手軽につまめる低糖質なおやつとして、美容や健康意識の高い女性から選ばれているアーモンド。でも、アーモンドにはどんな栄養が含まれていて、食べるとどんなメリットがあるのか、意外とくわしく知っている人は少ないのでは? そこで、米国の登録栄養士の資格を持ち、カルフォルニア・アーモンド協会で日本および韓国の市場開発コンサルタントを務める、まさに栄養と健康のエキスパート、ミュリエル・キムさんに、アーモンドの栄養やおすすめの食べ方についてお話を伺ってきました。
Contents 目次
アーモンドには見逃せない栄養素がたっぷり!中でも特に大注目の3大栄養素とは?
一粒の中に、体に必要な栄養素がたくさん詰まっているアーモンド。なかでも主要な3大栄養素をくわしくご紹介しましょう。
・ビタミンE=アンチエイジング効果
「アーモンドに含まれているビタミンEの量は、食品の中でもトップクラスといわれています。カリフォルニア・アーモンド協会が推奨する1日23粒(手のひら1杯分)のアーモンドには、ビタミンEが7.7㎎も含まれています。日本人が1日にとるべきビタミンEの目安量は、成人男性で6.5㎎、成人女性で6.0㎎といわれているので、23粒食べるだけで1日に必要なビタミンEをパーフェクトに摂取できます。
ビタミンには水溶性と脂溶性の2種類があり、脂質とともに体内に吸収される脂溶性にはビタミンA、D、E、Kがあります。なかでもビタミンEは体外からしかとることができず、体内に蓄積しておくことが難しいため、毎日とる必要があります。
このビタミンEには強力な抗酸化作用があります。リンゴなど、食べものを外気に触れされておくと、特にカットした断面などが茶色く変色してしまいますよね? 酸化とはこのような現象。これと同じことが私たちの肌にも起こり、シミやしわ、肌荒れなど、肌トラブルを引き起こす原因になります。というのも、呼吸でとり込んだ酸素の一部が活性酸素となって、体内のウイルスや細菌などを撃退する反面、過剰に増えると健康な細胞や組織にダメージを与え、酸化させてしまうのです。しかしビタミンEには、細胞の酸化を防いでくれる働きがあるため、肌や髪のアンチエイジングにとても大事な栄養素なのです。
アンチエイジングのためにも、しっかりと補いたいビタミンEですが、サプリメントで摂取するより、アーモンドなどの食べものから摂取するほうが、吸収率が2倍いいという研究結果があります。サプリメントから栄養をとることも悪くはありませんが、食べものから摂取したほうが吸収率がよく、おいしいのでおすすめです」(ミュリエルさん)
・植物性たんぱく質=体作りに不可欠!
「筋肉や骨はもちろん、血液や皮膚、爪などをつくる主要成分のたんぱく質は、私たちの体を作るのに欠かせない栄養素です。たんぱく質というと、鶏肉などの肉類や卵などをイメージされると思いますが、アーモンドにも非常に多く含まれています。例えば、卵1個には動物性たんぱく質が約6g含まれていますが、手のひら1杯分のアーモンド(23粒)には植物性たんぱく質が6.1gと、ほぼ同じ量が含まれているのです。
また、たんぱく質は、エネルギー補給だけでなく、健康的なコレステロール値の維持にも効果的です。コレステロール値が高いと、高血圧や糖尿病、心臓病、慢性腎臓病などのリスクが高まるので、注意しましょう」(ミュリエルさん)
・食物繊維=便秘解消や体質管理に必須!
「人の消化酵素では分解できない成分が食物繊維で、整腸作用があり、便秘解消にも役立ちます。アーモンドには、ゴボウの約2倍、玄米の約7倍もの食物繊維が含まれており、少量を食べるだけでも満足感が得られ、体重管理やダイエットに最適です。
このほか、アーモンドには、血中のコレステロール濃度を下げるといわれる必須脂肪酸のひとつのリノール酸や、丈夫な骨や歯をつくる役割を持つマグネシウムやカルシウム、亜鉛や鉄などのミネラルも豊富です。また、アーモンドの皮には、抗酸化作用の高いポリフェノールやフラボノイドも含まれています」(ミュリエルさん)
1日23粒のアーモンドがおすすめ!
カルフォルニア・アーモンド協会では、1日23粒のアーモンドを食べることを推奨しています。なぜ1日23粒なのでしょう?
「まず、“1-2-3”という数字の並びで、覚えやすい語呂になっていると思います。また、アーモンドの大きさにもよりますが、手のひら1杯分の数がだいたい23粒(30g)。この量をとることで、1日に必要なビタミンE摂取目安量を十分にまかなえるのです。
ちなみに、世界に流通するアーモンドのうちおよそ80%が米国・カルフォルニア産です。次いでオーストラリアが10%、スペインなどのヨーロッパが5%、そして残りの5%がその他の国です。ですので、日本で食べられているアーモンドのほとんどがカルフォルニア産。そして、品質にこだわる日本の消費者のために、最高レベルの品質のアーモンドがカリフォルニアから出荷されています」(ミュリエルさん)
日本と韓国の市場開発コンサルタントを担当しているミュリエルさんに、各国のアーモンドの食べ方の違いを伺いました。
「産地のアメリカでは、アーモンドをシリアルに入れたり、パンの材料にするほか、サラダなどの料理に使ったり、アーモンドミルクも人気になるなど、幅広く活用されています。韓国では、ピーナッツやピスタチオ、クルミ、ブラジルナッツ、アーモンドが混ざったミックスナッツを食べるのがポピュラーです。日本は、チョコレートとの組み合わせが多いのが特徴的です。また、日本ってすごいなと思うのは、毎年アーモンドの新製品数がアジアの中でいちばん多いことです」(ミュリエルさん)
それだけアーモンドが私たちの生活の中に浸透しつつあるということでもありますね。
アーモンドでより美しく!? ミュリエル・キムさんの美しさの秘密
2014年にカルフォルニア・アーモンド協会のプロジェクト・マネージャーとなり、2017年から市場開発コンサルタントとなったミュリエルさん。うらやましいくらいツルツルで透明感のあるお肌の持ち主の彼女に、美の秘密をお聞きしました。
「私は、コロンビア大学在籍中に、ヨガにハマって、それ以来1日2時間のヨガを毎日続けています。きっかけは、大学の先生の奥様がヨガの先生で、無料のヨガクラスがあったからでしたが、やってみて新しい世界が開けました。じつは当時は、ヨガはおばあさんがやるものだと思っていたんです(笑)。でも、やってみたらとても難しくて挑戦しがいのあるものでした。しかも、ヨガをやるとすごく気持ちがよくなったので、それからずっと続けています。もちろん今も毎朝2時間やって、夜寝る前には瞑想も行っています。
ヨガの影響で、ベジタリアンになったのですが、アーモンドは朝食前や食前に食べています。食事のときはまずアーモンドを食べてから野菜を食べて、次にフルーツという順番で食べていますが、アーモンドは満腹感を与えてくれるので、食べすぎ防止にもなります。アーモンドと野菜でお腹いっぱいになったら、そのほかのものは食べないというルールにして体重管理をしています。また、アーモンドは腹持ちもいいので、特に朝にぴったりなんですよ」(ミュリエルさん)
そして、スイートアーモンドオイルもおすすめなのだそう!
「愛用品でおすすめしたいのが、スイートアーモンドオイルです。スイートアーモンドオイルは、日本でも化粧品や雑貨店、インターネットなどで簡単に購入できますよ。私は、いつも洗顔をして保湿クリームを塗ったあとに、仕上げとしてアーモンドオイルを塗り、保湿効果を逃がさないようにしています。また、髪を染めているので、どうしても乾燥しがちです。なので、髪にもスイートアーモンドオイルを塗っています。このオイルは、スキンケアや美白ケア、髪のキューティクルケアのほか、ひじやひざなどの乾燥しやすいところに塗るなど、幅広く使えますよ」(ミュリエルさん)
1日23粒食べるだけで健康で美しい体を目指せるだけでなく、万能の美容オイルとしても優秀なアーモンド。早速アーモンドを生活にとり入れて、キレイを目指しましょう!
カリフォルニア・アーモンド協会
http://www.almonds.jp/
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撮影/田辺エリ 文/奥沢ナツ