ビタミンやミネラルが豊富な夏野菜。保存方法や切り方、調理法で大きく栄養価が変わってくることを知っていますか? 野菜を摂取しているつもりでも“栄養ロス”しているかもしれません。
今回は書籍『その調理、9割の栄養捨ててます!』(東京慈恵医科大学付属病院 栄養部 監修/世界文化社)から、トマトの栄養をしっかり摂取する方法についてお伝えしていきます!
Contents 目次
トマトは寒いのが大嫌い
トマトを買ってきて、すぐ冷蔵庫に直行。
もしそうなら、トマトの栄養を大損しているかも。
温かい地域が原産のトマトは寒いのが苦手で、冷蔵庫に入れっぱなしでは低温障害を起こし、リコピンが大幅ダウンしてしまいます。
トマトをすぐに食べない場合は、少し固さのあるものを選んで、お部屋で「追熟」させれば、リコピンが最大60 %もアップするとのこと。
さらに、リコピンは脂溶性なので、油と一緒にとると吸収率も2~3倍にアップするそうです。オイル+加熱でいただきましょう。
トマトの栄養素リコピンは、肌や血管の老化を防ぐとされ、その抗酸化作用はビタミンEの100倍ともされています。
「ミニVS大玉」栄養価の高いトマトはどっち!?
ミニトマトと大玉のトマト、栄養価の違いはあるのでしょうか。
栄養価はミニトマトのほうが大玉のトマトよりも上なのだそう。
ミニトマトのほうがビタミンB群、ビタミンC、カリウム、食物繊維などは約1 . 5~2倍、リコピンは約3倍も違うのです。
そして注目なのが、殺菌効果や抗酸化作用、抗アレルギー、免疫力アップといった、リコピンにも負けない効果を持つ「トマトサポニン」。
ミニトマトには大玉トマトより、3~5倍も多く含まれています。
トマトジュースは大玉のトマトが主原料。トマトジュースだけではなくミニトマトでも栄養をチャージしましょう。
トマトの原産地アンデス山脈で生まれたのは、現在のミニトマトに近い形のチェリートマト。その後、ヨーロッパには観賞用として広まりましたが、食用になるにつれてさまざまなサイズのトマトが誕生したとのこと。
ミニトマトのほうが元々のトマトに近いなんて意外ですね。
このリコピンはトマトの真っ赤な色に現れるので、スーパーで買う際は赤が濃いものを選ぶといいそう。赤が濃ければ濃いほどリコピンがたっぷり含まれている証拠です。
夏の日焼けや睡眠不足、体内のサポートに頼もしいトマト。リコピンやトマトサポニンを減らすことなく、摂取したいですね。
文/庄司真紀
参考書籍
東京慈恵医科大学付属病院 栄養部 (監修)『その調理、9割の栄養捨ててます!』(世界文化社)