年末年始は、忘年会や新年会などお酒を飲む機会が多くなります。二日酔いや悪酔いを防ぐには、つまみの選び方にコツがいります。『酒好き医師が教える薬になるお酒の飲み方』(日本文芸社)の著書をもつ秋津医院院長・秋津壽男先生に、大人の女性として、スマートにお酒を楽しむためのつまみの選び方について、ご指南いただきました。
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ビールに餃子は最強の組み合わせ!?
悪酔いを防ぐ飲み方のコツは、なんといっても食べながら飲むことです。空腹の状態で、いきなりお酒を飲むと、アルコールの吸収が早くなり、酔いも早く回ってしまいます。さらに、つまみのちょっとした選び方の工夫で、体にやさしい飲み方できます。
「お酒の席で意識してとりたいのは、たんぱく質。私たちの体をつくるもとであるたんぱく質は、アルコールを分解する酵素にもなり、肝臓の調子を整える役目も果たしています。また、トマトや豚肉、にんにくなどのビタミンB群を多く含む食品には、アルコールの代謝を早める効果があり、これらをつまみに食べれば、悪酔いしにくくなります」
お酒のつまみにおすすめのメニューを紹介します。
たんぱく質
私たちの体を作っているたんぱく質は、アルコールを分解する酵素にもなり、肝臓の調子を整える役目も果たしています。「たんぱく質といえば、肉類ですが、とんかつやから揚げなどの揚げものばかりだと、脂質も多くなってしまい、肥満の原因に。糖尿病など生活習慣病にもつながります。つまみは、“高たんぱく低カロリー”を心がけましょう」
<メニュー例>
・枝豆
・湯豆腐、揚げ出し豆腐
・チーズ盛り合わせ
・ビーフジャーキー
高たんぱく低カロリーの代表選手は、豆類や大豆製品です。
「枝豆は手軽でおすすめです。豆腐にもたんぱく質は豊富。温かいほうが胃の粘膜を守ってくれるので、冷ややっこより、湯豆腐、揚げ出し豆腐のほうがベター。チーズの盛り合わせ、ビーフジャーキーなどもいいですね」
ビタミンB群
ビタミンB群は、アルコールを代謝するときに使われます。積極的にとることで、アルコールが体から抜けやすくなります。
「ビタミンB群を豊富に含むのは、豚肉です。ハムやベーコンなどの加工製品にも多く含まれています。また、にんにく、ぶりや鮭といった魚にも豊富です」
<メニュー例>
・餃子
・ぶりの刺身
・スモークサーモン
「ビールと好相性の餃子は、ビタミンB群を豊富に含む豚肉とにんにくの最強コンビで、悪酔いも防いでくれます。中華料理店だけではなく、居酒屋にも多いメニューなので、ぜひとり入れたいですね。また、居酒屋なら、ぶりの刺身、スモークサーモンなどを選ぶといいでしょう」
●トマト
「トマトは、血中のアルコール濃度の急激な上昇を抑え、体内からアルコールが消失する時間を早める効果が認められています。火を通しても、その効果は変わりません」
<メニュー例>
・冷やしトマト
・トマトサラダ
・カプレーゼ
居酒屋では、冷やしトマトなどを。イタリアンなら、トマト料理のメニューも豊富。カプレーゼ、トマト系パスタをチョイスしましょう。
「お酒を飲む前にトマトジュースを飲んだり、チェイサーにするのも◎です」
取材・文/海老根祐子