腰痛に睡眠は一見関係ないように思えるかもしれませんが、じつは深く関わっています。体に合ったマットレスはもちろん、睡眠の質を上げる心がけも大切です。今回は日本腰痛研究開発機構の『あなたの腰痛が治らないのは治し方を間違えているから』(アスコム)から、睡眠時の腰痛対策についてまとめていきます。
Contents 目次
寝返りがうてないと腰が悪くなる
慢性的な腰痛を抱えている場合、まず注意したいのが寝返りです。
睡眠中に寝返りがうてないと、腰痛のリスクが高くなります。
布団やマットレスがやわらかいと、体が沈み込んでしまい一部に負担が強くかかります。また、グッと体を起こそうとしても力んだ部分が沈んでしまうので、寝返りがうちにくくなってしまいます。
睡眠時の腰痛対策 「高反発」マットレスを使う
腰痛を改善するためにはやわらかすぎる寝具は避けたほうがいいといえます。
睡眠時の寝返りや姿勢は、無意識下でのことですし、自分で自分の寝姿を監視することもできないので確認のしようがありません。
慢性的な腰痛を抱えている人に適していると考えられるのは「高反発」マットレスです。
適度な硬さと反発力を備えているため、体が沈み込んでしまうことなく、反発力を利用して寝返りもうちやすいのが特徴です。
加えていうと、掛け布団も重すぎると寝返りの妨げになることもあるので、力の弱い高齢の方などは、なるべく軽めのものを選んだほうがいいでしょう。
睡眠の質を高めてストレスを減らす
じつは睡眠中であっても、脳は痛みを認識していることがあります。脳にそのような刺激があると質のいい睡眠の妨げになり、不眠のストレスから腰痛が悪化したり腰痛以外の不調の原因にもなったりします。
腰痛によって睡眠の質が下がり、そして睡眠の質が下がるとまた腰痛が悪化する負のサイクルに陥る危険性があるのです。
このように睡眠と腰痛はどちらが先ということもなく相互に関係しているということができます。
腰に負担をかけない睡眠環境を整えるとともに、睡眠の質を高めるような心がけも腰痛対策に大きく役立ちます。心当たりがある方は一度見直してみるといいでしょう。
参考書籍
日本腰痛研究開発機構著『あなたの腰痛が治らないのは治し方を間違えているから』(アスコム)
文/庄司真紀