なんです。
日頃から3大栄養素のバランスを意識するだけで、今よりもっと筋トレの成果を得られるようになるかもしれません。筋肉を増やしたい人は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
文/FYTTE編集部