ペルーのクリスマスに欠かせない「パネトン」は、ついつい食べ過ぎてしまうのが玉にキズ。年に一度の特別な日だからダイエットはひと休みするとしても、せめて体にいいものを選びたい。そんな欲張りなリマっ子の願いを叶えるヘルシーなパネトンが登場しました。
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パネトンとホットチョコレートがお約束
イタリア移民が広めたパネトンは、ペルーのクリスマスになくてはならない発酵菓子。12月になると「パネトンを運んでくるサンタクロース」や、「大好きなパネトンを頬張る仲良しファミリー」といったテレビCMがくり返し流れます。
フルーツコンフィやレーズンが入った定番商品のほか、チョコチップ入りや甘いクリームを詰めたタイプまでいろいろありますが、問題はそのカロリー! 甘くて柔らかくてふわふわだから、つい食べ過ぎてしまいがち。さらに飲み物は砂糖たっぷりの甘いホットチョコレートと相場が決まっていて、血糖値の上昇も心配です。オーガニック食材やグルテンフリー商品への関心が高いリマっ子にとっても、クリスマスシーズンのパネトン選びは悩みの種。せめて体にいい商品はないものかと、ネットや口コミでの情報交換に余念がありません。
そんな彼らに教えてもらったのがこちら、オーガニック素材をたっぷり使ったヘルシーパネトン「Inka T’anta(インカ・タンタ)」です。
オーガニック素材でつくられた「ヘルシーパネトン」
「インカのパン」という意味のインカ・タンタ。その生地にはスーパーフードを代表するオーガニック・キヌアと、同じくオーガニック栽培のアラカチャの粉が使われていました。アラカチャはアンデス原産のセリ科の根菜で、カロテンが豊富。カルシウムやマグネシウム、リン、鉄などのミネラル分を多く含み、消化吸収がよくダイエットにもぴったりの野菜です。ほかにも、オーガニックカカオでつくったチョコレートチップと、ゴールデンベリ―でおなじみのアグアイマントやレーズンがたっぷり入っていました。
パネトンの生地はどのメーカーも甘いものが多いのですが、インカ・タンタのそれは甘さを抑えたシンプルな味。キヌアらしい、ほんのりとした香ばしさもあります。チョコレートとレーズンは普通に甘いのですが、生地がさっぱりしているぶん、しつこさがありません。アグアイマントのさわやかな酸味も加わり、バランスのよい仕上がりになっていました。アラカチャのパワーでしょうか、食後に胃が重いと感じることもありませんでした。
こちらはペルーではまだ珍しい米粉を使ったパネトン、その名も「Panetón SIN GLUTEN(グルテンフリー・パネトン)」です。米粉を使った生地はしっとりしていて、一般のパネトンよりもっちり感がありました。生地の甘さは控えめで、なかには干しブドウとフルーツコンフィが入っています。一般的なパネトンは一斤800~900gですが、こちらは200gのミニサイズ。これなら食べ過ぎることはなさそうですね。腹持ちするので、オフィスで小腹が空いたときにもいいかもしれません。
パネトンのお供のホットチョコレートもカカオ100%!
パネトンのパートナーとして欠かせないホットチョコレート。その材料となるチョコレートバーでも、カカオ100%で砂糖不使用の商品を発見!以前は砂糖入りのものばかりでしたが、これなら自分好みの甘さにできるのでうれしいですね。カカオ豆に含まれるカカオポリフェノールには、血糖値の急激な上昇を抑える食物繊維がたっぷり。デトックス効果もあるので、日頃から積極的に取り入れたい飲み物です。砂糖の量さえ調整できれば、パネトンとホットチョコレートの組み合わせも、もう怖くありません。
クリスマスにダイエットなんて、食いしん坊のペルー人にはとても野暮で無理なこと。でも体にいいものならぜひ!そんなリマのクリスマス最前線をご紹介しました。
写真・文/原田慶子、ホリ・コミュニケーション