フィットネスもダイエットも、筋肉を保ちつつぜい肉を落とすのが大切。たんぱく質をはじめ、ビタミンやミネラルを適度に摂取することが欠かせません。そんな栄養素の中でも、強い体を作るときに必要になりそうなのが、納豆などに豊富な「ビタミンK」だといいます。年齢を重ねるほどに大切だと発表されています。
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「ビタミンK」が年齢に与える影響
糖質や脂質、たんぱく質などの代謝や吸収を助けてくれる栄養素が「ビタミン」です。ビタミンには主要なものとして13種類があり、水によく溶けるビタミンB、C、油によく溶けるビタミンA、D、E、Kに大きく分かれています。中でも、血液を固める働き、骨を作る働きなどと関係していることがよく知られているのがビタミンK。これまでビタミンKが不足してしまうと、骨がもろくなったり、心臓や血管の病気になりやすくなることがわかっていました。
このたび米国のタフツ大学を中心とした研究グループは、あらためてこのビタミンKに注目して、年を重ねたときにビタミンKの不足がどのように影響するのかをもっと具体的に調べることにしました。
研究グループは1323人を対象として、血液検査の結果からビタミンKが足りているのか不足しているのかの程度によって3つのグループに分けました。その後、数年にわたって筋肉や関節の動きに問題がないかどうかを調べたのです。具体的には、およそ400mを歩くのに苦労しないか、10段の階段を休まずに上れるかを半年に1回調べました。
歩く力を強くしてくれる
追跡調査をして、運動の能力を調べた結果としてわかったのは、もともとビタミンKが低い人は、足腰の力が落ちる可能性が高いということでした。ひざの痛みが出てくるために足腰の弱さが出てくる人もいたのですが、それにかかわらず、ビタミンKが低い人では足腰の力が落ちる可能性が1.2~1.3倍程度高いことがわかりました。足腰の力をしっかり保つためには、血液中にビタミンKが高い人がよいというわけです。
もっと長い期間でのビタミンKの状態がどのような影響を及ぼすのかについてはわからないところもあります。ただ、ビタミンKが豊富な野菜としては、納豆のほか、春菊やニラ、小松菜やほうれん草、ブロッコリーなどもあります。食事のバランスが大切なのはもちろんですが、ときにはビタミンKの効果も参考に、献立を考えてもいいかもしれません。
<参考文献>
J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2019 May 6. pii: glz108. doi: 10.1093/gerona/glz108. [Epub ahead of print]
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31056634
Geriatr Nurs. 2018 Mar – Apr;39(2):162-169. doi: 10.1016/j.gerinurse.2017.08.002. Epub 2017 Sep 1.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28866316