インフルエンザが気になる季節。仕事もプライベートも予定の多い季節だからこそ、しっかり予防したいものです。インフルエンザの予防といえば、まず思い浮かぶのがワクチン接種です。インフルエンザワクチンの効果などについて、感染症に詳しい医療法人社団鉄医会理事長・ナビタスクリニック立川の久住英二医師に伺いました。
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インフルエンザワクチンは打つべし
インフルエンザワクチンは、接種することで、インフルエンザウイルスへの抗体ができ、かかりにくくします。今シーズンのワクチンは、A型2種類、B型2種類が入り、A型B型の両方に対応しています。接種後2週間程度でインフルエンザへの抵抗力がつき、その効果は4か月間ほど持続します。インフルエンザの本格的な流行は12月下旬~3月上旬なので、その前までに受けるのがおすすめです。
しかし、ワクチンを接種しても、インフルエンザにかかることがあります。それでも、「ワクチンは打ったほうがいい」と久住医師は話します。
「ワクチンにはウイルスの増殖を抑える効果があるので、インフルエンザウイルスに感染したとしても症状が出なかったり、症状が出ても軽くすむことがあります。しかし、毎年のようにワクチンを接種しても、毎年のようにインフルエンザになる人もいます。はっきりとはわかっていませんが、ウイルスに感染しやすい人とそうでない人の違いといえそうです」
「ワクチンを打った年ほど、インフルエンザにかかる」のウソ
ワクチンを接種した年ほどインフルエンザに感染する、という人の話もよく耳にしますが、それに対する久住医師の見解は……
「ただの偶然でしょう。『ワクチンを接種したのに、インフルエンザになった』というエピソードが、その人の中で強化されると、そのように感じてしまうものです。逆に、ワクチンを接種した年は、インフルエンザウイルスに感染しても軽くすんだことで、『ワクチンを接種したから大丈夫。風邪に違いない』と、病院に行かずにやり過ごしてきたのかもしれません」(久住医師)。
経験談はアテにならないと思ったほうがいいかもしれませんね。
家族がいる場合、ワクチン接種は子どもだけ、というところもあるかもしれませんが、「親もワクチン接種は必要」と久住医師は言います。
「子どもがインフルエンザになった場合、家庭内感染はほぼ防げないと考えたほうがいいでしょう。症状が出る前から、ウイルスの発散は始まっているため、家族はウイルスにさらされることになります。特に保育園や幼稚園、学校などで集団生活を送る子どもは感染リスクが高くなります。子供がインフルエンザにかかったときに備え、親もワクチンを接種しておいたほうがいいでしょう」