栄養価が高いアーモンドは、女性にうれしい、美肌やダイエット、アンチエイジングなどに効果があるといわれています。そこで、米国の登録栄養士の資格を持ち、現在はカルフォルニア・アーモンド協会で日本と韓国の市場開発コンサルタントを担当するミュリエル・キムさんに、効果的なアーモンドの食べ方について教えていただきました。
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美容やダイエットに効果的な、アーモンドの量と食べるタイミングとは?
カリフォルニア・アーモンド協会では、健康のために1日23粒のアーモンドを食べることを推奨しています。でも、1日に23粒というと、カロリーが高そうなイメージですが、大丈夫なのでしょうか?
「じつは、協会でリサーチしたところ、日本人が食べているアーモンドの標準的な量は1日11粒程度だということがわかりました。しかし1日に23粒(手のひら1杯分=30g)のアーモンドを食べることで、1日に必要なビタミンE 摂取目安量を補うことができるのです。
アーモンド23粒(30g)あたりのエネルギーは174kcalですが、実際に体に吸収されるのは120kcal程度。また、23粒(30g)あたりの脂質量は15gですが、脂肪にはそもそもコレステロールを増やす原因となる飽和脂肪酸とコレステロールを減らす不飽和脂肪酸の2種類があり、アーモンドに含まれる脂質はヘルシーな不飽和脂肪酸なのです。ですので、アーモンドの脂質=太るというわけではありませんので、安心して食べてくださいね」(ミュリエルさん)
またアーモンドは、朝食や食前に食べるのがいいのだそう。
「アーモンドは、朝食や食前に食べるとダイエット効果があることがこれまでの研究でわかっています。例えば、アメリカでほぼ毎日朝食を抜く大学新入生を対象に、モーニングスナックとしてアーモンドまたはグラハムクラッカーを2か月間食べてもらったところ、毎朝アーモンドを食べたグループのほうが、血糖コントロールやHDL(善玉)コレステロールのレベルを維持することができました。
また、健康な韓国人169名を対象に行った実験では、毎日食前にアーモンドを56g食べるグループ、毎日間食にアーモンド56gを食べるグループ、高炭水化物などカロリー制限食を食べるグループという3つのグループにわけ、それぞれ体脂肪率と血中コレステロール値の変化を16週間にわたって測定したところ、食前にアーモンドを食べたグループの体脂肪率は平均0.35%減少し、間食に食べたグループは平均0.17%増加しました。さらに、食前にアーモンドを食べたグループは、制限食のグループに比べ、体脂肪率、内臓脂肪率、総脂肪が減少し、体組織が全般的に改善されたことがわかっています。
これらの研究結果により、朝食や食前にアーモンドを食べたほうが効果的にダイエットできると考えられます。朝は忙しくて朝食を抜いているという日本人も多いので、朝食の代わりや、ランチ前のタイミングなどにアーモンドを食べることをおすすめします」(ミュリエルさん)
アーモンドは持ち運びも便利なので、出先でも小腹が空いたときなどに気軽に食べられるのもポイントです。では、一緒に食べたい、相性がいい食べものはあるのでしょうか?
「アーモンドは、自分の好きな食べ方をしていただいてOKですが、健康面を考えると素焼きのアーモンドがおすすめです。アーモンドは食べ合わせが非常にいい食材です。アーモンド自体に独特の香ばしい風味がありますが、甘いものやしょっぱいもの、辛いもの、ビターなものなど、何にでもよく合います。コーヒータイムのおやつとして一緒に食べたり、ヨーグルトやフルーツ、野菜などと一緒に食べるのもおすすめです。基本的に健康にいい食品と一緒に食べるといいと思います。
私は小さい子どもたちに栄養指導をしていたこともあるのですが、その際『食事には5つの色の食材をとり入れてください』と伝えていました。例えば、トマトやにんじんといった赤やオレンジ色の食材には、ビタミンAが豊富。ブドウなど紫色の食材は、抗酸化作用とビタミンCが、ほうれん草など緑色の食材にはカルシウムが豊富です。そしてコーンオイルやアーモンドなどの白い食べものには、ビタミンEが豊富。どの野菜にどんな栄養素が含まれているかは、栄養学を学んでいない人には少し難しいかもしれませんが、色なら簡単ですよね。アーモンドと一緒に野菜やフルーツを食べるときは、できるだけいろいろな色の食材を使うようにすると、バランスよく栄養がとれておすすめです」(ミュリエルさん)
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「食物繊維が多く、コレステロールを減らす不飽和脂肪酸を含むアーモンドは、毎日摂取することで、便通を改善し、腹部脂肪を減らすことに役立ちます。また、素焼きのアーモンドはかみ応えがあるため、満腹感を得られやすく、ダイエットの大敵である食欲を抑える効果が期待できます。
アメリカでの研究では、毎日手のひら1杯分のアーモンドを1日に2回食べてもらうグループと、同じカロリーのマフィンを毎日食べてもらうグループの2つに分け、2か月後にウエストを図ったところ、アーモンドを食べたグループは脂肪が減り、マフィンを食べたグループは逆に太ってしまいました。マフィンには食物繊維もたんぱく質も入っていないので、このような結果になったと考えられます」(ミュリエルさん)
また、アーモンドは運動後の栄養チャージにも最適なのだそう。
「アスリートだけでなく、筋トレなどで体を酷使する人は、みなさんプロテイン=たんぱく質をたくさん飲んでいますよね。運動をして筋肉をたくさん使うと、たくさんのエネルギーが必要になります。運動した直後は筋肉が損傷している状態で、そのままにしてしまうと、せっかく運動しても筋力アップにつながりません。
筋肉量を増やすためには、運動後30分以内にプロテインを摂取して、栄養補給することが重要なのです。失われたプロテインをチャージするという意味では、植物性たんぱく質が豊富なアーモンドは最適です。また、筋肉を動かすときに重要な栄養素のカリウムもアーモンドには含まれています。じつはアーモンドは、運動との相性がいい食べものでもあるのです」(ミュリエルさん)
持ち歩きにも便利で、手軽につまめるアーモンド。ダイエットや運動時に活用して、効率よく理想の体を手に入れてみませんか?
カリフォルニア・アーモンド協会
http://www.almonds.jp/
Instagram、Twitter、Facebook:@almondsjp
文/奥沢ナツ 撮影/我妻慶一 スタイリスト/石原由美
監修:ミュリエル・キム
カリフォルニア・アーモンド協会 日本・韓国担当 市場開発コンサルタント。韓国ソウル大学校にてフード・マーケティングの博士課程コースを修了。米国コロンビア大学では栄養学・公衆衛生学の修士号を取得。米国の登録栄養士の資格を持っている。