生理前のイライラや便秘など、女性特有のお悩みは不快な症状に悩まされるけど、個人差が大きいことから「なかなかツラさを共有しにくい」という困った状況になりがち。自然の力を利用しておだやかにケアする方法をご紹介します。
Contents 目次
■簡単に始められるナチュラルケア
女性の体は時期によって変わるホルモン分泌量の影響で、特有のトラブルが発生。
日常生活が困難なレベルであれば婦人科などで相談するのが一番ですが、少し様子を見たいという人は、自然の力を利用する「天然おくすり」でおだやかにケアするのもよさそう。
「天然おくすり」とは、植物の力を心身の健康と美容に活用する「フィトセラピー(植物療法)」の専門家である池田明子さんが教えてくれた、セルフケア法の数々。
スーパーなどで買うことのできる一般的な食材からでも、植物の持つ有効成分を効果的にとり入れることができます。
手軽で楽しいナチュラルケアのひとつとして、覚えておいて損はなし!でしょう。
■生理前、情緒不安定になりがちなら、香り高い「サフラン」を活用
甘くエキゾチックな香りと鮮やかな黄色のサフランは、スープやパエリアなどの色づけや香りづけでおなじみのハーブです。
ホルモンバランスを整え、自律神経を調整させる働きがあるので「不安定な心」をケア。鎮静、鎮痛作用は、PMS(月経前症候群)のケアに役立ちます。
体のほてりにも効果もあるので、更年期障害特有の症状も和らげてくれるといわれています。
▼おすすめ活用法
香り高く満足度の高い「サフランスープ」
<つくり方>
(1)サフランを30分ほどぬるま湯に浸しておく。
(2)玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、ベーコンをオリーブオイルで炒め、コンソメと(1)を加えて10分ほど煮込む。塩、コショウで味を調える。
サフランはスーパーのスパイスのコーナーなどに置いてありますが、他のハーブと比べると比較的高価。
ハーブティとしては、1~2本だけ使い、ルイボスやジャーマンカモミール等のハーブとブレンドして飲んでもいいでしょう。
■生理前に便秘になる人は、「イチジク」をチョイス
夏から秋にかけておいしくなるいちじくは、植物繊維が豊富なフルーツ。
果物に含まれるオリゴ糖と相まって腸のコンディションを整えてくれるので生理前の便秘にお悩みの人は、1日2~3個を目安に食べてみましょう。
生で食べてもいいけれど、気分を変えたいときはコンポートもおすすめです。
▼おすすめ活用法
トロリとした舌触りに癒される「いちじくのコンポート」
<つくり方>
(1)イチジク5個を皮ごと水洗いしたあと、水から煮る。煮立ったら水切りをする。
(2)(1)を鍋に戻しレモンのしぼり汁と砂糖90gをまぶし、クッキングシート等で落とし蓋をして弱火で約30分煮る。煮ている間、かきまぜると形が崩れるので注意。
(3)火を止め、十分に冷ましたら煮汁ごと保存容器に移し、冷蔵庫で保存する。
※赤ワイン130mlを入れて煮る赤ワインのコンポートもおすすめです。
■赤く美しい「サフラワー(ベニバナ)」で、PMS(月経前症候群)対策
食用油や染料の原料としてもよく知られる紅花(サフラワー)。
古くは中国の薬草書「本草網目」や、医学書に薬草の「香蘭花」として登場しており、現在でも血行促進作用による冷えの改善、PMSや更年期障害の緩和など、心身の不調に役立つハーブとして利用されています。
さらに山形県の研究によると、抗酸化作用やコレステロール低下作用、鎮静鎮痛作用も報告されているのだとか。ハーブとして販売されているサフラワーはお茶として飲むのが一般的だけど、ちょっとひと手間かけて「チンキ」をつくっておけば、1年中活用できます。
チンキとは、ドライハーブを蒸留酒などに漬けて有効成分を抽出した濃縮液のこと。
他のハーブでもつくれるので、「天然おくすり」を実践したい人はぜひ覚えておいて。
▼おすすめ活用法
有効成分が抽出された「サフラワーのチンキ」
<つくり方>
(1)密閉できるガラス容器(果実酒用の瓶などが便利)に、容器の1/3量ドライハーブ(サフラワー)を入れ、その上から容器の8分目くらいまでウォッカやホワイトリカーなどの蒸留酒を注ぎ、かき混ぜる。
(2)容器のふたを閉め密閉したら軽く振り、冷暗所で2週間~1か月置き、成分を抽出させる。果実酒のように、容器に漬け込み年月日を記入したラベルを貼っておく。
(3)抽出後はハーブをガーゼなどでこし、しっかりと絞る。完成したチンキは遮光瓶に移し、容器に完成年月日を書いたラベルを貼っておく。
火の気のない場所で保存し、約1年以内に使い切るようにする。
飲むときは、好みで水やお湯、ハーブティに数滴入れる。
チンキをつくって飲むほかは、サフラワーをお湯でさっと茹で、料理のトッピング的に使って食べても◎。
美しい色合いのサフラワーを、目でもぜひ楽しんで。
女性特有の不調は、ずっと付き合っていかなくてはならないものだから、ケア法をたくさん知っておくのが吉。そのうちのひとつとして、ぜひ「天然おくすり」も仲間入りさせておきましょう。
※症状が重い場合は、医師の診察を受けましょう。この記事で紹介している食材や植物は食用として販売されているものをご使用ください。また、食材や植物の中には、場合によって強い作用を発揮するものもあります。そのため、現在、薬を服用している人、治療中の持病がある人、過去に大きな病気にかかったことがある人、アレルギーがある人、妊娠中の人、お子さんや高齢の人は、必ず医師、薬剤師に相談したうえで使用を検討してください。