努力してもなかなかやせないし、食べればすぐ身になってしまう…。太りやすい体質とやせやすい体質、この違いはいったいどこにあるのでしょう?
「太りやすさを決める一番の要因は基礎代謝。基礎代謝とは人が生きていくために必要なエネルギー量のことで、1日に消費するカロリーの約70%を占めています。基礎代謝が低いと、ふだんあまりエネルギーが使われないため、同じものを食べ、同じ運動をしても、やせにくいということになります」(新潟大学名誉教授・岡田正彦先生)
そして、この代謝に大きく関わっているのが、冷えや便秘などの体質。
「体が冷えて血行が悪くなったり、便秘で腸内環境が悪化すると、老廃物が滞り、代謝もスムーズにいかなくなります。さまざまな要素が複合的に絡み合い、代謝の低下、ひいては太りやすい体質がつくられるのです」(渋谷DSクリニック銀座院・平山桂子院長)
自分は何が原因で太りやすいのか、以下のQ&Aで今すぐチェック!
Contents 目次
Q.冷え性は太りやすい?
○ホント
代謝が悪くなるため太りやすくなります
「体が冷えて血流が悪化すると、老廃物が滞り、むくみを生じます。むくみを放っておくと、さらに代謝が落ちて脂肪をため込みやすくなり、セルライトの原因にも。また、冷たい飲みものなどで内臓まで冷えると、内臓の働きも悪化し、基礎代謝もダウン。体温が1度下がると、基礎代謝量が12%下がるとも言われます」(平山先生)
Q.便秘だと太りやすい?
○ホント
腸内環境が悪いと代謝も悪化します
「便秘でおなかがポッコリ出たとしても、それは体脂肪がついて太ったことにはなりません。でも、便秘体質だと太りやすくなることは確か。便秘で老廃物がたまり、腸内環境が悪化した腸では、消化が滞って代謝も低下。脂肪が蓄積しやすくなります」(平山先生)
Q.汗をかきにくいと太りやすい?
×ウソ
水分が増減するだけで脂肪燃焼とは無関係
「汗をかくことはエネルギーを使う行為ではありますが、発汗で消費されるエネルギーは微量なため、やせやすさとは無関係。汗をかいて体重が減っても、体の水分が減っただけでやせたことにはなりません。最近はエアコン生活で発汗調節機能が乱れている人が増えていますが、太りやすいわけではありません」(岡田先生)
Q.筋肉が少ないと太りやすい?
○ホント
エネルギー消費量が少ないため、体脂肪として蓄積されやすくなります
「エネルギーの多くは筋肉で消費されるため、筋肉量が少ない人ほど、基礎代謝も低くなります。そのため、同じ身長・体重でも、体脂肪率が高い人のほうが、同じものを食べても消費されにくく、体脂肪になりやすいのです。また、背の高い人より低い人のほうが、体脂肪の割合が高い傾向にあり、太りやすくなります」(岡田先生)
Q.ストレスを感じやすいと太りやすい?
△どちらでもない
太りやすい人が多いけれどやせる人もいます
「ストレスは、人によって感じ方が異なるため、ストレスという精神的要因だけが原因で太るとはいえません。食欲中枢をコントロールする自律神経のバランスを乱すため、過食に走れば太るし、逆に食べられなくなればやせます」(岡田先生)また、「ストレスで眠れないと、成長ホルモンが出にくく、太りやすくなるケースも」(平山先生)
正しい知識を身につけて、太りにくい体質に変えるコツをつかみましょう!
監修/岡田正彦、平山桂子 取材・文/宝田明子