寒くて体を動かす機会が減る冬は太りやすい季節。ついつい食べ過ぎてしまい、ダイエットやフィットネスに取り組まなくてはと、反省してしまうことも。太ってくると、生活習慣病など健康への悪影響が及ぶとされますが、意外にもお口のなかにも注意が必要。歯茎の病気である歯周病になりやすくなるようです。体重が気になる人は、お口の健康にも気をつけるとよいかもしれません。
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お口の健康に影響が?
日本人の歯周病は減少傾向にあると考えられているものの、年齢を重ねるとお口の健康に問題を抱える人が増えてくるとわかっています。歯周病の問題のひとつは自覚症状がないこと。歯茎が下がってきたり、歯がぐらぐらしていたら大きな問題です。そこまででなくても、りんごをかむと歯茎から血が出るなど、歯茎の出血が気になる人は少なくないかも。それは歯肉炎や歯周病などの問題とも無縁ではありません。
今回の研究結果は米国の研究グループが報告。歯周病のなりやすさや悪化に肥満の影響があるのかを調べたもので、これまでも肥満になると歯周病になりやすいのではと疑われており、過去の研究を整理して、多くの研究データをあらためて分析しました。
共通項は体の「炎症反応」
そうしてわかったのは、太っているとやはり歯周病になりやすいということです。歯周病の恐れがある人の特徴は、肥満度を示す「BMI」が高い人のほか、ウエストが太い人、皮下脂肪率が高い人、中性脂肪などが高い人。太っていることで、思わぬ悪影響が口のなかに及んでしまう可能性が明らかになりました。
こうした口のなかのトラブルが太っている人に起こりやすい理由は、体に炎症が起こりやすくなるから。炎症は、粘膜がはれやすくなったり、赤くなったり、痛みが出たり、熱をもったりする変化のことで、太りやすくなると、こういう困った状態につながりやすくなると考えられるそう。
体重が増えると、美容や健康にとって好ましくはないですが、その悪影響は思いのほか幅広いのかもしれません。体重計にのるのが憂うつだという人は、お口の状態にも人一倍気を配るようにするとよいかもしれません。
<参考文献>
厚生労働省eヘルスネット「歯周病」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-03-004.html
CWRU School of Dental Medicine research suggests treating one may impact the other
https://thedaily.case.edu/new-study-explores-the-link-between-obesity-and-gum-disease/
Br Dent J. 2019 Aug;227(3):235-239. doi: 10.1038/s41415-019-0611-1.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31399683