植物の力を取り入れた“自然ぐすり”。
「ストレスにさらされ続けると、自律神経やホルモンバランスが乱れ免疫力が落ちて月経痛や月経不順などさまざまな症状を引き起こします。そのため特に女性には自然ぐすりが合っている」と話すのは植物療法士の南上 夕佳さん。
今回は南上さんの著書『自然ぐすり生活』より、不眠や更年期症状に良い “自然ぐすり”をご紹介していきます。
Contents 目次
Case1 眠れない・眠りが浅い
不眠は心と体にとても大きなストレスとなります。そのツラさから睡眠薬に頼る人も多いですが、ハーブの自然な安眠効果も一度試してみてほしいと思います。
「バレリアン」は、入眠がスムーズにいかない不眠症に向いています。
眠りたいけれど、気持ちが高ぶっていたり、考えごとでなかなか寝つけないという場合です。
眠る前に「バレリアン」のタンチュメール(ハーブ抽出液)を飲んだら、30分~1時間くらいで気持ちがふわ~っとゆるみ、はりつめた気持ちが強制的にオフになり、気がつくと眠っています。
寝つきはいいけれど夜中に起きてしまう、眠りが浅くて寝た気がしないという場合には「パッションフラワー」を。古くから天然の精神安定剤と呼ばれ、神経をリラックスさせてくれます。このふたつのハーブは眠りの質を高めてくれるので、ミックスもおすすめです。ただし睡眠薬やアルコールとの併用は控えましょう。
Case2 更年期症状
日本では、35~45歳までを「プレ更年期」、45~55歳までを「更年期」、それ以降を「老年期」と呼んでいますが、人によって更年期の年齢も症状もさまざまです。
更年期症状に対処するためには、女性ホルモンに似た働きをする植物成分を摂取して、体をととのえていきましょう。
このときに覚えておきたいことは、更年期には2種類の女性ホルモン(エストロ
ゲンとプロゲステロン)様作用がある植物を、両方一緒にとること。
エストロゲン様作用のある「高麗人参」や「セージ」などにプロゲステロン作用のある「チェストベリー」をブレンドしたり、サプリメントを一緒に飲むことが大切です。
のぼせやほてりの症状には、「クラリセージ」や「ペパーミント」などの精油をオイルで希釈したものでマッサージするのも効果的。
ひどくなると体の症状だけでなく気持ちの浮き沈みなど心にも影響が出てきます。このような不調にも自然ぐすりはやさしく寄り添ってくれます。
参考書籍
南上 夕佳 (著)『自然ぐすり生活』(ワニブックス)
文/庄司真紀