肩こりや腰痛は日本人の国民病とも言われていますが、肩こりに比べて腰痛は、なんとなくお年寄りや太っている人がなるもの、と思っている人もいるのでは。実際に腰痛に年齢や体型などは関係あるでしょうか。また、温湿布と冷湿布はどちらを使えばいいの? 意外と知らない腰痛のウソ・ホントを竹谷内医院院長・竹谷内康修先生に教えていただきました。
Contents 目次
年齢や体型は関係ある?腰痛のウソ・ホント
腰痛のときは温めたほうがいい?
⇒ウソ!
痛みがあるとき、温めるのか、冷やすのか、判断に迷うもの。
「急性の場合や痛みが激しい時は冷やし、慢性的な痛みの場合は温めるのが一般的です。また、湿布にはトウガラシ成分が入った『温湿布』とメントール成分が入った『冷湿布』がありますが、感覚的に温感や冷感を感じるだけで、実際に患部を温めたり冷やしたりする効果はありません。どちらも効果は同じなので、好みで使い分けましょう」
太っていると腰痛になりやすい?
⇒ウソ!
太っていると腰への負担も大きいような気がするけど…。
「太っている人は、自分の上半身の重さを支えるだけの筋肉があるとも考えられるので、必ずしも腰痛が多いとはいえません。肥満よりも、運動不足による身体能力や筋力の低下、姿勢の悪化のほうが腰痛には悪影響なので、日ごろから気をつけましょう」
一度ぎっくり腰になるとクセになる?
⇒ホント!
ぎっくり腰を何度もくり返す人がいますが…。
「ぎっくり腰になる人は、すでに腰の状態に問題があるということ。鎮痛剤などで一時的に痛みが治まっても、悪い姿勢を改めたり、運動で筋肉を強化したりと、根本的な改善を試みなければ、腰の状態が悪いのは変わらないので、ぶり返すのは当然なのです」
くしゃみをすると腰痛になりやすい?
⇒ウソ!
大きなくしゃみをしたことから腰痛になったという人もいます。
「くしゃみをすると、腹筋にグッと力が入って腰に負担をかけますし、急激に腰を反ったり、曲げたりもするので、それで腰を痛めることがあります。ただ、くしゃみをして腰痛になるのは、もともと腰が悪い人。くしゃみが最後のひと押しになっただけなのです」
年齢を重ねると誰でも腰痛になる?
⇒ウソ!
腰痛と年齢って比例関係にあるような気がするけれど…。
「腰痛は悪い姿勢や運動不足の積み重ねが主な原因。それらをケアすることなく放っておくと腰痛に発展するので。30代や40代のころから腰痛を訴える人が増えるのです。ときどき、腰がグッと曲がったお年寄りの人もいますが、あれは骨粗しょう症によるもので腰痛とは関係なし。また、最近は子どもの体力低下が報告されていたりもするので、将来的には子どもにも腰痛が増えるかもしれませんね」
いかがでしたか? 太っていないから、まだ若いからといって油断はできません! ふだんからよい姿勢を心がけたり、こまめに運動をするなど腰に負担をかけすぎないように心がけることが大切ですね。今は腰痛を感じていない人も急にギックリ腰になって動けない、なんてことのないようにぜひ意識してみて。
文/FYTTE編集部 写真/ⓒpolkadot-fotolia.com