血糖値の上昇を抑えたり、塩分の代わりに調味料として食材の味を引き立ててくれるなど、その健康効果や使い方が注目されている「お酢」。ですが、意外と使い道がなく困っている人も多いのでは? そこで今回は、料理研究家として活躍される武蔵裕子先生に、お酢の使い道を教えていただきましょう。
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■料理研究家が絶賛する調味料「お酢」と「オイル」
酢飯や酢のものなど、ハレの日の食事を作るときに出番の多いお酢ですが、その後は意外と使う機会がなく、家に残ってしまうことも多い調味料。日常的にとり入れるにはどんな使い方ができるのでしょう。
「お酢は日本に古くからある調味料だけあって奥が深いですよ。お酢で野菜などを漬けてみたり、肉や魚をお酢と一緒に煮込んだり、定番の家庭料理にまわしかけてもおいしくて。
我が家では、野菜やお刺身にかける『酢みそ』や、たっぷりのお酢にかつお節を漬けた『かつお酢』を作って、冷蔵庫に常備しています。お酢とみその組み合わせは酸味と甘みが調和して味がまろやかになりますし、お酢にかつお節を合わせるとうま味が際立ちます。私は“お酢マジック”なんて呼んでいますが、お酢にほかの調味料や食材を組み合わせると、新しいおいしさを発見できておもしろいんです。
最近気に入ってるのは、お酢にオイルを合わせた食べ方。お酢とみりんで作る酢のものに、ごま油を加えてみると中華風にまとまります。酸味にごま油のコクがよく合うんですよね」(武蔵先生)
武蔵先生は、ご家庭ではご両親と双子の息子さんの3世代の食事を担っているお母さんでもありますが、家族の健康のためにもお酢の料理が欠かせないのだとか。
「家族のために、とくに年配の方のために食事を作ることは、食べる量や塩分を意識しなければならず、ハードルが高いと思ってしまいがちです。でも、むずかしいことではありません。身近にある、健康によいといわれる旬の食材や調味料を改めて見直し、とにかく作ってみてください。お酢やオイルを使ったビネガー煮やホットマリネなどのあたたかい料理は、食べやすくてとくに年配の方には好評です」
それでは、お酢とオイルを使った健康にうれしいレシピを武蔵先生に2品教えていただきましょう!
■料理研究家が教える!お酢&オイルのホットレシピ
お酢と仕上げのごま油がおいしい
キャベツと豚バラの中華風ビネガー煮
(1人分401kcal、食塩相当量0.9g)
<材料(2人分)>
キャベツ(大きめの葉)…約4枚(200g)
豚バラ薄切り肉…150~200g(3cmに切る)
酒…大さじ1
鶏ガラスープの素…小さじ1/2
しょうがのみじん切り…小1片分
砂糖…小さじ1と1/2
穀物酢…大さじ3
ごま油…大さじ1/2
塩…少々
<作り方>
1、キャベツの葉をざく切りにする。
2、フライパンにキャベツと豚肉、水1/4カップと、酒、鶏ガラスープの素を入れ、ふたをして中火にかける。煮立ったらしょうがと砂糖、穀物酢を加え、再びふたをして、弱めの中火で10分ほど蒸し煮にする。残りの1分ほどのところでごま油を加え、塩で味をととのえる。
オイルで蒸した野菜にお酢をかけて
パプリカとカリフラワーのホットマリネ
(1人分92kcal、食塩相当量0.5g)
<材料(2人分)>
パプリカ(赤、黄)…各1個(150g)
カリフラワー(正味)…200g
オリーブオイル…大さじ2
塩…少々
穀物酢…大さじ2と1/2
粗びき黒こしょう…少々
<作り方>
1、パプリカはヘタと種をとり、縦2cm幅に切る。カリフラワーは小房に分け、小さめのひと口大に切る。
2、フライパンに(1)を並べ、オリーブオイルを回し入れてふたをし、弱めの中火で7~8蒸し煮する。
3、火を止めて塩を振り入れ、粗熱がとれたら穀物酢を回しかける。さっと混ぜ、黒こしょうを全体に振る。
「今回作った『キャベツと豚バラの中華風ビネガー煮』は、お酢とごま油でキャベツを蒸し煮しています。お酢の酸味によってキャベツの甘みが際立ち、まろやかな味に仕上がります。オイルのコクで風味がでるので、満足感も高まります。お酢により、肉がやわらかくなって食べやすく、年配の方にもおすすめですよ。
『パプリカとカリフラワーのホットマリネ』は、オイルで蒸し煮にした野菜にお酢をまわしかけていただきます。オイルで蒸すことで食材に照りがでて、彩りも鮮やかに。見た目からも食欲を誘う1品です」
自分だけでなく、家族の健康のためにも、お酢とオイルをとり入れたレシピをぜひお試しあれ。
文/FYTTE編集部