忙しく時間に追われ、生活習慣が乱れていませんか? そんな毎日は心身に不調をもたらします。とはいえ、「改善するのが難しい」と悩んでいる人は多いもの。
そこで、予約1年待ちの生活習慣改善サロン「Flura」を主宰する小林麻利子さんに、みなさんのお悩みに答えていただきます。まずは、生活の中でもっとも大切な睡眠にまつわるお悩みから解消していきましょう!
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「眠らなきゃ!」ではなく「寝なくてもいいや」ぐらいのラクな気持ちで
Case1
夜、寝ようと布団に入ると、仕事のことや気になることがどんどん頭の中に浮かんできて、眠れないまま1~2時間経ってしまいます。ときには朝になってしまうことも…。
小林先生のお答え「眠らなくていいや!」と気をラクに
「眠らなくちゃ」とあせるほど、血圧も体温も高くなって交感神経が高ぶって、心も体もまさにバリバリの“覚醒モード”に。かえって眠れなくなってしまいます。眠れないときは、「眠らなくてもいいや」と気ラクにかまえることが第一です。
ひと晩くらい眠らなくても、日が昇ると人間は体温や血圧が上がって、ふつうに過ごすことができます。多少パフォーマンスは下がるかもしれませんが、体内時計の力は大きく心配するほど影響はないので、むしろ「眠らないぞ!」とでも思いましょう。
スマホなど見ないで、目をつぶったままで
ただし、そこでスマホやテレビを見るのはNGです。「一旦、寝室を離れてリビングへ」行くのは避けてください。明かりをつけたり、立って歩けば目が冴えてしまいます。
眠れなかったと思っていても、じつは必ずどこかでウトウトしています。このウトウトしているのは、ノンレム睡眠の浅い眠りの段階だったり、ときどきレム睡眠になるような、複雑な状態なのですが、この間に糖の代謝の効率がよくなるほか、認知機能を整備するのに不可欠な脳の修復が行われています。つまり、体を修復する大事な時間なのです。
ですから、眠れないからとリビングで過ごしたり、スマホを見たり、完全に起きてしまうのではなく、横になって目をつぶっておきましょう。
もし、寝室というものが無く、寝る部屋とリビングが一緒のような場合、せめてベッド(布団)の上=眠るための場所となるように、そこでゲームをしたり、食事をしたりするようなことはやめて、寝るための場所としての環境を整えることから始めてください。
ワクワクする妄想で眠りへと落ちていく
さて、「眠らなくていいや」と思って目をつぶったら、睡眠とはまったく異なることを考えましょう。好きな人のことを思ったり、次の旅先での出来事を思い浮かべたり、幸せな気持ちになる事柄を想像するだけで脳内ホルモンが変化します。すると、自然と落ち着きを取り戻して休むことができるのです。
思う相手はダンナさまでなくても大丈夫。私は好きな俳優さんとのカラオケデートを妄想していて、いつもカラオケにたどり着く前に眠っています(笑)。冗談ではなく、ワクワクすると眠りから意識が離れ、とても効果的なのです。
「ドキドキする相手なんていない」という方は、10代、20代の喜怒哀楽に満ちた感情が置き去りになっていて、体にもいい状態ではありません。心にゆとりを持って探しましょう。相手が見つからないなら、“さわり心地のいい生地”のような対象物でもOKです。それをさわることでリラックスできる、そんな存在が必要なのです。
10秒の呼吸法で、心臓の鼓動をゆるやかに
もうひとつ、簡単な呼吸法を試してみましょう。息を3秒吸って、2秒止め、5秒で吐く。この計10秒の呼吸を1分間に6回くり返すと、心臓の鼓動が呼吸数に共鳴してゆるやかになります。なおかつ、息を止めると吐くときに力が抜けて、さらに長く息を吐くと副交感神経が優位になるので鼓動はよりゆるやかになります。
布団に入ったままこのように過ごせば眠りに落ちやすく、もし眠れなかったとしても体の一部が修復されているので、気にせず幸せな気持ちで過ごしてください。
取材・文/宮下二葉