トマトの旬は夏! と、思っている人がほとんどだと思いますが、実は春から初夏、秋から初冬が旬。まさに今が旬まっただ中で、おいしさも栄養価もUP中。そんなトマトに多く含まれるリコピンという成分、よく耳にしますよね。より賢くそのパワーを得るためのルールを、トマトジュースでおなじみのカゴメと、管理栄養士の豊田愛魅さんに伺いました。
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トマトのリコピンパワーを賢く摂る3つのルール
トマトには、抗酸化作用や免疫作用をもつリコピンやビタミンA,C,E(エース)、脂肪燃焼作用がある13-oxo-ODA(13オキソオクタデカジエン酸)など、美と健康、ダイエットに役立つ栄養成分がたっぷり。その中でもリコピンは、スイカやグレープフルーツにも一応含まれますが、やっぱりトマトから摂るのが一番おすすめ! 効果的に摂取するためのコツは以下の3つです。
- ルール(1) トマトを食べるなら朝
- ルール(2) トマトは崩して加熱し、油と一緒に摂る
- ルール(3) ファイトケミカルが含まれる食材と組み合わせる
体内での栄養成分の消化吸収や代謝には1日のリズム(サーカディアンリズム)が存在し、栄養成分を摂る時間帯によってその吸収効率が異なります。トマトのリコピンに関して調査した結果、リコピンは昼や夜に食べるより、朝食べることで成分が速く体内に吸収され、リコピンの吸収量も増えることが判明!(カゴメ調べ)
野菜の細胞には強固な細胞壁があり、その中にリコピンなど摂取したい栄養素が入っています。そのため、単にトマトを食べるだけでは効率よくリコピンは摂取できないのです。
「細かくカットしたり、完熟トマトなら手で潰したりしてぐちゃぐちゃにしてから加熱すると、細胞が壊れて中からリコピンが出てきてくれます。さらに、うまく体に吸収させるためには油が必要。加熱調理するときは酸化に強いオリーブオイルを使うといいですね」(豊田愛魅さん)
さらに賢くリコピンをチャージする方法をご紹介。
「同じ抗酸化作用の強いファイトケミカルが含まれる食材を組み合わせると相乗効果でパワーアップ!緑黄色野菜や、抗酸化力の高いアスタキサンチンが含まれるサーモン、カプサイシンという新陳代謝を促してくれる成分が含まれる唐辛子、疲労回復効果のあるアリシンが含まれるにんにくなどがおすすめです」(豊田愛魅さん)
これらのルールをふまえ、いちばん簡単でおいしい、リコピンチャージメニューを教えていただきました。
「朝や仕事の合間などにおすすめなのが、“亜麻仁油入りトマトジュース”。トマトジュースコップ1杯に亜麻仁油を1日ティースプーン1杯までを加えるだけで完成。一見トマトジュースは生のように見えますが、製造の過程で殺菌、加熱されているので、加熱調理されているのと同じです。そのため、油と一緒に摂ることで効率よくリコピンをチャージできます。夜メニューなら、“トマトのアヒージョ”がイチオシ。フライパンにオリーブオイルと、潰したにんにく1片を入れて熱し、お好みでウインナーや砂肝などのお肉系かマッシュルーム、ブロッコリーなど野菜も加えます。崩したトマトかミニトマトを入れて具材が浸かる程度にオリーブオイルを追加し、最後に油で溶いたゆず胡椒で味つけ。おつまみにもピッタリです」(豊田愛魅さん)
3つのルールを取り入れて、今が旬のトマトパワーをまるごとチャージしちゃいましょう。
取材・文/大石結花