「あなたは食べたものでできている」。よく聞くフレーズですが、こだわりすぎるとストレスを生みます。食べたものが消化吸収されることではじめて体の栄養になるので、食事は「どう食べるか」も大事。
今回は、代官山でまいこホリスティック スキン クリニックを営む山﨑まいこ先生の著書『美しい肌が生まれるところ 腸とこころをととのえる』(ワニブックス)から、腸と美肌の関係についてお伝えしていきます。
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食べているのに満足感が少ないのは「消化・吸収」できていないから?
食べたものは、疑うことなく消化・吸収できていると誰もが信じているものです。食材も「いいものにこだわっているから大丈夫」という人もいるでしょう。でも、本当にそうでしょうか?
欧米化された食のスタイルや、日常的に私たちが食べている食事は、昔と比べてタンパク質の立体構造が複雑なものが増え、消化そのものに大きな負担がかかっています。
消化する力が低下すれば、必要な栄養素は吸収されず、便秘になったり、肌荒れやアレルギーを発症したり、現代人にアレルギー症状や自己免疫疾患を抱える方が増えているのも、腸内細菌バランスと深い関係があるのです。
消化・吸収がスムーズに行われているかどうか、ひとつの目安になるのが食欲です。
ちゃんと食べているのに満腹感が得られないときは、うまく消化できていない、あるいは、栄養素として吸収されていないことが要因のよう。脳が足りていないと感じるんですね。
インドの伝承医学であるアーユルヴェーダの世界でも、体質によって消化・吸収の得手不得手があるといわれています。
たとえばタンパク質の分解、消化が苦手な人も案外いるものです。油やお酒などに関してはなんとなく自覚されている人もいるのではないでしょうか。
根本的な体質は、遺伝だけで決まるのではなく、子どものころの食生活の影響が大きいこともわかっています。
消化・吸収のためには「どう食べるか」と向き合うこと
消化・吸収の要である「腸」は、必要な栄養素を吸収しながら、菌や有害なものをブロックし、未消化のものを排泄したり。私たちがある程度、有害なものや悪いものを少々食べたとしても大きな影響を受けないのは、腸のおかげでもあります。
面白いデータがあるのですが、いつも家族や恋人、友人たちと楽しく食事をとられている人は、たとえジャンキーなものを食べていたとしても、きちんと消化・吸収ができているのに対し、良質なものを食べても緊張状態にさらされていたり、食事に集中できずに食べているだけ、という人は、うまく消化・吸収ができていないことがわかりました。
ストレスの影響によって、本来腸からもれ出してほしくない有害なものや未消化の栄養素などが、腸壁からもれ出てしまう、といった症状も増加の傾向にあります。
「何を食べるか」も大事ですが、スムーズな消化・吸収のためには、「どう食べるか」に向き合うことこそが大事。
ます意識すべきことは、「You are what you digest & absorb」。私たちは消化・吸収されたものでできているからです。
美肌のために美容液よりも大切なのが、腸です。まずは腸がきちんと消化・吸収できていることが美肌の基本。次回は、腸活についてお伝えしていきます。
文/庄司真紀
山﨑まいこ著『美しい肌が生まれるところ 腸とこころをととのえる』(ワニブックス)