水分の代謝が悪く、むくんでいる状態が“滞り脚”。放っておくと、水分が体内の老廃物と結びついて、セルライトになることも!ではなぜ “滞り脚”になるのでしょう? 国際中医師の有藤文香さんに教えていただきます。
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中医アロマで滞りをオフ!
「漢方をもとにした中医学では、むくんで張った“滞り脚”の原因は、水分がドロドロとねばりを帯びた『湿』だといわれています。体の中に湿がたまると、さらに流れが悪くなり、むくみが進行するのです」(国際中医師・有藤文香さん)
同じ『湿』がたまった状態でも、その原因とケア法は『肝・心・肺・胃・脾』の、どの内臓が弱っているかによって異なるそう。
「滞りの多くは内臓の働きが弱くなっていることが原因です。中医アロマでは香りとマッサージの効果で冷えを改善します。まず舌のこけの様子で冷えの種類を見て、水分代謝を促すアロマオイルを選択。次に現在の行動や体質から、弱っている内臓を見つけて、そこを経絡のマッサージでケアしていきます。アロマオイルとマッサージのW効果で、体の内側から滞りを取り除きましょう」
【STEP1】舌で滞りのタイプを診断!
鏡を見て舌についた“こけ”をチェック ! このこけのつき方で、何が滞ってむくんでいるかがわかります。自分にあったアロマを選んで、体の滞りをケアしていきましょう。
舌ごけがない
気と血液の流れが悪くて水分が滞っているタイプ
<おすすめアロマオイル>
ラベンダー、ローズオットー、マジョラム
舌ごけが黄色い
体の内側に熱がこもってむくんでいるタイプ
<おすすめアロマオイル>
ゼラニウム、グレープフルーツ、サイプレス
舌ごけが白い
体が冷えてむくんでいるタイプ
<おすすめアロマオイル>
マンダリン、ジュニパーベリー、オレンジ
【STEP2】滞りの原因となる弱った内臓を知る
東洋医学で大切な内臓、肝・心・肺・腎・脾の5臓のうちどこが弱っているかを確認。あてはまるところをチェックして多いところが、あなたの弱っている内臓!
肝が弱っているタイプ
- イライラしやすい
- 肩こりがある
- 目が疲れやすい
- PMS(月経前症候群)がひどい
- 全体的にパーンと張ったようにむくんでいる
ストレスが原因で自律神経のバランスが崩れ血行不良に。そのため体が冷えて、水分がたまっています。
心が弱っているタイプ
- 不安感が強い
- くま、しみ、くすみが気になる
- 末端が冷えてむくんでいる
- 不眠、夢をよく見るし覚えている
- お茶やコーヒーなど、苦いものをよく飲む
心は血液を循環するポンプ機能をつかさどるところ。心が弱ると循環機能がおとろえ、水分や血液が滞ります。
肺が弱っているタイプ
- 色白で乾燥肌
- 便秘がち
- 顔、とくにまぶたまわりがむくむ
- 悲観的になりやすい
- 花粉症や鼻炎、アレルギーがある
体内の水分代謝と関係が深いので、肺が弱ると尿や汗の出が悪くなり、水分をためこむことに。
腎が弱っているタイプ
- 手足が冷たい
- 寒がり
- やる気が出ない
- 足腰がだるい
- 下半身のむくみが一番気になる
腎が弱くなると老廃物の代謝が悪く、湿をためこみやすくなります。また、体を温める機能が下がり冷え症に。
脾が弱っているタイプ
- 顔やお尻のたるみが気になる
- くよくよ悩みがち
- 胃が弱く、下痢になりやすい
- 食欲過多、または食欲不振
- 体全体、とくに指のむくみが気になる
脾が弱い人は胃腸系が弱く、水分代謝が落ちることがむくむ原因。ぽっちゃりとした水太り系に見えます。
【STEP3】アロマで経路をマッサージ
STEP1の滞りタイプ別のアロマを塗って、STEP2でわかった弱った内臓の経絡をマッサージしてむくみケア!
マッサージのポイント:手を密着させてさする
マッサージ用オイルを適量手にとり、経絡のラインに密着させて、手のひら全体でさすりましょう。各経絡をさするときに は、座ったり、しゃがんだり、どんな姿勢でもOK。
マッサージ用オイルのつくり方:キャリアオイルに アロマオイルをプラス
アロマオイルを肌にじかにつけると刺激の強い場合があります。そこで、ホホバオイルやグレープシードオイルなどのキャリ アオイル10mlに、2~3滴たらして使いましょう。
肝が弱っている人
脚の内側を下から上にさすり上げる
脚をさすりやすいように座るなどし、脚の親指の爪の下から、すね、ひざの横を通り、股関節に向かって、手のひら全体で下から上に肝の経絡を3回マッサージ。 反対の脚も同様に。
心が弱っている人
わきの下中央から小指に向かってさする
右手の手のひらを左わきの下の中央にあて、手のひらを密着させながら、ひじの内側を通り、小指の先に向かって、わきから指先へ心の経絡を3回さすりましょう。反対の腕も同様にさすります。
肺が弱っている人
鎖骨から親指の先まで腕をさする
鎖骨の下に手のひらをあて、そこから肩先を通り、ひじ、手首の外側を通り、親指の先まで、肩から親指へ、3回肺の経絡をさすります。 反対の腕も同様に。
腎が弱っている人
足裏から股関節まで脚の内側をさする
足の裏の中央より少し上に 手のひらをあて、そこから内くるぶしのまわりを通り、ひざの裏側、太ももの裏側から股関節まで、下から上に腎の経絡をさすります。反対脚も同様に。
脾が弱っている人
親指の内側から 股関節へ下から上にさする
足の親指の内側に手のひらをあて、そこから内くるぶし、ひざの内側を通り、股関節まで、脚の内側にある脾の経絡を下から上に向かって3回さすります。反対脚も同様に。
監修/有藤文香、取材・文/山本美和<オフィス・ペロポー>