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疲れや胃腸の不調、頭痛やめまい…。現代人は酵素が不足しがちで、その結果、消化力の低下が見られるといいます。消化力を高めるのが、予防内科医の関 由佳先生考案の食べるくすり「やさい麹」です。おいしく、簡単に作れて、日本人の体質に最も合っているというやさい麹について、著書の『腸と胃を整える食べるくすり やさい麹』(アスコム)からお伝えしていきます。
- 監修
- 関 由佳
消化力が低下すると不定愁訴も現れやすくなる
忙しかったり疲れていたりすると、なんとなく調子が悪い、どうも胃腸の具合がよくない、頭痛やめまいがあるなど、心当たりはありませんか? その理由は、消化力の低下にあるかもしれません。
現代人は消化力が弱り、“隠れ栄養失調”に陥りやすいと予防内科医の関 由佳先生は話します。「早食い、ながら食い、加工食品、偏食、ストレスなどが要因で現代人の消化力は低下しています。 消化力が落ちると、正しく栄養素が吸収できず栄養不足になり、エネルギー不足になります。疲労や免疫力の低下にもかかわり、体のさまざまな機能が低下していきます。多くの人が抱える不定愁訴もそれが原因といえるでしょう」
腸内環境を整えて消化力を高める
関先生の栄養療法は腸内環境を整えることから。自身も10代のころから病気で薬を飲み続けてきて、たどり着いた答えが食べ物で病気を予防するという考え方でした。
“食べるくすり”のひとつは日本古来の麹です。
「薬に頼らず、健康を保つために、何を食べるのか。日本を飛び出し、ニューヨークで再認識したのが、みその魅力。そして麹のパワーです。私自身、みそや麹など発酵食品を摂取することで、薬に頼らない体を手に入れました。腸内環境を整えるだけではなく、発酵により食べ物を体に吸収しやすい形に変化させます。それは食べ物の種類が今の時代ほど豊かではなかった時代に、人間にとって必要な栄養素を効率よく補給するための先人たちの知恵の結晶といえるでしょう」
パワフルな野菜×麹の「やさい麹」
麹を使った“食べるくすり”として先生が考案したのが「やさい麹」です。
「やさい麹は腸内環境を整えるだけでなく、ビタミンやミネラルも豊富で、さらに食べ物を吸収しやすい形に変化させます。野菜のなかでも特にパワフルな健康効果(栄養成分)をもち、麹との相性もよいもの、そのうえ作り置きで使える便利さを視野に入れ、素材を選びました。もちろん、おいしさもです。ぜひあなたの健康のためにお試しください」
トマト麹、玉ねぎ麹、にんにく麹、しいたけ麹の4つのやさい麹は、日本人の味覚に合ったおいしさと作りやすさに加え、調味料としてふだんの料理でも使いやすいのが特徴です。
発酵食品のなかでも日本人の体質に最も合うというやさい麹。効果としては、栄養の消化吸収力をアップさせるほか、善玉菌を増やし、腸内環境を改善するほか、ビタミンB群で滋養強壮、疲労回復などが挙げられます。
次回からは、上記の4つのやさい麹のうち、風邪予防やダイエットによい「にんにく麹」と「しいたけ麹」の作り方をご紹介します。
文/庄司真紀
参考書籍
関 由佳著『腸と胃を整える食べるくすり やさい麹』(アスコム )
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関 由佳
予防内科医、味噌ソムリエ、野菜ソムリエ、メディカルフード研究家。山梨大学医学部卒業。専門は内科、予防医学、栄養療法。ニューヨークの料理専門学校Natural Gourmet InstituteでChef's Trainingディプロマ取得。ZONEダイエットやアーユルヴェーダなども現地で学び、それらのエッセンスを応用したオーダーメイド栄養指導プログラムを考案。2014年カラダクリニック銀座院長就任。 現在、岡山大学大学院で腸内環境と発酵豆に関する研究に従事しながら、食べ物で病気を予防する、栄養療法や予防医学に力を入れた診療を行う。オンライン外来MFM (Medical×Food×Mindfulness) 21days program監修医師。メディカルフード研究家として、各種メディアでも活躍中。
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