「冷え解消にはしょうが」といわれるほど、体を温めて、血行をよくする効果がよく知られているしょうが。ふだんから意識してとり入れている冷え症の女子も多いかもしれません。そんな優秀な食材であるしょうがを、同じく血行促進効果のある酢に漬けたのが「酢しょうが」。冷え性改善、代謝アップ、ダイエット効果なども期待できるパワーフードです。これからの季節は、疲労回復の味方にもなってくれます。
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「疲れをとりたい」「疲れにくくなりたい」と思ったら、酢しょうが
「酢しょうが」の効果と作り方を教えてくれるのは、料理研究家・管理栄養士の金丸絵里加さん。酢キャベツ、酢にんじん、酢玉ねぎなど、酢漬けのオリジナルレシピの数々を作っている酢の達人でもあります。
「しょうがにはジンゲロールとショウガオールという辛み成分が含まれています。しょうがを食べると体が温まったり、発汗が促されたりするのは、これらの成分によるもの。体が温まれば、血行がよくなって冷えが改善され、代謝もよくなるでしょう。また、ジンゲロールには胃液の分泌を促す作用もあり、食欲増進効果を期待できます。これからの時季は、暑さで食欲が落ちやすく、それが疲労の一因にもなります。体調を整え、スタミナをキープできるように、しょうがを利用するといいでしょう」(金丸先生)
このようなしょうがの作用をさらにあと押しするのが酢です。
「酢は、血糖値の上昇を抑える、内臓脂肪を減らすなど、ダイエットや生活習慣病予防効果でもおおいに注目されています。なかでも、よく知られているのは、疲労回復効果。酢の主成分の酢酸は、体内でクエン酸に分解され、疲労物質といわれる乳酸の分解を促します。夏バテも疲労の一種ですから、解消するには酢をとることがおすすめ。
また、酢には血管を拡張させ、血行をよくして血流を増やす作用もあり、しょうがとのダブル効果で冷えから体を守ってくれます。『夏は暑さだけでなく、エアコンによる冷えがつらい』という人にも、酢しょうがはぴったりだと思いますよ」
6~8月ごろは、みずみずしい新しょうがが市場に出回ります。「酢しょうが」にトライするにはちょうどいい時季ですね。
<酢しょうがの作り方>
材料(作りやすい分量)
しょうが……2~3個(100~150g)
穀物酢……1カップ
作り方
(1)しょうがは洗って水けをきり、キッチンペーパーなどで余分な水分をとる(もしくは少し乾かす)。
(2)(1)を皮ごと1mm厚さ程度の薄切りにする。
(3)清潔な保存びんなどにしょうがを入れ、酢を浸るくらいに加え、冷蔵庫で保存する。
※保存の目安は約1か月間。
次回は、「酢しょうが」を使った料理のレシピをご紹介します。
取材・文/三浦良江 撮影/安井真喜子 スタイリング/井口美穂