日本人が訴える体の症状のなかでも目立つのが肩こりです。とりわけ日本の女性では、最も多い症状が肩こりとなっています。痛みがひどいと、日常生活もままならなくなることも。できればなりたくないものですが、オーストラリアの研究グループが、肩をケアすることで仕事の効率が上がる可能性があることを報告しています。
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デスクワークにつきものの肩こり
肩こりは日本人にとって特に身近な症状のひとつといえます。厚生労働省の国民生活基礎調査によると、2016年、男性に多い症状として、腰痛に続いて多いのが肩こり。1000人中57人が症状を抱えています。一方で、女性では最も多い症状が肩こりで、1000人中、肩こりの症状があるのは117.5人。ほぼ10人に1人が肩こりを訴えていることになります。
そのひとつの理由は、仕事での疲労などが考えられます。一日中、オフィスに座って事務作業をする生活を続けていることで、首の周辺に痛みが生じてしまうのです。オーストラリアの研究グループは、オフィスの働く環境を改善し、勤務中に行える簡単な首まわりのエクササイズをとり入れることで、働く生産性を高められないかを継続的に調べてきました。研究グループは職場環境を改善したうえで、ひとつのグループでは首を回すなどの運動を週に3日行い、もう一方のグループでは健康についての情報を提供。それぞれのグループの仕事の効率がどう変化するかを報告しています。
仕事の合間の運動が効果的
こうしてわかったのは、首の運動をとり入れることで、1年を通して見たときの病気による欠勤が減るということです。簡単な首の運動を継続的に行うことで、仕事の効率が高まる可能性があると研究グループはみています。仕事の日々の効率が高められるかは、運動を確実に行うことが最低限必要で、今後さらなる検証が必要になるようです。
仕事の合間に、首を前後、左右に曲げたり、回したりするのは、手軽にできること。定期的にとり入れてみてはいかがでしょう。
<参考文献>
Scand J Work Environ Health. 2019 Jan 1;45(1):42-52. doi: 10.5271/sjweh.3760. Epub 2018 Aug 22.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30132008
Int J Environ Res Public Health. 2019 Jul 24;16(15). pii: E2633. doi: 10.3390/ijerph16152633.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31344787