「スーパー大麦」。テレビの健康情報に敏感な人なら、すでにチェック済みかもしれません。豊富な食物繊維量で、腸内改善に効果的であると話題の食材について、何がすごいのか、また実際どのようにとればいいのかを、わかりやすく紹介します!
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大腸の奥まで届くスーパーフード「スーパー大麦」
ここ数年、白米ではなく食物繊維が豊富な穀類が話題です。玄米に始まり、大麦やもち麦などを白米の代わりに食べる人も増えました。また、ライ麦やオーツ麦などで作られたパンやグラノーラなども見かけるようになりました。食物繊維が豊富、つまりは腸の働きを助けてくれるということで、腸活ブームの今、さまざまな穀類に注目が集まっています。
そんななか、今回新たに登場したのが「スーパー大麦バーリーマックス」です。オーストラリア連邦科学産業研究機構が開発した機能性大麦で、多くの大麦品種から選び抜かれたHimalayaという原種を10年におよぶ品種改良ののち、優れた機能を持ちあわせる大麦として世に出すこととなりました。
いったい何がすごいのでしょう。スーパー大麦の成分特徴は以下の3つです。
水溶性食物繊維の含有量が高い
食物繊維の中でも善玉菌のエサとなるのが水溶性食物繊維。
通常の大麦に対し、水溶性食物繊維は2倍、腸内のビフィズス菌のエサとなるレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)は4倍も含まれます。
低GIである
GI(グリセミック・インデックス)とは、食後の血糖値の上昇度を示す指標のことで、GI値が低いほど、血糖値をあげにくい食材と言えます。
ビタミンEやオメガ酸も豊富
抗酸化作用のあるビタミンEや、中性脂肪を減らすオメガ酸も含まれ、食物繊維が持つ機能以外の機能性成分を含有します。
1日12gの摂取で腸内環境が変化した!
そもそも、腸内環境を整えるためには、乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌を、食品から直接摂取する解決策が効果的であると言われてきました。しかし、摂取した善玉菌のほとんどは、酸が出る胃や小腸で分解・吸収されてしまうため、大腸の奥には届きにくいという研究結果もあります。
大腸の奥の善玉菌を活性化させるには、善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維やレジスタントスターチを積極的に摂ることが重要となります。そこでスーパー大麦の出番というわけなのです。
そこで、20~65歳までのやや便秘がちの健常者を対象に、スーパー大麦を1日12g、2週間継続的に摂取する実験を行ったところ、腸内環境が大きく変化したのです。
まず排便回数と排便量が増加し、整腸作用があることがわかりました。さらに、便中の短鎖脂肪酸の分析では、4週目に酪酸の増加傾向が認められ、腸内フローラ解析では、バクテロイデスという酪酸の増加に関係すると言われる細菌が4週目に有意に増加しました。
これらはつまり、スーパー大麦がレジスタントスターチを含むことによる結果と見られ、善玉菌のエサとして大腸の奥まで届き、腸内フローラにいい影響を与えている可能性を示す研究成果といえるのです。
今は、グラノーラとショートバー、レストランにて食べられる
これだけすごいスーパー大麦、どうやって入手すればいいの?
現在商品化されているものは「スーパー大麦グラノーラ」と「スーパー大麦ショートバー」のみ。まずはこれらで試してみましょう。また、現在東京にある糖質制限食専門レストラン「TI DINING」ではスーパー大麦を使用したメニューを提供中。ぷちぷちとした食感や食べごたえをぜひ感じてみて!
あとは、日常の食卓で手軽に使えるスーパー大麦ごはんなどが開発される日を待ちましょう!
文/FYTTE編集部 写真/© lilechka75-fotolia.com