健康効果の高い野菜と麹を組み合わせた「やさい麹」。消化力を高め、体調不良や病気を予防してくれます。「やさい麹は最強の発酵食品。食べるくすりです」と話すのは、考案した予防内科医の関 由佳先生。今回は4つあるやさい麹のなかから、ダイエットにも効果的なしいたけ麹の作り方と活用法を、著書『腸と胃を整える食べるくすり やさい麹』(アスコム)からお伝えします。
Contents 目次
ビタミンDで腸内環境を整え、免疫を高める
しいたけの代表的な栄養素は、ビタミンD、レンチナン(β-グルカンの一種)、食物繊維です。
「しいたけには、ほかの野菜には含まれていないビタミンDが豊富。しいたけを日光に当てて乾燥させると、紫外線を浴びることでエルゴステロールという成分が、ビタミンDに変わり、その量は増加。干ししいたけは、生しいたけの約10倍も多くなります」と関先生。
ビタミンDはカルシウムの代謝を促し、吸収率を高めて歯や骨を丈夫にしたり、腸内環境や腸管免疫機能を調節する効果もあります。腸の調子が整うと、ウイルスや細菌に対して必要な免疫機能が働くため、花粉症などのアレルギー症状の緩和が期待でき、自律神経も整います。
またβ-グルカンの一種レンチナンは、リンパ球やナチュラルキラー細胞(NK細胞) などの活性力を高める働きをする栄養素です。加えて、干ししいたけのうま味成分である、グアニル酸と米麹のアミノ酸が溶け合うと、極上のうま味に。米麹と合わせることにより腸内環境も整って善玉菌が増え、酵素パワーでビタミンDの吸収も高まります。
〈しいたけ麹の発酵効果まとめ〉
●免疫力アップ
●カルシウムの吸収促進で骨粗しょう症予防
●イライラや不眠解消
●腸内環境整備で腸疾患や便秘改善
●花粉症などのアレルギー症状緩和
●自律神経のバランス調節
●血糖値上昇の抑制
しいたけ麹の作り方
ストック食材の定番、干ししいたけを使ったしいたけ麹の作り方です。細かくくだくほどでき上がりは美味。
【材料】(乾燥米麹50g分)
干ししいたけ 5g
乾燥米麹 50g
塩 10g
水200ml
水 30〜45ml(大さじ2〜3)
【作り方】
(1)干ししいたけをビニール袋に入れ、めん棒などでたたいて細かく砕く。※しいたけにアレルギー反応を起こす方もいるため、アレルギーをおもちの方や心配な方は加熱することをおすすめします。
(2)ボウルに米麹、塩、 (1)を入れてよく混ぜ合わせる。
(3)(2)に水200mlを加えてよく混ぜ合わせ、ラップをして発酵させる。室温でひと晩おいて、とろみがでたら完成。
【発酵&保存法】
●20〜25℃程度の室温にひと晩(8〜10 時間くらい)おいて、発酵させる。
●清潔な保存容器に移し、麹が浸る程度の水(大さじ2〜3)を加え、ふたをして密閉する。
●1日に1回混ぜ合わせ、冷蔵保存する。
※日を追うごとに甘みととろみが増す。冷蔵庫で1週間ほどは保存可能。
料理の幅が広がる! やさい麹の活用法
やさい麹はそのまま食べるのではなく、たれやドレッシング、しょうゆやソース、調味料などの替わりに使いましょう。いろいろな使い方があります。
(1)たれとして
納豆の添付のたれの替わりに。やさい麹で和えた納豆にいかや野菜をプラスすれば、一品料理に早変わり。
(2)調味液として
市販の調味液やマリネ液の替わりに、魚介や野菜を和えてもOK。麹が素材のうま味を引き出します。
(3)ドレッシングとして
生野菜はもちろん、温野菜のサラダなど、ドレッシングとしても使えます。卵との相性も抜群。目玉焼きやオムレツにかけても◎。
(4)しょうゆの替わりに
冷奴や刺身、おひたしのしょうゆの替わりに使えば、いつもと違ったおいしさを発見。しょうゆより塩分が少なくす済み、うま味とコクもプラスされます。
(5)野菜の下味に
素材の下味をつけるのにも役立ちます。味に深みとコクをプラスするだけでなく、麹の効果で素材のうま味を引き出してくれます。
(6)肉のうま味アップに
麹の酵素の力で肉をやわらかくし、野菜の栄養をプラスします。これだけで、肉のたんぱく質と野菜のビタミン、ミネラルが一緒にとれるので、野菜嫌いの子どもにもオススメ。
(7)みそ汁のコクと栄養アップに
みそ汁やスープに入れれば、野菜のうま味とコクがプラスされます。味に深みが増しておいしさがアップ。
(8)パンのお供に
やさい麹は、スプレッドの替わりにも使えます。チーズはもちろん、納豆との相性も抜群!
簡単に作れておいしい、しいたけ麹。2週間の体験談では、便秘の解消、美肌、むくみの改善によかったという声が多く寄せられています。料理でドレッシングや調味料として多用途に使えるのがいいですね。
文/庄司真紀
参考書籍
関 由佳著『腸と胃を整える食べるくすり やさい麹』(アスコム )