皆さんこんにちは。インナービューティープランナーの阪部由佳です。2019年も2月になり、1か月が経ちました。もう1か月も経たないうちに春がやってきます。春と言えば、新しいことばかりでウキウキしますよね。しかしながら、慣れない環境により、ストレスがたまってしまう時季でもあります。そんなときはどうしたらいいのでしょうか? 今回は二十四節気に合わせた春の上手な過ごし方についてお話ししますね。
Contents 目次
二十四節気とは何か?
二十四節気は、太陽の黄道(こうどう)上の動きを視黄経の15度ごとに24等分して、約15日ごとに分けた季節です。全体に春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれ6つに分けて、節気と中気を交互に配しています。冬至から始めて黄道を12等分した点を中気といい、中気と中気の中間点を節気と言います。古代中国では、月の満ち欠けに基づいた太陰暦が使われていました。しかし、太陰暦は太陽の位置と無関係なため季節の間にズレが生じてしまったと言われています。農作業などでは、春夏秋冬の季節を正しく知る必要があるため、中国の戦国時代に太陽の動きを基にした「二十四節気」が考案されました。1年の長さを12の「中気」と12の「節気」に分類し、それらに季節を表す名前がつけられたと言われています。日本では、江戸時代の暦から使われています。
春の二十四節気について
(1)立春(2月4日から2月18日頃)
初めて春の兆しが現れてくる頃のこと。この季節から数えて最初に吹く南寄りの強い風が春一番です。
(2)雨水(2月19日から3月4日頃)
降る雪が雨へと変わり、氷が溶け出す頃のこと。昔からこの季節は農耕の準備を始める目安とされていました。
(3)啓蟄(3月5日から3月19日頃)
土の中の虫が動き出す頃のこと。一雨ごとに春になる、そんな季節の気配を感じながら。
(4)春分(3月20日から4月3日頃)
太陽が真東から昇り、真西へ沈む日のこと。昼と夜が同じ長さになる春分の時期を二十四節気の大きな節目のひとつとします。
(5)清明(4月4日から4月19日頃)
すべてのものが清らかで生き生きとする頃のこと。若葉が萌え、花が咲き、鳥が歌い舞う、生命が輝く季節の到来です。
(6)穀雨(4月20日から5月4日頃)
たくさんの穀物が潤す春の雨が降る頃のこと。この季節の終わりには、夏の始まりを告げる八十八夜が訪れます。
二十四節気の春の体の状態
〇巡らせる
冬の間は、ほかの季節よりも交感神経が優位に働いている時間が長く、内臓や筋肉もテンション高く保ち、寒さに負けないほどの生命活動力の維持に努めています。そのような冬の寒さに対しての緊張状態がゆるみ、内臓や筋肉は弛緩していきます。外気温に合わせて体の在り方が徐々に変わってくると言われています。内臓や筋肉の変化とともに、血液、水分、気の巡りも春には活発になります。これらの代謝のエンジンとなるのが肝臓なので肝機能を高める食事や生活習慣を心がけるといいでしょう。
〇自律神経の影響
気温の上昇に伴い、体全体がリラックスモードになるので、副交感神経が優位に働き、眠くなったりするなどの体の変化を感じることが多いと言われています。また、自律神経が乱れてイライラする、だるくなるなどの不調に傾く場合もあります。特に新年度が始める時期である清明(4月4日から4月19日頃)は、温度変化や環境変化の理由で自律神経の乱れを加速する恐れがあります。それだけではなく、ホルモンバランスの変化もあります。暗くなるとメラトニン、明るくなるとセロトニンがそれぞれ分泌されます。メラトニンは眠くなるホルモンでもあり、成長ホルモンでもあります。春分から少しずつ日が長くなり、明るい時間が長くなってくるとメラトニンとセロトニンの両方のホルモンの分泌量が変わり、バランスが変化し自律神経の乱れに繋がります。
〇ゆらぐ免疫系
春の大きな悩みに花粉症が挙げられます。スギ花粉に限らず、各種植物の影響が考えられます。花粉症は過剰な抗体反応により目や鼻などに炎症を起こし、日常生活に悪影響を及ぼします。それらにより自律神経の乱れを加速する恐れもあります。今では、花粉症は国民病のひとつともいわれています。免疫系は、腸内環境に大きな関係があると言われ、温度変化にも影響を受けます。二十四節気の春(立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨)は、温度差が激しい時期です。昼間はとても暖かくても夜は寒かったり、暖かい日が数日続いて慣れてきたと思ったら、思わぬ寒い日がやってきたり、ゴールデンウィークの前半には夏のように熱くなったりします。このような急激な温度変化は自律神経を乱し、風邪や花粉症を発症しやすくなります。
二十四節気の春の上手な過ごし方
〇巡り・新陳代謝
まず、気の巡りをよくするために自律神経の乱れを整えましょう。寝る時間・起きる時間・食事の時間を整えて、できる範囲で規則正しい生活を送りましょう。特にホルモン分泌に大きく影響するのは太陽の光であると言われています。朝起きたらカーテンを開けて、朝日を室内に取り入れてみましょう。また、からだの巡りをよくし、血液の循環を促すように適度な運動をできるだけ毎日するように心がけましょう。そして、代謝のカギとなる肝臓の働きを助ける食品を摂取することに加え、肝臓を労わることも大切です。特にお花見や新年度や送別会のおつき合いなどでお酒を飲む機会が増える季節でもあるので、飲み過ぎには十分注意しましょう。さらに腎機能を助けるためにも水分を多めに摂取するようにするといいでしょう。また、適度な運動は血液の循環やリンパの流れもよくなることから体全体の巡りをよくします。発汗作用により、水分の循環がよくなり、体温を上げ、免疫力のアップにもつながります。
〇メンタル
生活にメリハリをつけてリラックスできる余暇の時間も作りましょう。
新年度が始まり、緊張モードになりやすい時期なので、意識してリラックスする時間を設けることが大事です。忙しいと怠りがちなスポーツもストレス発散にオススメです。気温が上がり、外出しやすくなるこの時期に新しいスポーツやアクティビティに参加して新たな挑戦を始めるのもいいでしょう。自分なりのストレス発散方法を見つけて定期的に取り組んでみましょう。
二十四節気の春に積極的にとりたい栄養素
〇ビタミンB群
糖質のエネルギー代謝に必要な細胞の再生を促進し、肝臓の働きを助けます。
豚肉、鶏肉、カツオ、鮭、菜の花、芽キャベツ、春菊、あさり、帆立、アスパラガス
〇ビタミンA、C
春野菜に多く含まれ、免疫力を高めることから花粉症対策にもなります。
菜の花、いちご、ニンジン、クレソン、さやえんどう
〇食物繊維
腸内環境を整えて免疫力をアップします。自律神経が乱れることにより排便のリズムが崩れがちなときの便秘対策にもオススメです。
たけのこ、アスパラガス、春キャベツ
〇発酵食品
花粉症対策で免疫力をアップするために腸内環境を整えるのにオススメです。
ぬか漬け、納豆、味噌、ヨーグルト
〇タンニン、サポニン
フィトケミカルの一種で、肝臓の解毒機能を助けてくれます。
ふきのとう、わさび、山椒、せり、うどなどの山菜類、セロリ
〇アリシン
フィトケミカルの一種で、ビタミンB1の吸収を助けてくれます。
新玉ねぎ、あさり、ニンニク
いかかでしたか?
この二十四節気の春の時期はとても重要です。ぜひ、今回ご紹介したポイントを押さえて、上手に過ごしてみてくださいね。