寝ても疲れがとれない、何もしていないのに疲れる…など、忙しい女性が避けられない疲労感。慢性的な疲労があると気力、体力ともに低下して仕事やプライベートに大打撃です。今回は、内科医で女性専門の疲労外来ドクターでもある工藤孝文先生に疲れを寄せつけない食べ方のコツを教えてもらいました。著書『疲れない大百科』(ワニブックス)からご紹介していきます。
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【疲れない食べ方1】 食べない人ほど疲れが倍増! 1日3食を極めよう
朝食抜きやランチを食べる暇がないほど忙しかったり、ダイエットで極端に食事を節制したりしていませんか。
工藤先生は「エネルギーが不足すると体内では替わりのエネルギー源となるケトン体がつくられるのです。ケトン体は高いエネルギー価がありますが、だるさや疲労感、頭痛を引き起こします。仕事のパフォーマンスを上げるには 1日3食を規則正しく食べることが大切です」と指摘します。
3食きちんとといっても内臓を酷使するダラダラ食べはNG。重要なのは、3食の間隔をきちんと空けて空腹状態をつくり、臓器をしっかり休ませることです。
「東洋医学では、規則正しい食生活を送ることで体のリズムが整い、病気の予防につながるといわれています。ダラダラ食べを続けて臓器を酷使すれば老化が進んでしまいます」(工藤先生)
空腹を感じると胃からグレリンという物質が発生してミトコンドリアが活性化し、細胞を若返らせてくれるのです。
【疲れない食べ方2】 疲れたときこそ、“低G I”フードを
低G Iの食品、たとえばそばや玄米、大豆食品などは、ダイエットのためだけではなく、疲れているときにも選びたい食品です。「高GI食品を食べるとドーピングのように血糖値が一気に上がって元気になったように感じます。そのため疲れると体が高GI食品を欲しますが、血糖値の乱高下が起きて体の負担になり、かえって疲れやだるさを感じてしまうのです」
高GI食品には食パンや白米、じゃがいもなどがあります。ただ、G I値は食材によって大きく違うので、すべてを覚えるのは難しそう。そこで、低G Iの食材を選ぶためにひとつの目安になるのが「色」です。「玄米や全粒粉、そばなど茶色の穀物は、殻が残っているため消化に時間がかかりGI値が低くなります。一方、白米やうどん、食パンなど白い食品は消化されやすく、高GIであると覚えておきましょう」
仕事中のおやつには低GIのヨーグルト、バナナ、りんごがオススメ。コンビニで買える低GIの大豆バーもよいでしょう。吸収率の低い午後2時ごろに食べるとさらに◎。
【疲れない食べ方3】 クレオパトラも愛したシナモンの美女効果
もともと古代エジプトで香辛料として重用されていたシナモン。中国では昔から生薬として、さまざまな漢方薬に用いられています。
「シナモンは強壮・強精薬として使われていたほか、免疫力の回復や整腸作用があります。また、ビタミンB1、B2 も豊富で、美肌効果が非常に高いこともわかっています。さらに血流を促進してくれるので、女性にとって大敵である冷え症の改善効果も抜群。代謝を高めて、全身の健康と美しさをサポートしてくれます」
疲れたなと思ったら、コーヒーや紅茶にシナモンをとり入れ、即席の漢方ドリンクを。
食べ方次第で体の疲労感は大きく変わります。疲れを軽減する食べ方は体にもやさしく、ダイエットにもよいことがわかります。疲労を強く感じるときほど食べ物、食べ方を工夫してみましょう。
文/庄司真紀
参考書籍
工藤孝文『 疲れない大百科 – 女性専門の疲労外来ドクターが教える』(ワニブックス)