毎年、熱中症で多くの人が救急搬送されるニュースを見聞きしながらも、どこか他人事のように感じてはいないでしょうか。ある調査では、多くの人がそうと気づかずに熱中症を発症している恐れが高いという衝撃の事実が明らかに。もしかしたら、あなたもそのひとりになってしまうかもしれません。
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多くの人が無自覚…熱中症発症の実態
株式会社タニタが、インターネットリサーチにより15~69歳の男女1,000人を対象に行なった「熱中症に関する意識・実態調査2019」によると、「熱中症を発症した経験があるか」の質問に対し、「ある」と答えた人は全体の22%にとどまる一方で、「暑さによって引き起こされた、からだの不調」について尋ねた質問では、何らかの症状を自覚したことがあるという人の割合が77%にも上りました。また、「熱中症にならない自信があるか」の問いに対しては20%が「ある」と答えており、実際には熱中症かそれに近い症状を経験していながら、熱中症と認識していないケースが多いという実態、また、自身は熱中症にならないと過信している恐れがあることがわかりました。
熱中症の発症に大きく影響!「暑さ指数(WBGT)」とは?
熱中症というと、気温の高い日にその危険が高まると認識している人が多いでしょう。実際に今回の調査でも「熱中症にならないために気にしている(注意を払っている)項目」を聞いたところ、「気温」(67.3%)が最も高く、次いで「天気(晴れ・曇り・雨など、気温や湿度を除く)」(59.5%)、「日差し」(41.5%)という結果に。しかし、ここには落とし穴があるのです。実は熱中症は、気温がそれほど高くなくても、湿度が高い場合に多く発生しているのです。
熱中症発症の危険度は、気温・湿度・輻射熱を取り入れた指標である「暑さ指数(WBGT)」を把握することによって知ることができるのですが、今回の調査で「暑さ指数(WBGT)に注意を払っている」と回答した人は、全体のわずか5%にとどまりました。
熱中症の危険度を示す指標「暑さ指数(WBGT)」を知って対策を
「暑さ指数(WBGT)」について、全回答者の認知状況を確認したところ、「知らなかった」という回答が58.0%を占め、次いで「名前は聞いたことがあった」が30.2%、「どのような指標か知っていた」と答えた人は11.8%となりました。「暑さ指数(WBGT)」を把握するためには、気温と湿度に加え、輻射熱の影響を測定できる「黒球式」と呼ばれる屋外対応の機器(黒球式熱中症指数計など)を使用する必要があります。
「予防することで100%防げる疾病」といわれる反面、環境に応じた危険度を正しく把握して適切な対策をしなければ、誰でも発症する恐れがある熱中症。冷房を使用する、こまめに水分補給をするなどのほか、黒球式熱中症指数計はAmazonなどで手軽に購入することができるので、気温や日差しの強さだけに惑わされず、「暑さ指数(WBGT)」から発症リスクを正しく把握することも、有効な熱中症予防対策であるといえそうです。